九つの、物語橋本 紡集英社このアイテムの詳細を見る |
やさしくてあたたかいお話
瀬尾まいこさんとなんとなく雰囲気にてるかな…と思った
大学生の女の子ゆきなはちょっと引っ込み思案で地味目なフツーの女の子
対してお兄ちゃんは かっこよくて話上手でマメでひたすら明るく前向き おまけに料理も上手 もちろんやたら女の子にモテる でも実は…
ゆきなは 彼氏の香月君やお兄ちゃん 周りの人たち いろんな人と関わりながら考えて迷って 喜んだり落ち込んだり いろんなことに気がついて自分自身を見つけていく
その時の状況やゆきなの気持ちが それぞれの章で有名な九つの物語とリンクしている
お兄ちゃんのキャラがおもしろい
女の子にはひたすら優しく「好きだよ」とか「きれいだよ」とか湯水のように垂れ流す でもそれは決して口先だけの言葉を吐いてるわけでなく まじめにその時は本当にそう思ってるんだそうで それはかなり生粋の女ったらしだ
周りから見るとお兄ちゃんはかなりふざけた人間だろう
だけどお兄ちゃんは『深刻になりすぎることの無意味さをわかって』いて 『辛くて、悲しくて、どうしようもないときこそ、笑うことが必要なんだって気付いている』 そんな素敵な男の子だ
『黙ってるくらいだったら、何か話したほうがいいよ。あるいは動いた方がいい。たとえ間違った方向に進むことになったとしても、立ち止まっているよりはずっとましだ。だって歩いてさえいれば、どこかにはたどりつくだろう。想像もしなかった場所かもしれないじゃないか、そこが。』
『真面目さが必ず何かを生むわけじゃない。呑気に笑って、何も考えず、ただ歩く方がいいときだってあるはずだ。』
九つの物語=ナインストーリーズ? サリンジャー関係あり?
と思っていたら やっぱり最終章絡んでました
予感的中がちょっとうれしい