黒猫亭日乗

題名は横溝氏の「黒猫亭事件」と永井荷風氏の「断腸亭日乗」から拝借しました。尚掲示板が本宅にあります。コメント等はそちらへ

「ありふれた生活」を読んで

2010年09月24日 | Weblog
三谷幸喜氏のエッセイ本、「ありふれた生活」シリーズの3~8巻を読んだ。既刊では8巻が最新となる。まず思ったのは三谷サンがセンチメンタルな人なこと。愛犬の問題行動をみては、スキンシップ不足を反省し、愛猫の寝姿を見ては涙ぐむ。こうも神経をつかっていては、そのうち病気になってしまいそうだけれど、三谷サンという人は、いやなはずのテレビ出演なども、いざというときにはその場を思いっきり楽しんでしまう図太さもあるので、それは杞憂なのかもしれない。
それと、氏は、特に映画の画面に映った折に、笑いが起こる事を気にしておられる。が、それは無理というものである。何せ知識の沢山つまった、データバンクであるところの氏の鉢の大きめな頭が、笑いを誘う絶妙な黄金バランスとなっているのである。それに加えて丸顔メガネに童顔、とくれば、シリアスな場面であればあるほど、突然目にすると私たちは噴出してしまうのである。
さて、装丁が和田誠氏ということで、ここでもお楽しみがある。第六巻(副題役者きどり)を手にされた人は、ぜひ横溝正史氏の「新説・金田一耕助」の装丁と見比べていただきたい。ニヤッとすること、請け合いだから。


本宅はこちらになります。よろしければお寄りください。→黒猫亭日乗