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資格が刺客になってやってくる

今までは我々意匠屋さんは「いっきゅうけんちくし」をとれば
後はあまり資格なんかいらなかったのである。
もちろん、自己啓発的な意味での取得とか、名刺に書くための資格とかはあるんだけど、
(プラナリアの場合は福祉住環境コーディネーター?)
んじゃあそれがあってどうよ、なければ困るの、というと、べつにねえ、という感じだったのだ。

今年、お勉強の意味もあってCASBEEすまい[戸建]の評価員資格を取得してみた。
以前書いたようにこれは建築の環境評価ツールで、時代の流れ的には大切かな、と。
ところで、これは法律ではなけれども、国交省が絡んでやっている制度には違いないので、
住宅品確法の住宅性能評価制度で定められている基準が相当数引用されている。
んで、こりゃあ品確法勉強しなきゃだめかぁ、と思っていたところ、
(因みにアトリエ系の建築家で品確法の評価基準を意識している人は殆どいない)
いろいろとご縁があって、品確法の評価員講習を受けさせて頂くことができたのでした。

で、無事評価員講習を終了(<終了考査あり!、それなりに難しい)できた訳ですが、、、
難しいですねぇ。ようやくアウトラインが分かったと言う程度(笑)
まぁ、もともと技術基準を法律(告示)と言う形で書いていることで
必然的に異常に分かりにくくなっている性能評価基準。
この性能評価基準には木造住宅の構造がらみの基準もありまして、
要はこの等級にするためにはこういう仕様で造りなさいと言う事なんだけど、
使いこなすにはまだまだお勉強が必用ね、という段階。
まぁ、評価するのと設計するのとでは違うってことですね。

あとは「自立循環型住宅」。
これはCASBEEと同じ財団がやっている環境共生住宅の設計手法なんですが、
ここからCASBEEに流れている基準もあるんで、これは来年早々にも押さえに行く予定。
(なんか上手く誘導されている気もしないでもないけど)

この辺の技術が法律や基準と絡まっちゃってるものは厄介ではあるけど、
(性能基準を実現するために仕様基準に落とし込んでいるのもある意味不自由)
仕事へのフィードバックがある(と思う)ので、取得する意味はある(はず)だし、
そもそも取得するもしないも個人の勝手なんですが、、、

姉歯事件のおかげで建築士法が改正されて、
建築士は定期講習を受けなきゃいけなくなっちゃったし、
設計事務所やってる場合は管理建築士っていうものが必要なんだけど、
これが「資格」になってしまい、講習を受けなければいけなくなってしまったり、
(今までは単に建築士を選任しておけば良かっただけ)
なんだか今年から資格取得強要の嵐がスタートした感じなのである。

で、みんな資格に殺されないよう注意しましょう、とういう詰まんない状況なの。

あう。



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改築はエコ? 世田谷区庁舎シンポ Part2開催!

やります!第二弾!!

講演:林望(作家・書誌学者)、松隈洋(建築史家)
パネルディスカッション:野沢正光(建築家)、林泰義(まちづくりプランナー)他
日時:2008年12月21日(日) 13:30~
会場:世田谷区民会館(世田谷線松陰神社前から徒歩5分・区役所敷地内)
参加費:500円(資料代)・申込不要



今回はりんぼう先生こと林望さんをお招きし、イギリスの街や建築についてお話頂いた後、
日本ではなぜ建築や風景が使い続けられずに廃棄されていくのかついて、
区の庁舎問題に関する報告書を材料に、問題提議していきます。

パネリストの野沢正光さんは、環境建築の第一人者であると同時に、
市民参加で建設の進む立川市役所新庁舎の設計者でもあります。
林泰義さんは、まちづくり・市民参加の第一人者で、
用賀プロムナードの計画も氏の仕事です。
使い続ける可能性については、主催者のJIA世田谷地域会から
先行事例を紹介する予定です。

再生の多様な可能性について、そしてその面白さについて
多くの方々とイメージを共有できる会となることを期待しています。
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ライカ写真・30's

麹町のJCIIフォトサロンとJCIIクラブ25で12/24まで開催中の
「パウル・ヴォルフ 木村伊兵衛 土門拳-1930年代「ライカ写真」-」に行く。



ライカの、特に日本での普及に大きな影響があったというヴォルフの写真ですが、
なんだかポーズつけて撮ってる、絵葉書みたいな写真で、今となっては面白みに欠けますね。
その影響下にありながらも(たぶん)、独自のスナップショットを発展させた
木村や土門の30年代の仕事の方がずっと面白いです。

フォトサロンでの写真展(「作品編」)も面白いですが、
地下の「クラブ25」で行われている「資料編」の展示もまた面白い。
申し出れば展示資料を手にとって見ることが出来るとのこと、
時間があるときに再訪したいけど、年末どうかなぁ。
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NY・Akiko!

