クイナのヒナを初めてみました。野付半島の湿地で繁殖しているのは確認していました。
道路で出会ってもすぐに葦の中に逃げ込むので、観察時間2秒的な一瞬です。警戒心が
とても強く、観察するのを諦めていました。
おばんです。小太郎でごじゃります。
◆ 野付半島のクイナ ◆
ところが別海町が湿地の沼のそばに野鳥観察用のハイドを作ってくれました。管理して
いるボランティアの方々が観察がしやすいように沼のそばの葦を一部刈ってくれました。
おかげで水辺にやってくる野鳥が見やすくなりました。今まで隠れていた視界が開け、
水辺を使うクイナの姿が少し垣間見られるようになったのです。
以前からシギ・チドリを観察しているときに、沼の上を飛んでいく姿をちら見しては
いました。ほんの一瞬です。
そして出てきたのです。黒っぽいドブネズミくらいの大きさの鳥が。黒褐色をし、黒い
土に紛れてしまう姿。短い尾羽を上にピンと立て、頭を下にし、前傾姿勢で歩いてきます。
くちばしは上と下が黒い。成鳥は下の嘴が赤っぽくて目立つので間違いなくヒナです。
すでに体格は親鳥に近く、生後2週間以上にはなっています。
初物はいつも感激です。45年ほど前、厚岸湾の沖合に浮かぶ大黒島を訪ねた時を思い
出します。ゼニガタアザラシの生態調査をしていた新妻昭夫(種の起源をもとめて・
ダーウインに消された男・ウォーレスの著者)が塒にしていたキャンプの周りでクイナ
の声を一晩中聞いたのです。ブヒブヒという豚の声に似た鳴き声、これに感激したな。
巣を見つけ、20個以上ある卵を発見。もしかしたら共同抱卵してるのかと思った
くらいです。
あれ以来、じっくり見ました。葦の中からでてくると警戒しながら餌を捕りだします。
道路に車が来るとすぐ葦の中に入ります。密集する葦の茎の間をするすると入って
行くのです。
横から見るとずんぐりむっくり、太めに見えます。でも正面から見ると幅が薄いのです。
毛の中を移動するノミ見たいです。狭いところを素早く移動できる体形に進化して
来ているのです。葦の中で生活するのには超便利です。
開けた水面に入ると周囲を気にし、素早く移動して行く持って生まれた警戒心。
なかなか目には触れるころができにくいクイナの生態です。
葦が生えてる中州では親と兄弟がちょろちょろ姿を見せていました。
そうなんですか、図鑑を見ていても分からない事実ですね
文章を読んでいて、芦原を移動する様子が動画を見ているようによく分かりました