本日のタイトルは、既に絶版となった、金重 哲三先生の著書の
タイトルです。m3.comという医師限定のサイトでこの本のPDFファイル
を無料で配布されており、一般の方々にも是非読んで頂きたいと
申し出たところ、快く配布を了承して下さいました。
以下にアクセスして頂き、数十秒待つと『無料ダウンロード』
のボタンが出ますのでクリックしてダウンロードをして下さい。
PDFだと読み辛いという方、amazon等で中古を買う事も出来ます。
(ダウンロード出来なかったら教えて下さい)
http://www.megaupload.com/?d=YDCVFC63
いきなりびっくりするようなタイトルですが、身体が衰弱するにつれ
抗がん剤治療や輸液などの治療の効果が減り、延命をすればするほど
がんが進行し患者様は苦しまれる事になるという医療者の経験が
分かりやすく書かれた本になります。
このような良い本を無償で提供して頂いているのに意見するのは
申し訳ありませんが、金重先生の意見は、少し偏っていると感じる
箇所もあります。
抗がん剤で得られる効果の多くが一時的で限定的であっても、
その期間に患者様が自分のやりたい事が出来たり語家族と過ごす
かけがえのない時間になる事はありますし、
個人的に病気を『受容』し、『なるべく苦しまないで逝く』
という選択をする事が、いかなる場合も最も正しいとは思いません。
毅然と病気に立ち向かい、必要以上の治療を受けない事を
決断出来れば良いとは思いますが、強い方ばかりではないし、
それが出来ないとしても医療者はそのような患者様・御家族の
葛藤を理解して頂き、
「こうあるべき」という御自分の死生観にこだわらず、
共に悩む存在であって欲しいと思います。
しかし、この本に書かれている内容を知って治療を選択する
のと、何も知らずに選択するのでは大きな違いがあります。
切羽詰ってから、この本の内容を読んでも、恐らく消化不良で
終わってしまうでしょう。出来ればなるべく早く、この本を
読んで頂き、終末期の大切なケアを医療者任せにせず、より良い時間を
作り出すパートナーとして共に話し合って頂きたいと思います。
タイトルです。m3.comという医師限定のサイトでこの本のPDFファイル
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いきなりびっくりするようなタイトルですが、身体が衰弱するにつれ
抗がん剤治療や輸液などの治療の効果が減り、延命をすればするほど
がんが進行し患者様は苦しまれる事になるという医療者の経験が
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申し訳ありませんが、金重先生の意見は、少し偏っていると感じる
箇所もあります。
抗がん剤で得られる効果の多くが一時的で限定的であっても、
その期間に患者様が自分のやりたい事が出来たり語家族と過ごす
かけがえのない時間になる事はありますし、
個人的に病気を『受容』し、『なるべく苦しまないで逝く』
という選択をする事が、いかなる場合も最も正しいとは思いません。
毅然と病気に立ち向かい、必要以上の治療を受けない事を
決断出来れば良いとは思いますが、強い方ばかりではないし、
それが出来ないとしても医療者はそのような患者様・御家族の
葛藤を理解して頂き、
「こうあるべき」という御自分の死生観にこだわらず、
共に悩む存在であって欲しいと思います。
しかし、この本に書かれている内容を知って治療を選択する
のと、何も知らずに選択するのでは大きな違いがあります。
切羽詰ってから、この本の内容を読んでも、恐らく消化不良で
終わってしまうでしょう。出来ればなるべく早く、この本を
読んで頂き、終末期の大切なケアを医療者任せにせず、より良い時間を
作り出すパートナーとして共に話し合って頂きたいと思います。
母が膵臓癌尾部ステージ4b(肝転移)で1月からジェムザール治療を実施中です。
タイトルの件で疑問があり、差し支えなければアドバイスなどいただくことは可能でしょうか?
