よもつひらさか (集英社文庫)今邑 彩集英社このアイテムの詳細を見る |
12編の世にも奇妙な物語
“戦慄のホラー短編集”と書いてあるとおり 戦慄の~は大げさなキャッチコピーだと思うけど 確かに背筋がぞくりとするような結末の話が多い
印象的なのは「よもつひらさか」
ひらがなだと何だかわからないのだけど 漢字で書くと「黄泉比良坂」
古事記に出てくる それを下ると黄泉の国に至る坂 現世とあの世の境目だそう
娘に会いに行くために田舎の坂道を歩いていた男性は 急に気分が悪くなり たまたま通りかかった青年に助けられる
歩いていた坂の名は よもつひらさか
もしそこで死者の差し出す食べ物を口にしてしまったら 二度と帰れなくなってしまう…
未来を見せてくれる鏡の話「ささやく鏡」 生きているかのように変化する絵の話「遠い窓」も幻想的でおもしろかった
怖いけど かなり好きな雰囲気の作家さん
「鬼」もそうだったけど 危うい境目をうまく書く人って好き