中国天津市の大爆発事故は杜撰な管理体制が招いたか？？

日本時間で８月１３日未明に発生した中国天津市での大爆発。
発生の原因は事故とも見られていますが、事故現場での次々と明らかになる杜撰な管理体制に批判が出ています。

８月１３日深夜にRecordChinaが次のように伝えました。
『2015年8月13日、大規模爆発が起きた中国天津市の危険物倉庫で働く作業員の1人が「危険物の取り扱いに関する訓練を受けたことはない」と語ったとの報道に、中国のネットユーザーが強い反応を示している。

男性は貨物の積み下ろしを担当する作業員で、爆発前に同僚に代わって夜食を買いに出かけたことで難を逃れることができた。この事故ではすでに40人以上が死亡、500人以上が負傷しており、男性の証言に対して中国のネットユーザーから以下のようなコメントが寄せられている。

「なんて会社だ。作業員の命を何だと思っているんだ」
「男性の同僚はどうなったんだろう」
「訓練を受けたことがないってそんなことあり得るの？危険物を取り扱う企業には厳格に求められているはずだ」
「これが中国の業界の現実」

「自分は危険物取り扱いの訓練を受けたことがある。この作業に従事する人には絶対に必要だ。知識を増やさなければ、このような重大事故は防げない」（中略）』

また、８月１４日早朝にＦＮＮが次のように伝えました。
『中国・天津で、日本時間の13日未明に起きた大規模な爆発で、爆発現場から有害物質が外部に流出したとみられることがわかった。
爆発が起きた倉庫には、およそ7種類の化学物質が保管されていたとみられるが、一部の中国メディアは、このうち、「シアン化ナトリウムが爆発後に下水道から検出され、外部に流出しているとみられる」と報じた。
また、別の中国メディアは、「空気中から発がん性物質が検出された」などとも伝えている。
一方で、13日に会見した地元当局は、どのような化学物質が工場に保管されていたかは、明らかにしなかった。
現場付近には多くの日系企業が進出し、日本人も住んでいて、今回の爆発による周辺の環境汚染も懸念されている。
中国メディアによると、この爆発により、これまでに50人が死亡、けが人は701人にのぼっている。』

日本では、消防法などで、引火性液体などの可燃物を中心に規制が厳しく設けられています。
筆者も危険物取扱者の資格を持っており、講習会の参加や、法令や規則に基づいた日頃からの管理も行った経験もあります。

今回の中国天津市の爆発事故が、シアン化ナトリウムが下水から検出されているなどの報道から危険物関係の倉庫の杜撰な管理が問題だとすれば、シアン系物質と酸性液体との分離の不徹底、鉄粉やアルミ粉などとの大量搬入や可燃物との混載、ガソリンなどの引火性液体や、過酸化水素水、ヒドラジンなどの物質の混載もあり得るのではないでしょうか。
ひょっとしたら、軍事用、民間用の爆薬等や有害化学物質も倉庫に入っていた可能性すらもあります。
関係当局が何が保管されていたのか発表していないのも気になるところです。

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