これまで痛みどめとしてロキソニン1錠を1日3回服用していましたが、痛みが出てくる時間が短くなり、オキシコンチン5mm+オキノームへ変更しました。2週間程して顔、首、腕の肘下に蕁麻疹が出て(痛みかゆみなし。引いてきましたがむくんでいます)、MSコンチン10mm+オプソに変更しました。が、オキシコンチンは初日はよく効いたのですが、2,3日もすると痛みが服用しても3,4時間で出てきてしまいます。MSコンチンも同様です。そのため、次回診察時に担当医に相談しようとは思っているのですが、母が夜も眠れないので切迫しているのになかなか伝わらなかったり次回診察までの1週間また耐えるのもしのびないので、医師との相談に必要な情報を集めたいと思っています。
ロキソニンは効く時間は4時間くらいですが、痛みがクリアに取れます。しかし、1日の制限が3錠とのことなので、MSコンチンを増やす場合、量を10mmから増量するのか、飲むタイミングを増やすのが良いのか(現在12時間置き)、またそれらの様子の観察と変更をどういったタイミングで実施していけばよいのか、かかっている内科以外の病院内の支援室などに相談すべきなのか、どういう手順が考えられますでしょうか。(モルヒネ系を使いはじめてから味覚障害と食欲不振が強いです。これら症状に対応する薬は使っていません。)
長文、また急にこのようなご相談をして申し訳ございませんが、宜しくお願いいたします。
MSコンチンが翌日以降効かなくなってしまうのか
12時間以上効果が持続するように作られた薬が
わずか3、4時間しか効かないのか、原因は
分かりませんが、単に量が不足している可能性
はあると思います。1回の量を増やすのが
スタンダードですが、3回に分けて飲んでも
差し支えありません。
基本的に3回以上、オキノームやオプソを使う
場合は増量を検討します。1.3~1.5倍に増量
するのが良いとされていますので、MSコンチン
であればまず30mg(10mg×3、8時間おき)にして
みては如何でしょうか。
痛みがある場合、眠気が出るところまでは
この方法で増量しても安全です。
膵臓がんの痛みは内臓痛が主体なので、麻薬
の方が効きそうなものですが、ロキソニンの
方が効果があるのですね。
カロナールという痛み止めがあります。弱い
痛み止めですが、しっかりした量を飲めば
きちんとした鎮痛効果があります。飲みにくい
のが欠点ですが、副作用は極めて少ないです。
こちらを1回500mg~600mgで内服し、効果が
あればロキソニンの間に使用されては如何
でしょうか。1回1000mg、1日最大4000mgまでは
安全に使用出来ます。
本日診察で相談したところ、MSコンチン現行容量10mgを1日3回(8時間置き)に変更となりました。
これで1週間まずは様子を見てみますが、少し嫌な情報を見つけました。モルヒネが効きにくい痛みの原因として膵臓癌の場合、腹腔神経叢への浸潤の可能性です。そういえば、鈍痛以外にみぞおちの痛みがあるようです。
今回の変更では改善が見られないようだと、その可能性が出てくるのかもしれませんが、モルヒネが容量に制限がない一方、このような痛みへの対処をする薬には上限があるようなので、痛みを十分抑えていけるのか心配です。
はあると思います。しかし、MSコンチン内服で
数時間効果がある事から、麻薬に反応する痛み
である印象はあります。また、神経の痛みには
通常ロキソニンも殆ど効きません。
神経の痛みとしても、まずMSコンチン120mg程度
まで増量し(120という数字の根拠は統計上、
この量で痛みのコントロールが出来ない場合
神経の痛みに効く薬を加えた方が良いという
情報によります)、それでも痛みの緩和が不十分
であれば別の薬を併用する事を検討されるべき
だと思います。
神経を巻き込んだ痛みへの治療薬の選択は
いくつかありますが、副作用の少なさと他の
薬剤との併用の問題を考慮すると、リリカと
いう薬が使いやすいと思います。それから
痛みが強いのであれば、1週間待たずコンチンの
増量をお勧めします。
父が末期の肺癌でホスピスに入ることを考えています。
少し教えていただきたいのですが、
治療をしないということは、喀血や肺炎などの治療もしないということでしょうか?
抗生剤や止血剤の点滴を望むのは栄養点滴や挿管を望むのと同じなのでしょうか?
ホスピスでの治療は、病棟を担当する医師の
死生観や病院の方針で大きく異なるのが現状です。
私達のホスピスでは、基本的に肺炎の治療は
行っていましたが、肺炎になる前の状態が
非常に悪く、いたずらに苦しい時間を長引かせる
だけという状況では治療はしませんでした。
一般的に歩いてトイレに行けず、ご飯は数口
以下、日中もウトウト寝てしまう状況で
苦痛が強い状況では肺炎の治療はしない方が
良いと私は思います。
喀血の治療は何を指すのか分かりませんが、
血管カテーテル等を使う高度な医療はホスピス
では出来ませんし、輸血を行う施設は少数です。
吐き出せない血液を吸引するような処置であれば
行うのではないかと思います。
出来る治療、出来ない治療を確認してから入院
されるのが良いと思います。
お忙しいところアドバイス有り難うございました。
ホスピスと言ってもどこも同じではないんですね。
よく分かりました。
抗癌剤が中止になった時点はまだ症状もなく、
普通に生活が出来ていましたが、
不便な田舎で両親だけでの生活の上、
訪問診察をしてくださる先生もいませんので、
早めにホスピスの見学は済ませました。
その時は良く分かったつもりでしたが、
症状が出だして細かいことが気になり出しました。
もう一度相談に行ってみることにします。
