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重耳 中・下巻 宮城谷昌光

2009-01-09 15:16:31 | ★ま・や行の作家
重耳〈下〉 (講談社文庫)
宮城谷 昌光
講談社

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中巻下巻と怒涛の読了です
たくさんの人物が出てくるけどそれぞれ魅力的で 長さを感じずどんどん読めてしまいます
まるで映画を観てるかのようで 古代中国の歴史物って面白いですね

重耳の祖父・称がようやく晋を安泰に導いたのに 後を継いだ息子の詭諸(きしょ)が新しい若妻驪姫(りき)に溺れ 計略に嵌って重耳たち公子を次々追い出してしまう
そこから重耳の19年にも及ぶ長い流浪生活がはじまる

どんな苦境に立たされても 臣下を思いやり 親や妻を大事にする重耳
そんな穏やかで聡明な重耳を慕って 人々が集まり彼を守り立てていく

重耳を中国の覇者にするのが夢だと 重耳ならそれができると信じる臣下
そんな臣下を信頼し 期待に応えようとする重耳

こういう人と人との信頼関係は今も同じだ
人が人を育てる 人との出会いと関わりによっていろんなことが変わってく
仕事に限らず 尊敬できる師や信頼できる仲間に出会えるってのは幸せなことだと思う

優秀だったはずの兄は意外に脆く 君主の座につくことなく自害
愛嬌があり賢かったはずの弟は甘やかされたせいか浅薄な人間で 君主になるもののすぐに裏切られる
結局成功したのは平々凡々としてた重耳
持って生まれたものよりも環境が大事ってことか
かわいい子には旅をさせよとか 苦労は買ってでもせよとか そのとおりかもしれないと思う

長い長い重耳の流浪生活の苦労が報われてやっと君主となる重耳の姿に感動 
一緒に苦労した臣下たちもさぞ嬉しかっただろうと思う

とても面白い小説でした


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