地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

地球の裏から日本頑張れ!の応援BLOGです。
証券関係の話題について、証券マンとしての意見を述べていきます

初心者集まれ!第3回

2007-12-26 03:54:15 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
さて、初心者の皆さん、まずは鉄則から。

<鉄則>
投資話に関しては、相手を徹底的に疑ってかかれ。
例え相手が一流企業の人間であっても、親戚であっても、だ。

日本の低金利と言う言葉、これはもう聞き飽きるほど聞いていると思う。
それじゃ日本株は儲かっていますか?
個別に見れば儲かっている人もたくさん居ると思うけれど、「日経平均」と言う日本の株式市場の全体を見る指数はね、私が大卒でD証券に入社した時とほぼ同じなのだよ。
1986年当時の日経平均は15000円を越えてきた所で、そこからバブルの絶頂期に付けた40000円弱を経て、今再び15000円近辺ですわな。
つまり株式市場だって今はそんなに儲かっちゃ居ない、ってこと。

そんな中で儲け話なんてあろうはずも無いのですよ。
やれアジア株がどうの、ヨーロッパのファンドがどうの、きっと色々なアプローチがあるんだろうけれど、世界中のプロ達が金儲けに散々苦心している状況で、貴方だけが儲かる話なんて絶対にありませんので。


さて、それではそういう声をまず無視出来るようになってきたら、自衛手段として「自分の手による株式」を考えて行こうではありませんか。
「お金100万円くらいあります、何が良いですか?」的な質問を見るけど、そんな安易な態度はやめましょう。

まず私が皆さんにして欲しいのは、新聞の株価欄を「眺める」こと。
日経新聞でなくてもどの新聞の朝刊にも夕刊にもありますな、あの株式欄。
まずは眺めてみましょうや。おっととりあえず「東証1部」ってとこだけでOKです(と言ってもその数は莫大だけど)。

さて漠然と眺めても埒が明かないので、貴方が良く使うスーパー、ガソリンスタンド、所有してる車、冷蔵庫、自宅、使っている銀行、テレビ、トイレットペーパー、シャンプー、DVDプレーヤー、洋服・・・・
これらのメーカー名をきっちり見てみて下さいな。

この順番でメーカー名を考えてみれば、例えばこんな感じの答えになるかな。

スーパー(ヨーカドー)、ガソリンスタンド(出光)、所有してる車(トヨタ)、冷蔵庫(三洋)、自宅(積水ハウス)、使っている銀行(みずほ銀行)、テレビ(シャープ)、トイレットペーパー(大王製紙)、シャンプー(花王)、DVDプレーヤー(ソニー)、洋服(ユニクロ)・・・

食品だってレトルト食品だって、あるいは旦那さんが毎日使ってる鉄道会社、好きな航空会社、旅行会社、身の回りにはまずは株式市場になれるためのたくさんの材料が目白押し、って事を忘れないで頂きたいのだね。

そんな中で気になるメーカーがあれば、その会社が新聞の株式欄に載っているかどうか探してみよう。(別にメーカーに限らずに、金融機関でもガス会社でも何でも良いから気になる会社名を発見すること)

おっと、ユニクロは「ユニクロ」って名前じゃなくて「ファーストリテーリング」(ファストリ、と我々は略します)って会社なので、念のため。

それでもって出来れば同じ業種の中で個人的な比較をして欲しいのだ。
つまり、あたしはJALよりANAの方が好き、ヨーカドーよりAEONの方が店員さんが親切、この間買ったダイキンのクーラーはすぐ壊れたけど今度の東芝はなかなか良いな・・・

そしたら比較してる会社を株式欄から探し出せ!
もしかしたら値段に物凄い差があるかも知れない。片や1万円って書いてあるのに片や300円、みたいな。
でも気にすること無かれ、まずは気になる会社を探し出して、そして1週間とにかく毎日見て下され。
お金も掛からないし、時間はちょっと掛かるかも知れないけれど、くだらない投資話にだまされない為にも1日20分くらいは株式欄を眺めてみようよ。

この目的って、これは私独自の見解なんだけど、「目を慣らす」って事なのであるね。
毎日同じ会社の株価、しかも自分の身の回りにある何かを今日も作っている会社の株価を見て、それに慣れることがまずは重要だとかねがね思っているのだよ。
月曜日の300円が翌日は295円になって、金曜日には320円になってる・・・こういう感覚に慣れて欲しい。

つまらない人を煽るような株式投資の掲示板やらを見る時間があったら、正攻法で行きましょうぞ、皆の衆よ!

初心者集まれ!第2回

2007-12-26 03:13:36 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
さて第2回目はまず「小鬼」の正体である。
これがある程度はっきりしないと果たして奴の言う事を信じてよいのやら何やら・・となりかねないので、出来る範囲で明かしておこう。

1986年、神奈川県のとある公立大学を何とか卒業し、当時業界2位であったD証券に入社、本店営業部と言う所で89年までどぶ板営業をする。
この当時はバブルの走り、ブラックマンデーもあったな。全国から鬼のような猛者営業マン60名が集結してるこの部での血を吐くような(大げさでも何でもないのだよ、これが)経験が結局今のあっしの基礎になっている。

