地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

トスカネリの世界地図

2008-04-11 09:54:30 | Weblog
トスカネリの世界図
コロンブスが携行したというトスカネリの地図です。
現在の地図と対比してあります。
アメリカ大陸がなく、即アジアです。真ん中の四角い島がジパング(GIPPANGU=日本)です。随分大きな島ですね。

パオロ・ダル・ポッツォ・トスカネッリ (1397~1482)は、イタリア・フィレンツェ出身の地理学者・数学者・天文学者です。
当時の、地理学者は科学の先端を行く学者でした。現在のように細分化されていませんでしたので、地理学は森羅万象を対象にした科学の最先端の分野でした。
フンボルト大学(ベルリン大学)などそのメッカでした。

さて、トスカネリは、パドヴァ大学で数学を学び研究の結果、78才で地球球体説を主張しました。私など、まだまだ若造ですね。彼は結局85歳の生涯だったようですから・・・頑張らなくっちゃ!

そのトスカネリが作成した地図には、もちろん新大陸は描かれてなく、ヨーロッパから即ジパング(日本)が望めます。今のメキシコの辺りと考えられていたようです。コロンブスは彼の描いたこの地図を持って、西に向かったそうです。

当時の情況を辿ると、
1474年、トスカネリは西回りでインドに至る航路の可能性をポルトガル王に書簡で送りました。
それを聞いたコロンブスはトスカネリに、アジアへの航路を尋ねる手紙を出しました。
トスカネリの返事には、地球球体説と大西洋を西航する方がインドへの近道であるという説を唱えて、「アフリカ大陸を南下するのではなく、イベリア半島を真西に行くのがアジアへの近道だ」と提唱したそうです。この地図を頭に置くと、当然の提唱です。
また「西航していけば、マルコポーロが(東方見聞録)に書いている黄金の国”ジパング”(今のメキシコ付近)を通過して、インドへ行ける」ともあったそうです。
黄金の国という、この辺のイメージがどうしてわいてきたのか、知りたいですね。