Not doing,but being ~在宅緩和ケアの普及を目指して~

より良い在宅訪問診療、在宅緩和ケアを目指す医師のブログ

活動報告

2011-03-01 17:24:11 | 日記
一年間、在宅で担当した終末期の患者様を振り返りたいと思います。
お受けした人数は11人。男性4人、女性7人で平均年齢は70.1歳。
原発は乳がん2人、膵臓がん2人、肺がん2人、胃がん1人、肝臓がん1人、
胆嚢がん1人、大腸がん1人、原発不明1人。
このうち在宅での看取りが3人、症状悪化による入院が8人。
入院となった原因は発熱+全身状態悪化が3人、呼吸困難が3人、
家族の介護困難が1人、薬疹が1人。
この中には、御家族のお考え次第で在宅で過ごせた方もおられます。
私が担当してから在宅で過ごせた日数は30.1日。
最長が134日、次いで73日、40日。
短い方では3日が1人、4日が2人、次いで6日という結果でした。
この他、人数には入れていませんが退院して訪問が始まる前に
亡くなった方も2人いらっしゃいました。

最長の方は脚が不自由ですが独歩、通院可、化学療法中の方でした。
その方を除くと平均では20日になります。

患者様と関わらせて頂いた感想としては、もう少し早く紹介して
欲しかった…という想いはあります。訪問看護師さんも同様の事を
おっしゃっていましたが、往診・訪問介護の必要性を御家族が
考えられた時点で、残された時間は考えられているよりもずっと
短くなっている事が多いのです。
もう少し紹介が早ければ、患者様や御家族と深く関わったり、
適切な準備、より良いサポートが出来ると思います。
まして自宅に帰りたいと退院する患者様の事を考えると
もう少し色々な判断が出来たり、話を出来る時期に退院が
出来れば…と思わずにはいられません。

但しこれは医療者側の感覚・意見であって、
患者様や御家族にとっては我々との深い関わりや
良い死の準備が本当に必要なのかどうかは
患者様ごとによく考えてみる必要があります。
次回もう少し考察してみようと想います。