さて、その地獄の部から抜け出す方法は当時は2つ。「ファンドマネージャートレーニ―」に選ばれるか「海外留学生」に選ばれるか、しかなかった。
ここで抜けないともう終わる・・と考えていたあっしはラッキーにも海外留学生に選ばれて、アメリカはカリフォルニアへ9ヶ月の英語の研修へ行く。
人事部に「ハワイは駄目ですか?」と聞いたら速攻却下されたのは言うまでも無く、カリフォルニア大学の英語エクステンションセンターと言う留学生相手の場所に行った。楽しかったね。

さて90年6月に帰国、その後の辞令は「チューリッヒ」。
私「?」「チューリッヒって何処?」
チューリッヒには結局6年在籍し、最初の4年は機関投資家営業(在スイスの機関投資家へ日本株を売って回る)、残りの2年は日本企業発行の転換社債とワラントのディーリング。

そして次なる転勤は「フランクフルト」。ここは短く1年半。ここでは再び機関投資家営業。
何故フランクが短かったかと言えば、ロンドンで一人動くのでその後釜に来い、と言う要請があったからで、結局「呼ばれるうちが花」とばかりにロンドンへ。
ロンドンではヘッジファンドセールスチーム。ただロンドンのあるお方と大喧嘩して最後は「こいつがこの会社に居る限り俺の未来は無い!」と確信し、在ロンドン1年でDを退社。

その後1クッション置いて、チューリッヒの日系銀行系証券からお誘いが来て、そちらへ行く。ここではまたまた転換社債のディーリングおよびマーケットメイキングを担当。4年居た所でこのチューリッヒ店が現地法人から支店に切り替わることになり、独自のディーリングが出来なくなることになったので、当時まだスイスにあった別の日系銀行系証券に転職。
最初の日系銀行系で初めて「現地採用」を経験、これは給料はまあまあだったけど面倒臭かった。
移籍した会社でも最初は現地採用のステータスだったが、この会社は既に何度かの合併を繰り返しており、中には知り合いがたくさん居て、皆さんのアドバイスもあって現地採用から駐在員に切り替えた。
切り替えた途端、やはりロンドンで一人抜けるのでロンドンへ来て欲しい、と言う要請が来て、今回は前回のDでの轍を踏まないように気をつけながらロンドンへ転勤、今に至るわけだ。
今の仕事は「セールストレーディング」と言うことをやっているが、実際の顧客とのやり取りは英国人スタッフに任せ、大陸の支店やら東京とのリエゾン、監督業務が主となっている。

とまあ、証券マンを20年くらいやっているけどそのうち17年くらいはずっとヨーロッパに居て日本株を見てきたわけである。
さらに証券会社3社を経験することによって、各社のカラーが良く分かって面白かったし、また人脈がかなり増えたことは転職によるお陰だと思っている。
ずっとD社の国内営業マン人生だったら、ここまで人脈は増えなかっただろうなぁ、と思う。

とまあ、つまらない話に2回ほど付き合っていただいたが、これで小鬼の言っていることは満更出任せでもなさそうだ、と思って頂くことがまずは重要である。
ただし、常に相手の言う事を鵜呑みにしてはいけない。これは例え私が言う事でも、である。

何度もこれから繰り返すけれど、世の中簡単に儲かる話は無い!
そういう話を仕掛けてくる連中はおそらく口八丁手八丁で仕掛けてくると思う。
こと投資に限ってはまずは相手を徹底的に疑ってかかろうではないか。



初心者集まれ!第1回

2007-12-26 00:11:52 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
ずっと放置プレイが続いていたこのBLOGであるが、色々考えた結果、とにかくもう一度自分自身が初心に戻って、タイトルのようなレクチャーを書いていこうと思う。

世の中あほくさい投資話、人を煽るような書き込みが溢れている株式関係の掲示板、買う価値があるかどうか分からないような株式投資の本に満ち溢れていて、さらにそれらにコロリと傾いてしまう人達がたくさん居るのを見るにつけ、コレじゃあいかん!と日頃思っていたのだよ。
そんな中、大げさに言えば社会貢献の一環として何か出来ないのか己は??と考えた時に、この放置プレイBLOGの再活用を思い立った訳である。

元々このBLOGはあのライブドア問題が起きた時に、たくさんの人から「どう思うのか?」と言うことを聞かれ、こんなにたくさんの人があの問題に興味があったのか、と驚き、そして証券マンの視点からそれを掘り下げてみようと思ったのがきっかけで、あの問題がああいう形で処理されてしまってからはちょっと行き場を失っていたのだね。
ただあの問題に絡んで、元々私の(割と)専門分野であるCB,MSCBなんてのが世の中から注目を受けるようになって、それに関しても結構書いてきた。

ゆえに、その辺の専門知識がある方はそれらをご覧頂くとして、このカテゴリーでは自分自身を入社前(もう20年以上前ジャン・・・)の自分に置き換えて、自分の知識なり経験が現在のようになるまでを思い起こしながら、株式投資の初心者の方々向けの正しい知識の普及を目指したいと思う次第なのである。
しかしながら、私のこのBLOGを読んで諸君らが被った損害賠償等には一切応じないので、そこんとこは宜しく。
私自身は特定の銘柄を示唆するつもりは無いので、そういうものを期待している向きがあれば、ここはちょいと違ってくると思う。

長い前置きになったが、次回はまず私の公開できるギリギリのプロフィールを紹介するので、それを見て「小鬼って胡散臭い」と思われる向きは、早々に立ち去って下さい。
また何か質問があれば喜んでそれらに答えながら回を重ねていくことも考えているので、その辺は遠慮なくお願いします。

では、Good Luck!