地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

大陸別展開図法

2008-09-01 11:01:21 | Weblog
大陸別に描く最適な図法
地球はほぼ丸い球体(立法体)です。それを平面の紙の世界(二次元の世界)に現そうとするのが土台無理というもの。
しかし、現実には曲がりなりにもそうせざるを得ません。そこで、距離、方位、面積の3要素のうち、いずれかを犠牲にするか、ほぼ正しい世界で妥協(我慢)して見るしかない。
今日は、他の作業の必要もあり、大陸別の展開図法を考えてみました。高校の数学程度では追いつきませんので、最終的には専門家のアドバイスが必要ですが。

(1)アフリカ
ランベルト正積円筒図法
円筒図法=円筒面を赤道に接する投影。
正積=非投射図法=緯線間隔が等しいことによる歪を除去するため、投射図法の性質の一部を残して、中心から離れるに従い、緯線間の距離を縮小することにより、正積性を与える作図法です。=条件投射。
面積が正しく、全体として歪が少ない。赤道に近いアフリカに適した図法。

(2)ヨーロッパ
多円錐図法
円錐図法=円錐に投影した後、平面に展開する図法。
多円錐:本来、一個の円錐を地球にかぶせることを前提にしていたが、多円錐の場合はそれぞれの緯線に沿って円錐をかぶせ、より歪みを少なくする方法です。
すなわち、北極点では平面に、南下するに従い、かぶせる円錐角度を鋭角にする図法。
円錐が接してる緯度線(標準緯線)の周囲(同心円周囲)は、長さ、面積、角度の歪が少ない。
すなわち、全体として歪が少ない。赤道以北の中緯度地帯に属するヨーロッパに適した図法。

(3)北アメリカ(中央アメリカを含む)
ランベルト正積円錐図法。
赤道から北極圏にかける北半球を占め、かつ緯度の広がりも少なく、ほぼまとまった半球の地図展開に適している。多円錐にすればなおいいのでは?
正積方位図法もよく使われます。これは大陸の中心部に平面をおき、投射する図法で、方位に重点がおかれた場合の図法です。
面積が正しく、全体として歪が少ない。

(4)南アメリカ
ランベルト正積円錐図法。
赤道から南極圏にかける南半球を占め、かつ緯度の広がりも少なく、ほぼまとまった半球の地図展開に適している。
正積方位図法もよく使われます。これは大陸の中心部に平面をおき、投射する図法で、方位に重点がおかれた場合の図法です。
面積が正しく、全体として歪が少ない。


(5)アジア
ランベルト正角円錐図法(2標準緯線)
北半球の赤道付近から北極圏にあり、かつ軽度差がほぼ地球の半分を占める地球1/4の展開図法。満足する図法はないといっていい。
面積が正しく、全体としてゆがみが少ない。

(6)環太平洋(オセアニア)
エツケルト図法
擬円筒図法=緯線は等間隔の平行線、経線は北極点を一点ではなく赤道の1/2の長さに仮定して、中央経線を対称軸に左右に曲線を描く。
従って赤道および中央経線付近は歪が少ないが、離れるに従い距離、方位に歪が増加する。しかし、正規の円筒図法より正積にはこだわった図法です。
面積が正しく,中、高緯度の歪が少ない。

(7)南極、北極
正距方位図法
これは、これっきゃないという図法です。