地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

富士山

2008-09-25 10:34:29 | Weblog
富士山(3776m)には川がないと言われていますので、取り上げてみました。
川とは「常に流水が、幅1.5mはあること」だそうです。
1:200,000地勢図を眺めてみると、御殿場方面に標高1,000mまで一本川
がさかのぼっていますが、そこから上の部分にはどこにも河川記号がありません。
いわゆる、一合目以上には川らしい川がないのです。
降った雨や雪は、火山岩の中に吸い取られ、伏流となって山すそまで達し、湧き水となって出てくるようです。
それには、高山のための希薄な植生も手伝っているようですが。
富士山を源流とした川らしい川はないのです。錯覚しやすい「富士川」は主として南アルプスを源流としているようですし・・・。
大量の雨が降ると、急ながけを伝った水の流れはあるようですが、常時流れているわけではないので川とは言わないようです。いわゆる「枯れ川」ですか・・・。
1:50,000地形図には、ところどころ、藍色の長破線の記号が川のように記されています。これが「枯れ川」です。

ところで、富士山は修験者の霊場で、江戸時代後期の1800年(寛政12年)まで女人禁制だったようです。
よくも、長い間、黙って従ってたもんですね。女性諸君!