地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

土地利用図

2008-01-25 11:40:56 | Weblog
土地利用状態を現地調査や空中写真、資料などによって調べ、地図に色分けして表したものです。
都市の商業や工業などの機能区分、農地、林地などの植生区分などが表示されています。
6色刷りの美しい地図なので、見るだけでも楽しめます。
また、郷土の地理研究、自然保護や環境問題など、幅広い分野でも活用されています。
最近、環境問題や過疎化の問題が賑やかになりましたが、土地利用図を基に、指標生物を現地調査し環境マップを作るなど緻密な対策が必要な時期ですね。(「環境マップ」は近いうち、調べてみます)
土地利用図が見直される時期でもあります。

土地利用図には、2万5千分1、5万分1、20万分1があります。2万5千分1土地利用図は、全国の平野部をほぼカバーしています。
現在販売されている面数は次の通りです、一部在庫切れや絶版もあるようです。
1:25,000図・・・1,194面
1:50,000図・・・45面
1:200,000図・・・123面

1)1:50,000土地利用図
総合開発地域に指定された地域を対象に、国土地理院と地方公共団体が協力調査し、1953~1967年までに約300面が作成されました。農林業に重点を置いた区分です。一般には刊行されていません。(国会図書館には所蔵されているようですが)
 また、1967年からは国土地理院の刊行図となり、1972年までに50面が刊行されています。

2)1: 25,000土地利用図
1974年の国土利用計画法成立にともない、作成されたものです。
当初の農業を中心にした土地利用から、社会のニーズにより都市機能を中心に作成されました。
1988年までに、全国の平野部約1200面(ほぼ全域です)が整備されています。35の土地利用区分で表現されています。
現在の土地利用図が作られて比較出来れば、過疎化の様子が明確になり、対策を検討する上でも貴重な資料になるはずですが・・・

3) 1: 200,000土地利用図
1: 25,000土地利用図のデータと、国土数値情報の土地利用メッシュデータを基に編纂された地図で、1984, 85年に発行されています。小笠原諸島と北方領土を除く日本全域において整備されています。


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