地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

山地の地形 老年期

2008-08-20 12:25:54 | Weblog
火山活動で出来た新たな地形や海底の隆起で現れた、まだ侵食されていない地形、または、とことん浸食を経て行き着いた準平原を原地形といいますが,
ここから長年の浸食を受けた形を、その浸食の程度で、幼年期地形、壮年期地形、老年期地形そして準平原と言います。
この変化を地形輪廻と呼んでいます。
河川などの侵食により地形が変化して行くため、侵食輪廻とも言われています。


さて、今日は手始めに老年期地形を取り上げてみます。
例として掲載したのは北上高地内の1:50:000「外山」の右下部分です。
いかにも老年期を迎えたらしく、等高線が大きくスムースに湾曲していて、かつ隣接した等高線間隔が広く、傾斜がなだらかです。
1000~2000mで標高差100m、1/10~20m=0.1~0.2
河川も緩やかな流れで、川幅も広く谷底と谷壁(土手)の境が不明確、流れによる浸食が極めて弱い状況です。
大川の上流部分には湿地帯の記号さえ見受けられます。
植生も広葉樹が多く、川沿いには牧草地も広がっています。放牧地としても利用されているようです。
日本では早池峰山を含む北上高地や、阿武隈高地などが、この老年期の地形です。