9月17日、防衛省・海上自衛隊は次のように異例とも言うべき潜水艦に対処する対潜戦の訓練を公表しました。
『30.9.17 海上幕僚監部
(お知らせ)
対潜戦訓練の実施について
平成30年度インド太平洋方面派遣訓練部隊とベトナム海軍親善訪問部隊は、 次のとおり、対潜戦訓練を実施しました。
1 目 的 海上自衛隊の戦術技量の向上
2 訓練期間 平成30年9月13日(木)
3 訓練海空域 南シナ海
4 参加部隊 (1)平成30年度インド太平洋方面派遣訓練部隊 護衛艦「かが」、「いなづま」、「すずつき」及び搭載航空機5機 (2)ベトナム海軍への親善訪問部隊 潜水艦「くろしお」
5 訓練項目 対潜戦訓練』
ここで注目される点は、潜水艦の行動や訓練も公表されている点です。
これらについて9月17日20時31分に産経ニュースが「海自潜水艦、南シナ海で訓練 異例の公表…軍事拠点化の中国牽制 ベトナム要衝にも初寄港」の題で次のように伝えました。
『防衛省は17日、海上自衛隊の潜水艦を南シナ海に派遣し、護衛艦部隊とともに対潜水艦を想定した訓練を13日に実施したと発表した。実任務に就く潜水艦の南シナ海での訓練が公表されたのは初めて。同海域で一方的な軍事拠点化を強行する中国を牽制する狙いがある。
派遣したのは海自呉基地(広島県)を母港とする潜水艦「くろしお」。13日までに東南アジア周辺海域で長期訓練中の護衛艦「かが」「いなづま」「すずつき」の3隻と合流し、護衛艦や艦載ヘリコプターがソナーで潜水艦を探索する一方、潜水艦は探知されないように護衛艦に接近する実戦的な訓練を行った。訓練海域はフィリピン西側の公海上で、中国が南シナ海に引いた独自の境界線「九段線」の内側という。
くろしおは17日、南シナ海に面するベトナム中部の軍事要衝カムラン湾に寄港した。海自潜水艦が入港するのは初めてで、南シナ海で中国との領有権問題を抱えるベトナムとの連携を示す狙いもありそうだ。
海自が秘匿性の高い潜水艦の行動を公表するのは異例。あえて対外的に明らかにすることで、日本の存在感と運用能力の高さを示し、南シナ海での権益を主張する中国を強く牽制したい考えだ。
安倍晋三首相は10月下旬に訪中を予定しており、日中関係は改善しつつある。しかし、政府は法の支配を重視する立場から覇権主義的な行動には厳しい姿勢で臨む方針で、自衛隊幹部は「南シナ海は日本にとっても重要な海上交通路だ。今後も日本なりの方法で関与していく」と語る。
南シナ海では、中国がスプラトリー(中国名・南沙)諸島の人工島に滑走路やレーダーを建設したほか、パラセル(同・西沙)諸島に地対艦ミサイルを配備し、軍事拠点化を進めている。これに対し米海軍は人工島から12カイリ(約22キロ)内の海域を通過する「航行の自由」作戦を断続的に実行。米空軍もB52H戦略爆撃機を南シナ海上空で飛行させ、中国に圧力をかけている。』
更に、同日23時29分に同メディアが「南シナ海の海自潜水艦訓練で安倍晋三首相「特定の国想定せず」 「15年前から実施」とも」の題で次のように伝えました。
『安倍晋三首相は17日夜のテレビ朝日番組で、海上自衛隊の潜水艦が南シナ海で訓練を実施したことについて「実は15年前から行っている。昨年も一昨年も行っている」と明らかにした。中国は南シナ海で一方的な軍事拠点化を強行しているが、首相は「自衛隊の練度を向上させるものであり、特定の国を想定したものではない」とも述べた。
首相は他の海域でも訓練を行っていると説明。その上で、日中関係については首脳間の往来が進みつつあるとして「確実に今、新たな段階に向かって進んでいる」と述べた。
自衛隊は17日、南シナ海で海自潜水艦が訓練を実施したと発表した。訓練海域はフィリピン西側の公海上で、中国が南シナ海に引いた独自の境界線「九段線」の内側という。秘匿性の高い潜水艦の訓練実施を自衛隊が公表することは異例だが、首相は「事実上、訓練は近くの国々も知っている」と述べた。』
安倍首相の発言の通り、南シナ海における日本が今回行ったベトナム親善訪問部隊らが参加する訓練等は、「特定の国を想定したものではない」訓練なのです!!
