セレネース(ハロペリドール)とリスパダール(リスペリドン)は
共に抗精神病薬で、緩和ケアの領域では主に吐き気止め、せん妄症状
の改善などを期待して使用されます。セレネースは注射があり、
こちらはコミュニケーション能力をなるべく奪わない、軽い鎮静
(セデーション)に用いられる事もあります。
パーキンソン病に似た錐体外路症状など共通の副作用も多いです。
では、どちらを使用するのが望ましいのでしょうか。
せん妄へのリスパダールについては2004年に、28例と少数ながら
二重盲検試験で副作用・有効性ともにセレネースに
優れるものではなかった(Psychosomatics 45:297-301,2004)
という報告があります。
吐き気止め作用についてはドパミン受容体を強力に遮断する
セレネースの方が強力そうなイメージはあるものの、
両者を比較したものは私は知りません。
と、言うことは今のところどちらが好ましいとは言えず、
結局薬の特徴を理解して、患者さんごとに使い分ける
必要がありそうです。
確かに、錐体外路症状(EPS:extra pyramidal symptom)は
セレネースの方が強く、抗コリン作用もフェノチアジン系の
薬剤程ではないにせよセレネースの方が強いと思います。
しかし一方で、リスパダールは腎毒性を有し、腎機能低下例では
注意が必要です。この特徴は、100%肝臓で代謝されるセレネース
とは大きく異なる特徴かもしれません。
また、MARTAに分類されるクエチアピン(セロクエル)や
オランザピン(ジプレキサ)程ではありませんが、
血糖を上昇させる作用もリスパダールにはあります。
現在、統合失調症にも第一選択は非定型抗精神病薬が推奨されています
ので、どちらでも良い場合には私はリスパダールを使用しますが
これだけ薬理学的に短所・長所が異なりますので
使い分けが出来ないといけないですね。
ちなみにセロクエルの記事にも書きましたが、現在どちらの薬も
適応症は統合失調症ですが、せん妄や易攻撃性に対して用いた場合
査定される事はなくなりました。
但し、これらの薬剤の前に、BZ系やH2-blocker等の中止に出来る薬剤
を検討したり、採血など行い脱水など治療可能な原因を検索することが
先決なのは言うまでもありません。
共に抗精神病薬で、緩和ケアの領域では主に吐き気止め、せん妄症状
の改善などを期待して使用されます。セレネースは注射があり、
こちらはコミュニケーション能力をなるべく奪わない、軽い鎮静
(セデーション)に用いられる事もあります。
パーキンソン病に似た錐体外路症状など共通の副作用も多いです。
では、どちらを使用するのが望ましいのでしょうか。
せん妄へのリスパダールについては2004年に、28例と少数ながら
二重盲検試験で副作用・有効性ともにセレネースに
優れるものではなかった(Psychosomatics 45:297-301,2004)
という報告があります。
吐き気止め作用についてはドパミン受容体を強力に遮断する
セレネースの方が強力そうなイメージはあるものの、
両者を比較したものは私は知りません。
と、言うことは今のところどちらが好ましいとは言えず、
結局薬の特徴を理解して、患者さんごとに使い分ける
必要がありそうです。
確かに、錐体外路症状(EPS:extra pyramidal symptom)は
セレネースの方が強く、抗コリン作用もフェノチアジン系の
薬剤程ではないにせよセレネースの方が強いと思います。
しかし一方で、リスパダールは腎毒性を有し、腎機能低下例では
注意が必要です。この特徴は、100%肝臓で代謝されるセレネース
とは大きく異なる特徴かもしれません。
また、MARTAに分類されるクエチアピン(セロクエル)や
オランザピン(ジプレキサ)程ではありませんが、
血糖を上昇させる作用もリスパダールにはあります。
現在、統合失調症にも第一選択は非定型抗精神病薬が推奨されています
ので、どちらでも良い場合には私はリスパダールを使用しますが
これだけ薬理学的に短所・長所が異なりますので
使い分けが出来ないといけないですね。
ちなみにセロクエルの記事にも書きましたが、現在どちらの薬も
適応症は統合失調症ですが、せん妄や易攻撃性に対して用いた場合
査定される事はなくなりました。
但し、これらの薬剤の前に、BZ系やH2-blocker等の中止に出来る薬剤
を検討したり、採血など行い脱水など治療可能な原因を検索することが
先決なのは言うまでもありません。
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