矢野顕子のコンサートに行く。
ここ何年かベースとドラムスは固定メンバーだったのですが、今回は全く新しいメンツです。
例年「質の高い」という意味では申し分のない「さとがえるコンサート」ですが、
個人的にあのドラマーが好きくないので(手数が多いだけで品がない気が・・・)、
ドラマーの交代は大歓迎。
そして

ギターがマーク・リーボウ!!

カントリーやホンキートンクなど、様々なアメリカン・ルーツ・ミュージクにも敬意を払いつつ、
(「ジャパニーズ・ガール」回帰?)
アバンギャルドでポップな音楽を個性的なテクニックで展開、
メンバーもステージ中央にコンパクトに配置されていて、
まるでNYの音や空気まで渋谷までやってきたよう。

ドラムス(ジェイ・ベルローズ)はね、面白いです。
ドラム叩いていると言うよりは大太鼓叩いているみたいで(笑)

調べてみると、ポーラ・コールエイミー・マンマデリン・ペルーのアルバムにも参加してることが判明。
わわぁ、おいおい何だこのラインナップは(喜)ですね


新作にも収録されているゼッペリンのカバーもむちゃくちゃかっこよくで大興奮、
お行儀よく終わる日本の「コンサート」が恨めしく感じられた一夜でございました。

このメンバーでの「在広東少年」とか聞いてみたい。

こちらが10月に出た矢野さんの新譜。
T・ボーン・バーネットのプロデュースで、マーク・リーボウ、ジェイ・ベルローズ参加。

akikoakiko
矢野顕子

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へぇ、知らなかった、がこちら。
ゼッペリンのVo.だったロバート・プラントの女性シンガーとのコラボアルバムですが、
プロデューサーが同じT・ボーン・バーネットで、
こちらにもマーク・リーボウ、ジェイ・ベルローズが参加してます。

レイジング・サンドレイジング・サンド
ロバート・プラント&アリソン・クラウス

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三軒長屋の1/3が1/3世紀

ギャラリー間で開催中の「安藤忠雄建築展 挑戦-原点から-」に行く。
目玉はまさに「原点」の「住吉の長屋」の原寸模型。

昔々これを見に行こうと思ったが個人住宅故住所が分からず、
友人が(蛮勇を振り絞って)安藤事務所に電話したことを思い出す。
(電話にでた所員の方が途中まで説明しかけて慌てて
 「個人住宅だから」ということで止めてしまったのもなつかしい。
 のどかな時代だったんですね。)
まあ、正面外観だけ見てもしょうがないんですけど(笑)

で、改めてその構想の大胆不敵さ、無鉄砲さと
緻密な(非常に形式的であるにも係わらず人間の身体感覚にフィットした)
寸法の押さえに改めて感激。

一例を挙げれば、壁と壁の間が3m150mmで、これが吹抜けの幅なのですが、
それを3で割ると1m050mmになって、その幅でブリッジがかかっている。
ただ3で割っただけのはずなのに、抜けとのバランスが絶妙なのが不思議不思議。

さて、そのブリッジの両脇にコンクリートの幅150mmの手摺壁がある。
従って有効寸法は750mmになって、これはなかなかいい寸法だと思ったんだけど、
自分だったら怖くてあと50~100mmは広くしちゃいそう。
で、ブリッジに出る扉の有効幅は、手摺の内法にサッシの方立てが出てくるので、
650~700mm位になっていると思うんだけど、これは普通に考えるとちょっと狭目。
その結果2階個室は、天井高は抑えられているのに扉部分は縦長なプロポーションになって、
間口・天井高共一杯にあけられている開口とあいまって、部屋を大きく見せているように思う。

そしてさらにブリッジに上がる階段。
幅はブリッジと同じ750mmなんですが、そうすると300mmm隙間が残ります。
普通だと(狭い中庭なんで)段板だけが浮いたような、軽い階段にしそうなものなんですが、
がっつり下を壁で塞いでいます。そこでこの300mmの隙間が効いてきて、まずこれが良い。
で、この階段には手摺がないんですが(ふふ、違法建築ですね)、
750mmの内(石とコンクリートの収まりもあって)壁側の650mm分だけ石が貼ってあるので、
無意識の内に壁側に寄って階段を昇り降りすることになると思う。
ブリッジもすぐ脇にあるし、落ちそうで怖い、と言う風には感じないのでは?
見事だと思います。


他に感想はと言うとですね、竪樋がどこにあるのか、が分かりませんでした(笑)
この手の狭小住宅では隠すのは結構大変だと思うので
展示されている図面をシゲシゲと眺めてみたのだけれども。
あと、中庭の排水とかね。
う~んと、あとDKの造り付けテーブルはさすがと思いましたが、
キッチンは・・・ガスコンロが凄いことになってました>入居後の写真。
これは天板を下げたくないと言うことだと思うのですが、
(ここにだけデザイン優先、見たいな事を感じてしまった)
ビルトインしちゃえば良いだけなのに。当時はなかったのかしらん??
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