何しろ、南シナ海では中国を含めた6ヶ国が「領有権」を主張して争っていますからねえ。
そして、日本とベトナムとの共同訓練も着実に増加しており、日米豪の3ヶ国との「共同訓練」も定期的に行っております。
既に「日常的な訓練」の領域まで日本とベトナムの共同訓練が発展しているのであって、準同盟国とも言うべきレベルに達しております。
そうなれば、今回の対潜戦訓練の公表は「日本やベトナムの共同の仮想敵への牽制」であることになります。
そう、中国への牽制なのです!!
その証拠に、同日21時24分に同メディアが「ベトナム、海自潜水艦初寄港を歓迎 対中牽制で連携」の題で次のように伝えました。
『【シンガポール=吉村英輝】ベトナム国営メディアは17日、海上自衛隊の潜水艦「くろしお」が、1973年9月21日の日越国交樹立から45周年を記念し、カムラン湾に寄港したと伝えた。日程は17~21日で、訓練中の海自隊員が期間中、ベトナム軍の将兵たちとスポーツを含めた交流を現地で行うとともに、同湾がある中部カインホア省に表敬訪問するとしている。
報道は、海自の潜水艦がベトナムに寄港するのは初めてとし、くろしおの大きさなども紹介。ベトナム外務省の担当者は寄港を歓迎し、日越関係が「アジア太平洋地区の平和と繁栄のための戦略的協調関係に高まっている」と評価した。
軍事要衝のカムラン湾は、2002年のロシア軍撤退後、ベトナム海軍が基地を設置。16年には海自艦を初寄港させるなどして、海洋進出する中国を牽制している。』
日本がベトナム親善訪問部隊らの南シナ海にて対潜訓練を実施したことを敢えて公表!!
これは中国を念頭に置いた訓練である!!
9月17日に公表された、南シナ海での日本とベトナムとの共同対潜戦訓練の様子
「かが」(左上)と、「かが」搭載航空機(右下)が対潜戦訓練をしている様子
出典:防衛省・海上自衛隊HP
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『30.9.17 海上幕僚監部
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対潜戦訓練の実施について
平成30年度インド太平洋方面派遣訓練部隊とベトナム海軍親善訪問部隊は、 次のとおり、対潜戦訓練を実施しました。
1 目 的 海上自衛隊の戦術技量の向上
2 訓練期間 平成30年9月13日(木)
3 訓練海空域 南シナ海
4 参加部隊 (1)平成30年度インド太平洋方面派遣訓練部隊 護衛艦「かが」、「いなづま」、「すずつき」及び搭載航空機5機 (2)ベトナム海軍への親善訪問部隊 潜水艦「くろしお」
5 訓練項目 対潜戦訓練』
ここで注目される点は、潜水艦の行動や訓練も公表されている点です。
これらについて9月17日20時31分に産経ニュースが「海自潜水艦、南シナ海で訓練 異例の公表…軍事拠点化の中国牽制 ベトナム要衝にも初寄港」の題で次のように伝えました。
『防衛省は17日、海上自衛隊の潜水艦を南シナ海に派遣し、護衛艦部隊とともに対潜水艦を想定した訓練を13日に実施したと発表した。実任務に就く潜水艦の南シナ海での訓練が公表されたのは初めて。同海域で一方的な軍事拠点化を強行する中国を牽制する狙いがある。
派遣したのは海自呉基地(広島県)を母港とする潜水艦「くろしお」。13日までに東南アジア周辺海域で長期訓練中の護衛艦「かが」「いなづま」「すずつき」の3隻と合流し、護衛艦や艦載ヘリコプターがソナーで潜水艦を探索する一方、潜水艦は探知されないように護衛艦に接近する実戦的な訓練を行った。訓練海域はフィリピン西側の公海上で、中国が南シナ海に引いた独自の境界線「九段線」の内側という。
くろしおは17日、南シナ海に面するベトナム中部の軍事要衝カムラン湾に寄港した。海自潜水艦が入港するのは初めてで、南シナ海で中国との領有権問題を抱えるベトナムとの連携を示す狙いもありそうだ。
