先日、水彩画教室のスケッチ取材で知多木綿の里・愛知県知多市岡田地区を訪ねた際にお邪魔した「岡田なごやかサロン」の外観を描きました。
知多市の「高齢者まちかど居場所づくり事業」で、サロンは空き家や地域の施設などに設けられていますが、岡田のサロンは門柱を見てもただの空き家ではなさそうです。
それもそのはず、ここは旧知多貯蓄銀行岡田支店。近くにある明治35年(1902)の開局で今なお現役である知多岡田簡易郵便局舎とともに、この地が全国有数の木綿生産地として潤ってきた往時をしのばせます。
サロンは週に4日間ある高齢者たちのおしゃべりタイムだけでなく、趣味の教室などにも使われ、前の静かな通りには、自転車や高齢者が押してきた乳母車が並んでいました。
歳月の経過を思わせる塀。門柱の先で迎えてくれる大きな知多木綿の暖簾が、地域の歴史と誇りを物語ります。