大切なひとのためにできること がんと闘った家族の物語 | |
清宮礼子 文芸社 | |
定価1200円 6月1日発売予定 |
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「大切な人のためにできること」がんと闘った家族の物語
作者は 映画「おくりびと」の宣伝を担当されていた清宮礼子さんというかた
突然末期がんの宣告をされ がんと闘いながら残された命を大切に生きるお父さんと
温かく支える清宮さん達家族の物語
人は誰でも いつか、おくりびと、おくられびと― (本書帯より)
この本が届いた次の日に 奇しくも 祖父が亡くなったとの連絡が入り
私もおくりびととして葬儀に向かう電車の中で読むことになった
命あるものはいつかかならずそれが尽きる時がくる
わかっていても別れというのはつらいもの
ましてや 自分自身や子ども達の人生もまだこれからで 愛する家族と過ごす時間を楽しみにしていた矢先 命の期限が短いことを知らされたら
私ならどう受け止めるだろう 私ならどう生きるだろう…
たった百数十ページの本 そこに書ききれない苦しみもたくさんあっただろうと思う
それでも 礼子さん お兄ちゃんやお母さん そしてお父さん
誰もがみんなお互いを思いやって 家族のことをとても大切にしていて
残された時間を少しでも明るく楽しく 穏やかに笑って過ごそうとする姿が心に残る
人が生きるというのは どういうことなんだろうと思う
苦しかったり哀しかったり悔やんだり つらいこともあったはずなのに
それでも最期に 愛する人たちにありがとうと言えて ありがとうと言ってもらえる
みんなの心に「ありがとう」が残り 支えてくれたたくさんの言葉が残る
優しかった笑顔が残り 楽しかった思い出が残る
残るのは 記憶
目に見えるかたちではないけど その記憶が きっと生きた証で
残された人の身体の中にいつまでも温かく生き続けるものだと思う
一緒に生きてくれてありがとう おつかれさま
読み終えて そう言いながら祖父をおくりました
誰かをおくりだすときも 自分がおくられるときも
悔いなくおくりだせるように いつでも精一杯生きていよう
そう思える本
そして
この本の中には がんと闘う人たちの姿が飾ることなくありのまま描かれてる
つくりごとではない医療の現状
医師さえもが手探り状態の 日進月歩のがん治療の現場で
患者や家族が なにが最善でなにが間違ってるのかを判断するのは容易ではない
少しでも同じ境遇の人の役に立てばと 清宮さんが懸命に集めた情報は
治療の種類や薬の副作用 在宅医療や緩和ケア そして避けては通れないお金の問題と多岐にわたる
がん関連のホームページのアドレスも数多く掲載されている
ぜひ 今闘病中の方や家族の方も手にとり 参考にしていただけたら
いち医療人として私も 嬉しく思う
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おくりびと [DVD] | |
出演:本木雅弘 | |
アミューズソフトエンタテインメント |
―納棺師─それは、悲しいはずのお別れを、やさしい愛情で満たしてくれるひと。(amazon作品紹介より)
ライフ・イズ・ビューティフル [DVD] | |
出演:ロベルト・ベニーニ | |
パイオニアLDC |
本書のおまけで清宮さんがおすすめされてる映画
―第2次世界大戦下、明日をも知れない極限状態に置かれながらも、決して人生の価値を見失わず、豊かな空想力を駆使して愛する家族を守り抜いた、勇敢な男の物語。(amazon作品紹介より)
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