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Not doing,but being ~在宅緩和ケアの普及を目指して~

より良い在宅訪問診療、在宅緩和ケアを目指す医師のブログ

寄り添うことは悩むこと

2010-04-25 06:50:51 | 日記
最近は随分と緩和ケアに興味を持つ医療者が増えてきました。
しかし、特に医師に多いのですが、しばしばモルヒネを始めとする
色々な薬を使いこなす事に興味が向いてしまっている印象を受けます。
中には、「スピリチュアルペイン」のケアに当たるのは医師の仕事
ではない、とはっきり言う緩和ケア医師もいます。

しかし、薬の使い方など1~2年やる気を持って取り組めば簡単に
身につくものです。むしろ、EBM(Evidence Based Medicine)を
超えたところから、緩和医療が始まる、と私は思っています。
「医療者が患者の精神的・霊的痛みを和らげる事など出来るのか」
という批判もあろうかと思います。確かに、医療者は無力です。
しかし、向き合い、寄り添い、共に悩み、共に痛むという部分を
真剣に追求するのとそうでないのとでは、到達する場所が大きく
異なるのではないかと思っています。

そして、「共に悩むこと」こそが緩和医療の真髄であると私は
考えています。答えのない領域ですから、患者様の事を考えれば
悩むのは当然で、私は悩まない緩和ケア医師は「もぐり」だと
すら思います。私自身が患者・家族であれば、自らが無力な
ことを知り、悩んでくれる医療者に看てもらいたいと思います。

新しいブログの開始にあたって

2010-04-24 06:04:00 | 日記
こんにちは。都内で在宅訪問診療をしている医師の
『こたろう』と申します。在宅訪問診療はまだ始めた
ばかりですが、緩和ケア病棟に5年程勤務した経験があり、
在宅でも緩和医療を手がけていきたいと考えています。
最近ようやくポツポツと緩和医療の機会が増えてきました。
そして、在宅での緩和医療独特の難しさも経験しています。
そこで、実際に在宅医療に携わる医療従事者、そして
患者様・御家族と情報交換の場が欲しいと思い、
新しいブログの立ち上げを思い立ちました。

『Not doing,but being』は、現代ホスピスの先駆けとなった
シシリー・ソンダース医師の言葉であり、
“何かをすることではなくて、共にいること”という
私にとって緩和医療で最も大切だと思う部分を表す
言葉として、ブログのタイトルに使わせて頂きました。
もちろん、これは緩和医療だけでなく、在宅医療、
そしてもっと広く医療や人間関係においても重要なこと
ではないかと思っています。

以前のブログ、『緩和ケア病棟24時』の時からブログを
読んで下さっている皆様、暖かいコメントを有難うございます。
より良い医療を目指し、今後も頑張って参りたいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。