今は2週間に1度の通院と介護保険を利用して、
週に1度看護師さんに来ていただき自宅で過ごしています。
薬は呼吸苦を緩和するためにフェントス2mgとレスキューにオプソ。
その他にステロイド、止血剤、睡眠剤が出ています。
これと在宅酸素です。
今のところ痛みはありませんが、ここ1ヵ月ほどでだいぶと痩せ、トイレに行くこともしんどくなってきました。
本人は体調が悪い時はそろそろホスピスかと考えるものの、
体調が良い時は酸素もいらないくらいなので、
まだ大丈夫かなと考えるようです。
家族としてはホスピスに入った方が安心ですが、
少しでも家で過ごしてほしいとも考えてしまいます。
難しいです。
また色々教えて下さい。有り難うございました。
一般病棟で日々、緩和ケアの難しさに悩むナースです。
途中、だいぶナナメ読みになってしまいましたが、「末期がんは手をつくしてはいけない」を読ませていただきました。
印象に残ったことは「死は終わりではなく、生を完成させること」という言葉です。
でも、一般の方々にも知っていていただきたい内容ではあるのですが、患者様やご家族様の誰しもが受容できるあるいは変身できるわけではないと思うので、全体では、少々厳しく感じました。
今対面しているケースの事を話させてください。
患者様は腰痛を主訴に病院を訪れ、精査の結果、肺がんの胸腰椎転移、併せて脳転移がわかり、前医で化学療法と放射線治療を受けられましたが、奏功せず、肺内転移、肝転移の状態で、緩和ケアを主体に療養目的に当院へ転院されてきました。
現状は、化学療法や放射線治療の「疲れ」がとれた様子で、食欲もまずまずあり、また表情も前医で過ごしていた頃とはだいぶ改善しているようです。
骨折のリスクと背中合わせで、リハビリも行っています。目的は気分転換。離床や日常生活の自立が目的ではありませんが、希望を失わせないための働きかけでありますが良い経過を辿っています。これまでの積極的治療での身体的・精神的苦痛からの開放されたことによる疼痛の閾値の軽減から、確かに体を起こしていられる角度も、時間も拡大しました。
その様子を目の当たりにして、回復していると捉えているご家族は、肝の転移巣に対しての局所抗がん剤注入の可能性を求め、GW明けに他院へ治療の相談に行くそうです。わたしには知識が不足しているので、多発の肝メタに対して他院は治療の追加を推奨するのかは、判断できませんが、もし、この治療を受けられたところで、患者様ご本人は再び苦しむことになるのではないかと思っています。ですが、他院へ相談しにいくことすら、否定してしまっては、ご家族にも未練を残させる結果になるだろうとの、主治医の配慮だと考えるようにしています。ご家族のためには間違った選択肢を提示したわけではなく、むしろ良い判断だと思います。
ご本人のことを思えば、個人的には願わくば治療の適応外と判断されれば良いと考えるわたしはオニでしょうか^^);
こたろう先生
今までの記事にもあったかもしれませんが、もう一度、鎮痛補助薬や、終末期に現れる諸症状を緩和する薬や方法などをご教示いただけないでしょうか。
この患者様を含め、がん終末期患者が「生を完成」できるようにお手伝いしたいのです。
当院には緩和ケアのチームがありません。この患者様の主治医も一般内科の医師です。ですが、考え方は柔らかく、きっと患者様のことを思う心のある医師です。わたしたちナースも、勉強し、経験を重ねて、より良い旅立ちを見送りたいのです。
過日、ある患者様の驚くほど見事な旅立ちに立ち合わせていただきました。
日中は食欲はなかったものの、穏やかに過ごし、夕方になって急速に呼吸困難感が出現。
それまでは、ぼ~っとしたキャラクターで認知症でもあるのかと思うほどでした。毎夕、息子さんたちが仕事帰りに訪れ、自販機のコーヒーを一緒に飲んで「それじゃぁ」と挨拶をして自宅に帰られる息子さんをベッドから見送っておられました。
急変の夕方は、さすがに個室に移動してもらい、息子さんたちに付き添っていただきました。息子さんたちは、驚いた様子はありましたが、取り乱すことはなく、患者さまに寄り添っていて下さいました。そして声を掛け続けていて下さいました。
朝方になり、いよいよ苦しみが意識を失わせさせそうになった時、患者様が叫んだのです。
「こんな父さんでごめん!
(息子の名前)、ありがとう!
ありがとう!」
この患者様は苦しい中、セデーションは望みませんでした。きっとこの言葉を息子さんに伝える必要があるとお考えだったのでしょう。
わたしはひたすら愕然とし、この患者様に対するこれまで持っていた「ぼ~っとしたキャラだな」の印象を恥じました。出来たことはこの天晴れな最期の瞬間を記録に残したことだけです。
大変長文かつ脇道にそれたコメント、失礼しました。
明日からもまた、今ある命の完成をお手伝いできるように頑張ります。
緩和医療は難しいです。悩むのが当たり前で、
むしろ悩むことが緩和医療の特徴だと思って
います。
私もかつては金重先生の考えに近かったのですが
多くの方々に触れ、ネット上で闘病の記録など
を読むにつけ、「死の教育」「受容」など
緩和医療で良いとされてきた事も、患者様に
よっては望んでおられないこと、医療者の
自己満足になっていないかと考えるように
なりました。これをすれば万人に良い、という
ケアはないのではないか、また患者さんの身体や心の
苦痛は消えることはない、だからこそ本来緩和
医療は難しいものだと思うのです。
逆に言うと、患者様・御家族と共に何処まで
悩めるかが私達の仕事ではないかと思っています。
緩和ケアの薬の使い方は私の古いブログにも
随分書いてあります。何か分からない事があれば
こちらで質問して頂いても結構です。