歴史・音楽・過ぎゆく日常のこと
日日の幻燈




布田五宿に到達したのは7月。
やっぱり真夏の期間は避けようね~と言っている間に、私は引越しという人生の一大イベントを迎えたわけです。
そんなこんなで、布田五宿をようやく出立できたのは10月24日。
本来なら、甲州街道を一路西へ!となるところ、ここまで来たら、やっぱり深大寺へ行かないとね。
美味しい蕎麦…ではなくて、関東有数の古刹を目指して、いきなり寄り道です。

【江戸名所図会の深大寺】


【東参道】


深大寺へ行くにはいくつかのルートがありますが、私たちがとったのは京王線調布駅からバスで向かうルート。まぁ、甲州街道を歩いて布田五宿まで来たのだから当然と言えば当然。
パルコの前のバス停からバスに乗ります。深大寺行きに乗って終点まで行くのもいいのですが、土日休日の車内は大混雑。なので、「深大寺小学校」のバス停に停まる他の行き先のバスに乗るが吉。私たちは杏林大学病院行きに乗りましたが、吉祥寺駅行きでもいいようです。で、深大寺小学校前で降りるとすぐに東参道。ここを進めば10分もしないうちに山門に到着します。
ちなみに深大寺行きは、深大寺や植物園の彼方をぐるっと一周して山門前に着くので、時間的にもかなりロスします。座れなかった場合は「深大寺小学校」で降りた方が楽です。

【山門】


深大寺の山門に着いたのは10時30分頃。参拝客もようやく増えてくる時間帯でしょうか。門前の土産店や茶屋も始動!といったところでした。

【本堂】


ところが。
本堂前は意外なくらい人がいませんでした。以前(ゴールデンウィーク)に訪れた時は随分と混雑していたので、今日もワイワイガヤガヤ…かと思いきや。
10時半頃だとまだ混みだす前なのでしょうかね。

【釈迦如来倚像】


深大寺には見どころがたくさんあるのですが、そのひとつがこちら。本堂左手奥の釈迦堂に安置されている、白鳳時代のお釈迦様。重要文化財に指定されています。
お堂のガラス越しに拝観できるようになっていて、奈良や京都のお寺で出会うような、優しく柔らかな雰囲気に癒されます。

【深大寺蕎麦とビール】
深大寺と言えば、はずせないのが蕎麦。11時前でしたが、さあ、食べるぞ!ということで。



蕎麦の前に早くもビールで乾杯。
もちろん深大寺ビール。今流行の地ビールのはしりってところでしょうか。
ホッピーの2代目が深大寺に直々にお願いして、その名を冠することを許されたとか。



そしてお待たせ、深大寺蕎麦
江戸時代、すでに有名だったようですが、近隣の村里が「便乗商法」をしていたようで、
「おしなべてこの名を冠らしむるといへども佳ならず」
とのキツイ批評が、江戸名所図会に載っています。

この日のお店は、旅の仲間W氏ご推薦。秋の日差しの下、屋外のテーブルで食べる蕎麦は、また格別に「佳」だったのでした。

【江戸名所図会の深大寺蕎麦】


【鬼太郎茶屋】


深大寺に参拝し、蕎麦を食べたら、残るはここ、鬼太郎茶屋。喫茶スペース付の鬼太郎グッズ専門店です。
水木しげるさんと調布は切っても切れない縁。確か調布市の名誉市民だったはず。
そして鬼太郎が産声をあげたのは、布田五宿の下石原宿近辺だったかと。
そんなわけで深大寺を出発するにあたり、きっちりと鬼太郎グッズを物色したのでした。


さあ、ここから調布駅へバスで戻り、いよいよ甲州街道を府中に向かって歩く「本編」へと突入します。


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