あなたのすきな本は何ですか?

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闇の守り人 上橋菜穂子

2008-12-22 19:52:51 | 上橋菜穂子
闇の守り人 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社

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おもしろかったです
「精霊の守り人」も良かったけどこちらの方が好き
ちょっと大人向けというか深い気がします

女用心棒として生きるバルサが自分の故郷に帰り 過去とそれから自分自身と対峙することになります
終盤 彼女自身が内に潜めていた感情と向き合い その先に突き抜けるあたりの描写はとても心に残ります


精悍な容姿と優れた武術そして巧みな話術で人の心をつかむ 王の側近

『その人が信じたがっていることを言ってやれば、たとえ嘘でも、人は、じつにかんたんに信じ込むものなのだ。』

彼は自分に都合の良い嘘をまるで真実のように語る
こわいことだけどこういう人を操るのに長けたひとって実際いるもんで
それだけ自信たっぷりに嘘つかれたら つい信じちゃうんだろうな夢見ちゃうんだろうなと思う


ちょい役だったけど12歳の少女ジナのセリフも印象的
『わたしね、とにかく、まず、自分が見たり感じたりしたことから判断したいの。~人から聞いたことは嘘かもしれないから、ひとまず横に置いといてさ』
良いこというね そのとおりだと思います

狐笛のかなた 上橋菜穂子

2008-04-18 21:35:58 | 上橋菜穂子
狐笛のかなた (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社

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この本を貸した友人は「和製ハリーポッターみたいでおもしろかった」そうだ
うん確かに 
ファンタジーだけど すごく懐かしい 日本情緒あふれる雰囲気

人の心の声が聞こえる少女「小夜」と小夜に助けられた霊狐「野火」
ふたりは持つ力のために いがみ合う二つの国の争いに巻き込まれる

憎しみからは憎しみ以外のものは何も生まれないのに
昔の恨みや憎しみをつのらせ次々と呪いをしかけてくる隣国の領主
小夜の母や自国の領主を守る大朗たちは 自分の命をかけて 
大切な人たちを呪いから守る

小夜と野火は お互い ちがう生き物で
生きるべき場所もちがうことも
ふれあうことも許されないことも 知っているのに
それでも相手が愛しくてたまらない
ふたりのひたむきな想い お互いを思いやる気持ちが胸を打つ

最終章 桜の花びらが舞う春の野を駆けてゆく狐達の姿が心に残る 




精霊の守り人 上橋菜穂子

2008-04-18 12:18:01 | 上橋菜穂子
精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)
上橋 菜穂子
新潮社

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東洋版異世界ファンタジー
子ども向けと侮るなかれ 大人が読んでも充分楽しめる
っていうか 大人だからこそわかるおもしろさがある
きっちり世界が構築されているので 映像が頭の中に浮かぶよう
時間を忘れて話に入り込める

まず主人公バルサが30代の女性ってのがイイ!!
ファンタジーの主役は勇敢な美少女か気の弱い少年かと思ってた…

自分が背負わされた惨い運命と心の傷と戦いながら
命をねらわれる皇子チャグムを守るバルサがかっこいい

怒りや憎しみと向き合いながら強くなっていくチャグム
バルサを見守り運命の呪縛から逃れられるのを待つ 幼なじみのタンダもいい

『なぜ、と問うてもわからないなにかが、突然、自分を取り巻く世界を変えてしまう。
それでも、その変わってしまった世界の中で、もがきながら、必死に生きていくしかないのだ。
だれしもが、自分らしい、もがき方で生きぬいていく。まったく後悔のない生き方など、きっと、ありはしないのだ。』

強い女性はやっぱりかっこいい