録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

このブログは

このブログは、PCでテレビ番組を快適に録画し、自由な形で好きなように活用するための実験結果報告をメインとしたものです。ですが、その自由を奪い、不自由を売りつけて無制限の利権を得ようとするものたちが、現在のテレビ界では勢力争いをしています。そういう連中とは断固戦い続けます。それが、ここのテーマです。
2011年7月24日まで続けることを目標にしていましたが、2011年いっぱいまで延期いたします。 ・・・の、予定でしたが、衛星放送の行く末が気になりますので、それまでは続けます。ああ、意志薄弱。



特殊なコンテンツ
・SpursEngine H.264エンコーダ 実験プログラムサポート&他ソフト紹介ページ
Lalfさんが作られている、SpursEngineで使えるエンコードソフトのリンク先の紹介などをしています。CUI版とAviUtlのプラグインの二種類があります。 また、それ以外に同じくLalfさんの作られたCodecSys Personal向け参照AVI、ravi2や、BOさんの開発されたLinux用HD PVRコントロールソフトのリンクもおいています。

※10/07/01 se_h264enc_auo ver 0.09、se_mpeg2enc_auo ver 0.05、Seche Technical Preview2 リリース

・スカパー!e2 各チャンネル解像度・ビットレート一覧表
独自の調査による、スカパー!e2とBSデジタル放送の解像度とビットレートの一覧表です。多少の間違いはご了承ください。

・意外とある、デジタル放送録画可能キャプチャーボード・ユニット
外部入力を用いて、デジタル放送のチューナーやレコーダーから出力される番組を、自由に扱える形式で録画可能なPC用のキャプチャーボードおよび外部ユニットの情報を集めたものです。

ザ・シネマ4Kのみの認定取り消しは正しいか? を考察

2021-03-13 15:57:48 | Weblog
世間をにぎわせた東北新社による総務省接待問題。どちらかと言えば他社による総務省接待もあった、という方向に情報は膨らんでいますが、その一方で東北新社に対してはどうなるか、なんらかのペナルティーはあるのか、に個人的に注目していたわけなんですが、そちらも動きがあるようです。


東北新社の問題点とは、"放送法の規制に違反し、外国資本の出資比率が20%以上だったにもかかわらず、総務省が認定した2017年1月の手続きに「重大な瑕疵」があった"ところにあります。おそらく以下の放送法の条文に抵触したためでしょう。

第九十三条 基幹放送の業務を行おうとする者(電波法の規定により当該基幹放送の業務に用いられる特定地上基幹放送局の免許を受けようとする者又は受けた者を除く。)は、次に掲げる要件のいずれにも該当することについて、総務大臣の認定を受けなければならない。

七 当該業務を行おうとする者が次のイからルまで(衛星基幹放送又は移動受信用地上基幹放送の業務を行おうとする場合にあつては、ホを除く。)のいずれにも該当しないこと。
イ 日本の国籍を有しない人
ロ 外国政府又はその代表者
ハ 外国の法人又は団体
ニ 法人又は団体であつて、イからハまでに掲げる者が特定役員であるもの又はこれらの者がその議決権の五分の一以上を占めるもの
ホ 法人又は団体であつて、(1)に掲げる者により直接に占められる議決権の割合とこれらの者により(2)に掲げる者を通じて間接に占められる議決権の割合として総務省令で定める割合とを合計した割合がその議決権の五分の一以上を占めるもの(ニに該当する場合を除く。)

(一部のみ抜粋)

ちなみに東北新社の外国資本の議決権、つまり外資の比率は2017年3月末で21.23% 。五分の一は確実に超えていますので、これに違反します。それによって東北新社および子会社の持つチャンネルのうち、ザ・シネマ4Kのみ認定を取り消す、という方向に話が進みそうです。これに対して世間では「他の東北新社のチャンネルの認定は取り消さなくていいのか!?」と言う疑問や不満の意見が多いようです。東北新社にはスターチャンネルやファミリー劇場、例の囲碁・将棋チャンネルと言ったものまり、それはどうなっているんだ? ということのようです。
あくまでわたしが抜粋した部分がその放送法違反の該当分の全部だ、と仮定して(それ以外は見つからなかったもので)考えましょう。条文には「当該業務を行おうとする者」が該当に関して認定を受けるとあり、他の部分では「受けようとする者」と「受けた者」は明確に区別されています。つまり認定を受ける際の基準を現しているだけであって、すでに認定を受けている業者は対象外であり、後から認定を取り消す、という類の法律ではないとみなすことは可能と思われます。さらに言えば例の接待問題が絡む時点での東北新社関連の認定は4K放送に限られるため、そうでない放送に関して言えば対象外とされてしまうでしょう。悪く言えば認定の時だけ帳尻を合わせれば、あとから違反状態になってもせいぜいバレたら指導が行われるくらいでそれを理由に無暗に取り消しなどは行われないのが通常だったと思われます。ゆえに他のHDやSD放送は問題にならなくても個人的には不思議ではありません。

しかし、まだ疑問はあります。東北新社およびその系列会社の4Kチャンネルはザ・シネマだけではありません。スターチャンネルの4K放送もあり、こちらはお咎めなし、となりそうだからです。東北新社と言えばスターチャンネル、このイメージを持っている人も少なくないだろう看板です。なぜこちらは認定取り消しとならないのでしょうか。
総務省の資料をほじくり返して見てみましょう。


少し下部を見ますと、「2017年1月にBS・110度CSにおいて、NHK、民放キー局系5社を含む11社19番組の認定を行い、2018年12月1日から、順次実用放送(新4K8K衛星放送)が開始されており(表1)、更に数多くの4K・8K番組が視聴可能となりました」との文とともに認定を受けたチャンネル名と会社の名を入れた表が掲載されています。それによりますと、ザ・シネマは子会社である「東北新社メディアサービス」での認定だったようですが、スターチャンネルは「スカパー・エンターテイメント 」での認定となっています。つまりスカパーへの委託であり、そちらが大丈夫ならスターチャンネル4Kは大丈夫・・・ということは在り得るのではないでしょうか。正直やるならHDSD放送の例からしてスターチャンネルがBS、ザ・シネマがスカパー委託によるCSでの申請だろうと思うのですが、ひょっとしたら「こんなこともあろうかと思って」逆にしておいたのかも知れません。その場合、スカパーにある程度の調査責任があると言えますが、さすがにスカパーの認定取り消しとなればもう4K放送自体成り立たなくなります。

と、いうわけで、あくまでわたしの解釈ではありますが、理屈で言えば「東北新社のお咎めはザ・シネマ4Kのみで当然」と結論になりました(最初は「ザ・シネマ4Kのみ重くて他チャンネルが何もなしはおかしくないか? という動機で調べ始めたんですがねぇ)。むしろ規定外の申請を通してしまった、という過ちを犯した総務省および当時の総務大臣に責任がある話であり(条件を満たさなくても申請はできるはず。それを理由に認定は下りないだけ)、法律上も「受けた者」は別扱いである以上、ザ・シネマ4Kの認定外しは重すぎると言わざるを得ません。個人的には無暗に一度認可したチャンネルの認定を取り消すべきではないと考えています。「報道の自由」に事実上の検閲が行われるからです。このままでは本来責任を取るべき総務省や総務大臣に、むしろ放送認可取り消しという大きな力を与えてしまうようにさえ思います。これが後で負の方向に尾を引かなければいいと願うばかりですが、どうなるか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする