今日の朝日新聞書評欄で、エッセイストの中野翠さんが戸川秋骨の随筆の紹介をしていた。
大人の本棚
『戸川秋骨 人物肖像集』
戸川秋骨著
みすず書房 2520円
戸川秋骨のことは知らなかった。
1870年、肥後生まれ。
随筆家で評論家だそうな。
中野翠さんは、書評の中で『人物肖像集』から戸川秋骨の次の言葉を紹介していた。
「私は元来甚(ハナハ)だ我儘(ワガママ)で、宗教家の宗教は嫌ひであり、哲学者の哲学が嫌ひであり、更に文学者の文学が嫌いである。同時に、宗教も哲学も文学も好きであるに、先生のは、すべて人間の宗教、人間の哲学、人間の文学が説かれたように感じられたので、無暗(ムヤミニ)に先生の講義が好きになった」
先生とは、戸川が東京大学での恩師・ケーベル先生のこと。
また、戸川は、尤も好きだった北村透谷について、「ユウモアがなかった」とのべ、次のように書いているそうな。
「私は、ユウモアが人生に甚だ大事なものであると考えている。それは、決して只可笑(オカ)しいとか、面白いとかいふような事に就いての感でない。それは人生観の一番深く、また高い処へ導く感ではないかと思う」
戸川秋骨、不勉強で知りませんでした。
早速、中央図書館で本書の予約を入れました。
残念ながら、年をとる程に自分の不勉強に直面し、自分が小さくなっていく感じまします。
まあ何とか、少々の学習意欲は残っていますので、知らなかったところ目を落としていこと思います。