窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

雪降れば、苦労が増える

2021-01-29 20:08:28 | エゾジカの四季

雪が少なかったのに、自然はどこかで調整してきます。とうとう積雪が増えて

きました。内陸は40センチ以上の積雪がありますが、野付半島は強風で飛ば

され、20㎝ほど。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

          ★ 雪降れば、苦労が増える ★

それまではのんびり草を食んでいたエゾジカたち。雪は食べ物の枯れ草を埋め、

隠してしまいます。食べるために雪を掻き、掘り出し、食べなければなりません。

強風で締め付けられた積雪は硬く、ふわふわに見える雪とは全く別物になります。

それを前足で掻き、口を突っ込み、引きちぎらなければなりません。

それまでの10倍以上のエネルギーを使わなければなりません。積雪が多くな

ばさらに増します。

エゾジカは苦労のいらない強風がもろにあたる海岸線に沿った草地に集まって

ます。楽したいんです。老齢化したオスジカたちが目立ちます。

メスの群れは恰幅のいいボスジカに守られ、日中は海岸線には出てきません。

オスジカばかりです。オスジカは力があるせいで、締まった雪を前足で掻き、

黙々と枯れ草を食べています。穏やかな表情をしていますが、昼日中からオー

プンな場所に出てくるのは、ひもじいのです。

近くに寄っても、危なくないと理解すれば、近寄らせてくれます。森の中では

考えられない行動をとっています。

観察する者には嬉しいことですが。