小惑星探査機 はやぶさの大冒険 | |
山根 一眞 | |
マガジンハウス |
小惑星探査機「はやぶさ」が 今年6月地球に帰還したのは私達の記憶にも新しい
そのはやぶさが 2003年に地球を旅立ち 小惑星イトカワの岩石のかけらを拾って
数々の苦難を乗り越えてまた地球に戻ってくるまでの7年間 60億キロの旅を追ったドキュメント
プロジェクトチームに密着して取材してきた山根一眞さんが 一般の人にもわかりやすくはやぶさの冒険の全容を伝えてくれてる本
本来ならもう3年早く 2007年に帰ってくる計画だったはやぶさは
度重なる故障とトラブルで 一時は音信不通の制御不能で行方不明にさえなっていたそう
それでも諦めることなく
“かならず無事でいてくれる”“絶対に地球まで帰せる”
そう信じて懸命に手を尽くすエンジニア達の熱い思いに 読んでいるこちらも胸が熱くなる
瀕死の状態でもなお 彼らの思いに応えるように 何度も何度も残った力を振り絞るはやぶさがまた感動的で
その姿は 単なる機械ではなく まるで魂が宿ってて意思の疎通ができるかのよう
ようやくたどり着き 採取サンプルを入れたカプセルを切り離し
最期に地球の姿を撮影したはやぶさは 大気圏に突入して燃え尽きてしまうのだけど
その大気圏突入を地上から捉えた写真が掲載されていて これがまた殊に美しい
→山根一眞さんオフィシャルサイト
はやぶさが帰ってくる日を明日に控えたエンジニアの言葉がいい
奇跡なのか偶然なのかとみんなが話す中
『奇跡だとはいいたくないですよね。やっぱり努力でしょうね、努力です。とても「おもしろかった」ので、みんな一生懸命努力したんです』
さらにそれについての山根さんのコメントもまたいい
『「おもしろい」という思いはとてもだいじ。「おもしろい」とは好奇心をかきたてられることであり、それが文化や文明の最大の原動力になってきた。(中略)「おもしろい」からこそ努力をして成果を手にしてきたのだ。』
さて ちょっと話は変わりますが
先日JAXAでは新しい宇宙ステーション補給機の愛称を募集していました
何だかこのはやぶさの一件で “がんばれ日本の宇宙開発”って思ってたのと
採用されると種子島でのその補給機の打ち上げに招待してくれるというおまけ付きで
“ロケットの打ち上げ!一度は目の前で見てみたい!!”と思って応募してみたのですが…
結果は採用ならず
やや残念ではありますが 今後の宇宙開発の更なる発展を期待して
「こうのとり」(←補給機の採用名称)がんばれです
そして「はやぶさ」本当にお疲れさまでした