映画『35年目のラブレター』を観た。
映画館で予告編を観て気になり、前売券を購入したんだけど、その前に観たい作品が2つあり後回しにしてしまっていた。昨夜行こうと思っていたものの、母の体調が悪く見送り、祝日の今日、当初の予定を組み替え朝一番の回に行った。
可笑しくてクスりとしてしまう場面も少なくなかったけど、ずっと涙が止まらず、堪えるのに苦労した。そうしなければ嗚咽になってしまっていただろう。多分それは僕だけでなく、劇場内のあちこちからすすり泣く音が聞こえてきていた。
実話をもとにした作品だそうだけど、主人公の保と皎子だけでなく、多くの登場人物がいい人で、心が温かくなった。特に、働き口を探す保を迎え入れ成長させた、笹野高史さん演じる寿司店の大将と、皎子の親に代わり育てた、江口のりこさん演じる彼女の姉は、登場シーンが少ないながらも強く印象に残った。そう、安田顕さん演じる夜間学級の先生も印象深い。
主人公二人を演じた笑福亭鶴瓶さんと原田知世さん、若い二人を演じた重岡大毅さんと上白石萌音さん、それぞれが適役で、気持ちを持っていかれた。そう、原田さんと上白石さん、見た目の印象が違うなって思っていたんだけど、終盤のあるシーンで二人の声が似ていることに気付いた。厳密に言えば似ているとまでは言えないのかもしれないけど、二人とも優しい声の持ち主で、聴いていて心地いい。声の高さもあるだろうけど、発する力というか、空気感のようなものなのだろうか。
僕は独り身で、女性の気持ちを慮ることはこれまでほとんどなかった。もっと早くそれを知っていたとしても、生き方が変わったとは思えない。ただ、より生きやすかったかもしれないな。
映画の余韻と共に当初行こうと思っていた場所へと向かった。