2015年6月上旬クラゲサンプリング

2015-06-18 16:35:58 | 海洋生物
こんにちは、戸篠です。

先日、宿毛湾へクラゲ採集に行ってきました。
ネットでひとすくいすると小さなクラゲがたくさん。
正体はこれです。



コツブクラゲ

口と胃の間にある口柄という部分で、クラゲ芽を作り無性生殖します。
プランクトンネットを水平曳きすると数百個体は入ったでしょうか。
ソーティングが大変なことになります。

その他には


カタアシクラゲモドキ


オベリアクラゲ

です。最近は雨ばかりで、採集に行けてません。

戸篠





5月晴れと石めくり

2014-05-01 22:55:54 | 海洋生物
 飛び石連休の合間、県外から来てくださった棘皮友達の研究者とともに、海に繰り出して参りました。今日のダイビングはひたすら転石をめくるスタイル。なんだか久しぶりかも。さて、西泊の石の下によくいる生物といえばクモヒトデ。しかし奴らは石をめくったとたんにスタコラと逃げ出すので、写真に収めるのは至難の業ですね。写真はやっと成功したホウシャクモヒトデ。やった!(この文章内容に共感してくれる方は、棘皮動物を愛せるセンスがあると思います。)
 港の外はやや波があるものの、天気は快晴で海びよりの一日でした。
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めんどりがうまい

2012-12-29 23:36:00 | 海洋生物
近頃、近所の漁師さんによくもらうのが「めんどり」。「めんどり」はヒメジの仲間のことを指す地方名で、ウミヒゴイ、オキナヒメジ、ホウライヒメジ、コバンヒメジ、タカサゴヒメジなどがこう呼ばれています(「ひげいち」と呼ばれることもあります)。

あまりみてくれのよい魚ではありませんが、味の良いきれいな白身の魚で、マダイの代用になります。特に今の時期は皮目に脂がのっていておいしいので、わざわざめんどり狙いで海に出る人もいます。三重とか高知、愛媛などでよく食べますが、関東ではほとんど使わない魚だと思います。

今回は皮をバーナーであぶって焼きぎれにし、どんぶりにしてみました。とれたてなので身はもちもちで、皮目がうまい!めんどり、あなどれない魚です。今回食べたのは多分、ホウライヒメジだと思うのですが、ウミヒゴイ属の魚はどれもよく似ていますね。この地方の人は山芋(自然薯)のとろろを作る時の「だし」もこのめんどり・ひげいちをよく使います。アラも有用なのです。「しゃぶしゃぶにするとうまいぞ!」と聞いたので、今度もらったら挑戦してみるつもりです。(中地 シュウ)



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福良川の河口の干潟に行ってみた。スダレハマグリ、フトヘナタリ、ミヤコドリ、ヒナユキスズメ、ハマサジ

2012-07-02 23:35:00 | 海洋生物

今日は前々から気になっていた宿毛市の福良川の河口にある干潟を見に行きました。家から一番近い干潟です。

泥を掘るとシオヤガイやスダレハマグリなど暖海性の二枚貝がたくさんでてきました。アシが生えているところにはフトヘナタリが群れており、交尾している個体がよく目に付きました。石をひっくりかえすとミヤコドリやヒナユキスズメなどの珍しいユキスズメガイ科の貝がへばりついています。また、見慣れない植物がまとまって生えているところがありましたが、これは塩性湿地に生息するハマサジというイソマツ科の多年草でした。すぐ近くの干潟もなかなかおもしろいじゃないですか!(中地 シュウ)

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福良川河口の干潟P7020568

スダレハマグリP7020576

オキシジミP7020583

ウミニナP7020607

ミヤコドリP7020621

フトヘナタリP7020594

ハマサジ


台風通過

2012-06-19 22:41:00 | 海洋生物

台風の通過に伴い、海が大荒れ。でも、思ったより波や雨が強くなりませんでした(ちょっと残念)。産卵時期のため浜に集まっていたオカヤドカリ(ムラサキオカヤドカリ)たちが、波が高くなってくると、大慌てで崖を登り、山の方に逃げていったのが面白かったです。(中地 シュウ)

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橘浦の調査 ウチノミナンカイヒトデ

2012-06-13 21:14:00 | 海洋生物

今日は大月町の橘浦に調査に行きました。今回もいろいろと面白い生き物にであえたのですが、なかでもウチノミナンカイヒトデが一番のヒットでした。佐波(2002)によると、こいつは日本でこれまでに2個体しか採集されていない激レアヒトデ。以前、橘浦から少し北にいった竜ヶ迫(たつがさこ)というところで1個体観察されたのですが、標本がなかったのでずっと探し求めていました。

あとはPleurobranchus mamillatus (カメノコフシエラガイ科)という30cmほどもあるとにかくでかいウミウシがたくさんいてびっくりしました。交接中のものが4ペアと単独のものが4個体ぐらいいて、白いレースのような卵塊もあちこちにありました。このウミウシもウミウシガイドブックによると稀種のようです。

しかしながら、カメラに長いマクロレンズを付けていったので、これら大物の写真が全然うまく撮れませんでした。残念!(中地 シュウ)

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ウチノミナンカイヒトデ(ナンカイヒトデ科)

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交接中のPleurobranchus mamillatus (カメノコフシエラガイ科)
ペアはこの色違いが多かった。


マツバガニを食べた

2012-06-06 22:40:00 | 海洋生物

以前、西泊のサンゴ漁師さんにもらったマツバガニ。研究所の水槽でしばらく飼っていたのですが、東海大学の横地先生が来たので夕食を兼ねた宴会の肴になりました。

丸ごと半海水で煮て食べました。ワタリガニよりもっと身がしっかりしていて味があり、とてもおいしかったです。でかいツメの身は特に美味い!味噌や内子もたっぷりあって立派なメインディッシュになりました。またとれないかなあ。(中地 シュウ)

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沖ノ島 着生板の設置作業

2012-05-29 23:47:00 | 海洋生物

サンゴ幼生の加入状況調査のための着生板の設置作業を進めています。今日は宿毛市沖ノ島に行きました。とても天候がよく、風や波がほとんどなかったので、作業は順調に進みました。今回もいろいろな面白い海の生き物に出会うことが出来ました。やっぱり沖ノ島は最高です!(中地 シュウ)

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沖ノ島ではお約束のバイカナマコ。P5294755s

バイカナマコを持ってはしゃぐ小渕研究員P5294886s



バイカナマコと学生さん(Dくん)。表情がやや硬い。P5294706s 

作業もちゃんとやってます。
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日本では最大級のヒトデ、オオフトトゲヒトデ
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トウカムリの若い個体。
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スカシカシパン
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ヒレジャコ(シャコガイの仲間)。かなり大物。
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リュウキュウタケノコガイかな?こっちでは初めて見ました。
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また出た謎のナマコ。近いうちに沖ノ島のナマコ調査やりたいです。


マンジュウウニ

2012-05-18 22:16:00 | 海洋生物

今日、マンジュウウニの標本写真を撮っていてふと思ったのですが、海の生き物には名前に「まんじゅう」とついているものが結構います。

このマンジュウウニ(ウニの仲間)のほか、マンジュウヒトデ(ヒトデの仲間)、マンジュウイシ(イシサンゴの仲間)、スベスベマンジュウガニ(カニの仲間)、あと魚類ではマンジュウイシモチやクロホシマンジュウダイなど。どれもその名の通り、丸っこい体を持つかわいらしい生きものたちです。うん、このまんじゅうネタで1本、コラムが書けそう。あたためておこうっと。(中地 シュウ)

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本家マツバガニ

2012-05-13 22:38:00 | 海洋生物

西泊の漁師さんに宝石珊瑚を採る網にかかったでかいカニをもらいました。こいつは「マツバガニ」というオウギカニ科のカニで、水深50~100mの少し深い海にすんでいます。宝石珊瑚網に時々かかるようで、漁師さんたちは「毛ガニ」と呼んでいるようです。味はやや淡泊であるが「まあまあ美味い」ということです。

「まつばがに」というと、ほとんどの人はズワイガニのことを思い浮かべると思います。かわいそうなマツバガニ。「本家マツバガニはおれなんだー!」という悲しい叫びが聞こえてくるような気がします。(中地 シュウ)

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はじめてのファンダイビング(トウカムリ)

2012-05-05 22:47:00 | 海洋生物

このゴールデンウィーク中にプライベートで宿毛市沖ノ島に潜りにいきました。

実は私、自分でお金を払ってダイビングしたのは今回が初めて。いやあ、よかったです。仕事じゃないダイビング。まあ、やることは仕事で潜るときと大して変わらないですけど。

せっかくのファンダイビングなんだから、きれいな魚の写真でも撮ろう!と思ったのですが、いざ潜ると、ついついへんなカイメンとかへんなウロコムシとかへんなヒトデとかへんなスナギンチャクとかに眼がいってしまいます。

今回のヒットは大型の巻貝であるトウカムシ。ブンブクの仲間(ヒラタブンブク)を食べていました。これまで見た中で最大級の大きさのヤマトナンカイヒトデも見れました。また、初めて見るヒトデ(いいものの予感あり)にも出会えたので実りのある1日でした。

今回はいつも沖ノ島で調査を行う際にお世話になっているダイビングショップで潜らせてもらいました。店の人に「プライベートで潜るのは初めてなんですよ!」というと、「へえそうなんだ」といってずいぶんダイビング料金を安くしてくれました。感謝です。できれば月2ぐらいはプライベートで潜りたいですね。(中地 シュウ)

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小さな王様 コビトオウサマウニ

2012-05-04 20:41:00 | 海洋生物

ウニの仲間に「オウサマウニ(科)」という面白い名前がついたグループがあります。オウサマウニの仲間には「コウテイウニ(皇帝)」、「ミカドウニ(帝)」、「ダイオウウニ(大王)」、「リュウオウウニ(竜王)」などといった、これまた物々しい名前のついたものがたくさんいます。

このオウサマウニ科のなかでちょっと気になっていたのが「コビトオウサマウニ」という種です。小人で王様なんて、なんだか笑っちゃいませんか?見たい見たいと思っていたら、ついにこの間、珊瑚網に1個体かかりました。どうでしょう?王様っぽいですかねえ。(中地 シュウ)

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ザ・深海生物 トゲスガタヒトデ

2012-05-03 23:06:00 | 海洋生物

ヒトデのデザインには実に多くのバリエーションがあって面白いのですが、私が一番「すごい!」と思うのが、このトゲスガタヒトデ。水深100m以深の深い海に住んでいる種で、いかにも深海っぽい、なんとも何とも形容しがたい魅力的な姿をしています。宝石珊瑚漁で混獲されるヒトデの中では、一番こいつが好きですね。(中地 シュウ)

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