地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

幼年期 地形 油木

2008-08-26 11:29:25 | Weblog
地形輪廻のうちの幼年期を取り上げました。
老年期との違いが明確なので、判断の基準がハッキリしていいかと思ったからです。
河川の彫が急峻ですね。それと流れが直線状です。滝もあちこちに見られます。侵食が進むにつれ、両岸の地形が崩れ落ち低くなだらかになります。同時に、軟弱な地質部分が抉り取られ流れが蛇行してきます。そして逐次、準平原に近くなるわけです。
特に、東城川と帝釈川が成羽川に合流する地点がT字型になっていますが、極めて不自然な形です。だんだん、Y字形に浸食されてくるでしょう。
1:50,000「油木」の図副の北半分はほとんどこんな地形です。帝釈峡から成羽川に連なる地域、吉備高原は全体に幼年期の地形をなしています。
その急峻な谷川を活用してアチコチにダムが作られています。

一般的な流れは、原地形が侵食を受けて幼年期地形となり、壮年期地形、老年期地形を経て平坦な準平原となりますが、その変化の時間が人間生活と規模が違い百万年単位で、ちょっとついていけません。
このような幼年期の地形は、吉備高原のほか、木曽川中流域などにも見られます。

明日は、木曽川中流域を取り上げて見ましょう。