今朝も産卵はありませんでした(目崎)。
今日はキクメイシ類などの産卵が集中する下弦の月です。本年度の産卵観察最後の下弦の月、ワクワクしながらいつもより10分ほど早い7時45分頃から海に入りました。今日はベタなぎで、透明度もよく最高の海況でした。
入ってすぐ、ゴカクキクメイシが産卵していました。おぉ、いきなりかと思いながら、キクメイシ類を中心に見て回ったのですが、どこまでいってもゴカクキクメイシばかり。途中、イカがゴンズイを食べていたので見ていたら、いきなりイカが怒ったのか、僕の胸のあたりめがけて突進してきました。アクシデントがありながらも、ついに折り返し地点である、2つ目のエビ礁の末端まで差し掛かりました。産卵を見れるだけで幸せなのですが、下弦の月で期待していた分、すこしがっかりしました。
その時、やさしそうな顔をしたチョウチョウウオ1匹がユレハナガササンゴ(仮同定)のそばにいました。珍しいなーと思ってそばによってみると、いつもとはサンゴの様子が違うことに気がつきました。ハナガササンゴ類はだいたい夜はポリプをしまっていることが多い(出している場合もある)のですが、よく見ると通常よりポリプがぷっくり膨らんでいました。するとその瞬間、白い煙がもわっとサンゴからでてきました。おぉー!と声をあげ、思わず目をこすって確認しなおそうと思ったら、マスクがありこすれませんでした。気持ちを落ち着かせて、観察を続けていると、またもわっと白い煙がサンゴからでてきました、。これはもしや放精では!?ありがとーチョウチョウウオ!と思い顔上げると、その子はもういませんでした。 ハナガササンゴの放精はシコロサンゴのように、精子を出し続けるというよりは、ポリプに海水をためて膨らみ、ポリプを収縮させると同時に、その勢いで精子を出しているようでした。一度だしても、また海水を充填ししばらくすると同じように放精を繰り替えしていました。しかし、群体が小さかったせいか、繰り返しの頻度はあまり多くなく、精子で海水が濁るほどではありませんでした。初めてみる放精で面白かったので、じっと観察していたのですが、ふと気がつき、メスを探さなくてはと思いました。
この種はあまり西泊に多いわけではなく、とにかく一番大きい群体を見に行ってみようと思い、折り返し地点から戻り始めました。その群体は調査開始地点に近いため、ここからは意外に距離があります。急いで戻らないといけない時に限って、いろいろなサンゴが産卵しはじめました。ゴカクキクメイシ(ピンク)、アマクサオオトゲキクメイシ、パリカメノコキクメイシ、コトゲキクメイシ、空気ヨンデクレっ!と思いながらも記録をとりました。
ようやく大きいユレハナガササンゴに到着したときには、放精確認から40分も過ぎていました。チョウチョウウオもいないし、もうダメかなと思っていたら、なんと海中を漂う黒っぽい物体を発見!慌てて瓶に回収してみると、なんと卵のかたまりでした。
おぉー、これはもしやと思い、ポリプひとつひとつを観察しました。すると回収した卵のかたまりと同じものを、ポリプから出そうとしている様子を観察することができました。
やった・・・。
偶然の発見と、予想を立てそのとおりだったことを確認できたときの喜びは、私の文章力では表現できないなんとも満たされた感じでした。
研究の目的もありますが、この瞬間に出会うために産卵観察をしているんだと再確認しました(目崎)。明日の産卵確率40%
今朝は7月と同じ旧暦の日にシコロサンゴが大規模に放卵放精しました。7月に放精や放卵した群体に♂♀のタグをそれぞれつけていたので、潜ってすぐ確認にいきました。そうするとなんとっ!先月メスのタグをつけていた群体からもくもくと精子が沸きあがっていました。先月放卵を確認してタグをつけた3群体のうち2群体は放精し、1群体は放卵でした。放精は6群体にタグをつけたのですが、タグをつけた群体はすべて放精のままでしたが、それ以外で先月放精を確認した5群体が放卵をしていました。 今回、1シーズンに放卵と放精を両方する群体を初めて確認することができました。先月のブログにはシコロサンゴは雌雄異体放卵放精型と書いたのですが、今回の観察で雌雄同体もいることがわかりました。海で最初に見たときに、驚きと感動がありました。これだから、このような瞬間に出会えるから産卵観察はやめられません!(目崎)
1.7月にメスのタグをつけたシコロサンゴの放精
2.採取したシコロサンゴの卵。大部分が沈んでいます。
昨晩に引き続きタバネサンゴが2群体産卵しました。その他にもう終わったと思っていたコモンサンゴが1群体(この群体はもう合計5回は分割して産んでいる。同じポリプから2回以上でているような気がする・・・)とゴカクキクメイシ2群体が産卵しました。規模はどれも小さいのですが、属の違う3種(コモンサンゴは科も違う)がほぼ同時刻に産卵したので、見て回るのが忙しく疲れました(目崎)。明日の産卵確率30%
1.タバネサンゴ、中央右が卵塊セット状態。その他の個体は卵を昨晩産んだのか、ゴカイのようなものを食べていました。産もうとしている横でご飯を食べている光景を見てると、なんだか笑えてきました。産卵したばかりで、お腹すいてるだろうか・・・。
2.コモンサンゴ 例年のことですが、産卵日が分かれすぎ。ちゃんと受精できているのか!?
3.ゴカクキクメイシ(大きめタイプ)西泊のキクメイシ科の中でも例年分割産卵する代表種。
なんと!タバネサンゴの産卵をついに確認しました。西泊では初記録です。下弦の月ではなかったのですが、5群体が同調していました。卵塊は一粒、一粒、順序よく産んでいるような感じで、産卵の時間も長かったです。卵塊は群体のポリプの大きさによってばらつきが大きく、中には小さい卵がぎっしりつまっており、3群体から8粒ほど卵塊を採取したのですが、とりすぎたっ!と思えるほどの量でした。卵塊は研究所にもちかえり受精させてみました。ポリプ1個が大きいものと、小さいものでも受精しました。今年はもう新しい種は夜に確認できないと思っていたので、海中で一人喜んでいました・・・。あとキッカサンゴが3群体産卵しました(目崎)。明日の産卵確率20%
写真:1.卵塊のセット状態 2.卵塊の放出 3.卵塊の旅立ち 4.卵塊
今日はチョウチョウウオに完敗でした・・・。昨晩に引き続きキッカサンゴが産卵したのですが、産卵前の状態を確認したのは1群体のみで、その他はいく先々でチョウチョウウオが群がり、卵塊を放出させていました。今年はチョウチョウウオの数が例年と比べて多い気がするし、7月より学習しているせいかかなり手強いです。なんとか放出した卵塊を確認したのは9群体ですが、もっと多い群体が産卵したと思います。一人で潜っておりとにかく多勢に無勢で、正確なデータをとるのは困難です・・・(目崎)。明日の産卵確率20%
1わかりにくりかもしれませんが、キッカサンゴの卵塊セット状態です。
2キッカサンゴの卵塊放出の様子(チョウチョウウオによる)
3キッカサンゴに群がるチョウチョウウオ
4キッカサンゴの卵塊を私の目の前で放出させ、満足そうにこちらにくるチョウチョウウオ。