海自が秘匿性の高い潜水艦の行動を公表するのは異例。あえて対外的に明らかにすることで、日本の存在感と運用能力の高さを示し、南シナ海での権益を主張する中国を強く牽制したい考えだ。
安倍晋三首相は10月下旬に訪中を予定しており、日中関係は改善しつつある。しかし、政府は法の支配を重視する立場から覇権主義的な行動には厳しい姿勢で臨む方針で、自衛隊幹部は「南シナ海は日本にとっても重要な海上交通路だ。今後も日本なりの方法で関与していく」と語る。
南シナ海では、中国がスプラトリー(中国名・南沙)諸島の人工島に滑走路やレーダーを建設したほか、パラセル(同・西沙)諸島に地対艦ミサイルを配備し、軍事拠点化を進めている。これに対し米海軍は人工島から12カイリ(約22キロ)内の海域を通過する「航行の自由」作戦を断続的に実行。米空軍もB52H戦略爆撃機を南シナ海上空で飛行させ、中国に圧力をかけている。』
更に、同日23時29分に同メディアが「南シナ海の海自潜水艦訓練で安倍晋三首相「特定の国想定せず」 「15年前から実施」とも」の題で次のように伝えました。
『安倍晋三首相は17日夜のテレビ朝日番組で、海上自衛隊の潜水艦が南シナ海で訓練を実施したことについて「実は15年前から行っている。昨年も一昨年も行っている」と明らかにした。中国は南シナ海で一方的な軍事拠点化を強行しているが、首相は「自衛隊の練度を向上させるものであり、特定の国を想定したものではない」とも述べた。
首相は他の海域でも訓練を行っていると説明。その上で、日中関係については首脳間の往来が進みつつあるとして「確実に今、新たな段階に向かって進んでいる」と述べた。
自衛隊は17日、南シナ海で海自潜水艦が訓練を実施したと発表した。訓練海域はフィリピン西側の公海上で、中国が南シナ海に引いた独自の境界線「九段線」の内側という。秘匿性の高い潜水艦の訓練実施を自衛隊が公表することは異例だが、首相は「事実上、訓練は近くの国々も知っている」と述べた。』
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何しろ、南シナ海では中国を含めた6ヶ国が「領有権」を主張して争っていますからねえ。
そして、日本とベトナムとの共同訓練も着実に増加しており、日米豪の3ヶ国との「共同訓練」も定期的に行っております。
既に「日常的な訓練」の領域まで日本とベトナムの共同訓練が発展しているのであって、準同盟国とも言うべきレベルに達しております。
そうなれば、今回の対潜戦訓練の公表は「日本やベトナムの共同の仮想敵への牽制」であることになります。
そう、中国への牽制なのです!!
その証拠に、同日21時24分に同メディアが「ベトナム、海自潜水艦初寄港を歓迎 対中牽制で連携」の題で次のように伝えました。
『【シンガポール=吉村英輝】ベトナム国営メディアは17日、海上自衛隊の潜水艦「くろしお」が、1973年9月21日の日越国交樹立から45周年を記念し、カムラン湾に寄港したと伝えた。日程は17~21日で、訓練中の海自隊員が期間中、ベトナム軍の将兵たちとスポーツを含めた交流を現地で行うとともに、同湾がある中部カインホア省に表敬訪問するとしている。
報道は、海自の潜水艦がベトナムに寄港するのは初めてとし、くろしおの大きさなども紹介。ベトナム外務省の担当者は寄港を歓迎し、日越関係が「アジア太平洋地区の平和と繁栄のための戦略的協調関係に高まっている」と評価した。
軍事要衝のカムラン湾は、2002年のロシア軍撤退後、ベトナム海軍が基地を設置。16年には海自艦を初寄港させるなどして、海洋進出する中国を牽制している。』
日本がベトナム親善訪問部隊らの南シナ海にて対潜訓練を実施したことを敢えて公表!!
これは中国を念頭に置いた訓練である!!
9月17日に公表された、南シナ海での日本とベトナムとの共同対潜戦訓練の様子
「かが」(左上)と、「かが」搭載航空機(右下)が対潜戦訓練をしている様子
出典:防衛省・海上自衛隊HP
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