地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

地球の裏から日本頑張れ!の応援BLOGです。
証券関係の話題について、証券マンとしての意見を述べていきます

村上ファンドと福井総裁問題に関して

2006-06-16 04:25:11 | ライブドア問題
日本出張後の体調不良にてアップが滞ってしまい申し訳ない。
病床(と言うのも大袈裟だが)に着いていた時に目にした福井総裁のニュースに関しては正直驚きを通り越して呆れた。
いや誤解されては困る、私は総裁はなんら間違ったことをしたとはどうしても思えない。むしろそう言った尻馬に乗るかの如くの野党のトップ連中のような政治家がこの世の中に存在することに対して呆れたのである。
あの日日経平均は物凄い勢いで下げたが、その理由は色々あろうが、特に外人連中がそのような政治家が実は日本に居る、という事に関しての大いなる失望がその大きな理由の一つと言っても過言ではなかろう。

その日、かなりの外人が色々なコメントを出していて、その大半をざっと読んだけれど、
「日本は実はEmerging Market(新興市場)である。その理由は、経済的基盤や法律よりも、政治家の一言に大きく左右される市場だからである」
「この場面での小泉総理の福井氏に対するレスキューが大いに期待される」
と概ねこのような感じであった。
もちろん政治家の発言にはどの国のマーケットもある程度は左右される。左右されるけれどそのされ方が何だかちっとも正しくないのだな。

『民主党の平野達男氏は、2月に解約を決めたタイミングをとらえて、「3月に量的緩和政策を解除する情報を知り得る立場での売り抜け行為ととらえられても仕様がない」と指摘。これに対し、福井総裁は「日銀の政策決定は合議制で、経済情勢を受けて決める。私が独裁で決めているわけではない。議事要旨をよく読んでもらいたい」と反論、「2月の段階では損益は確定していない。情報に基づく判断とは断ち切れている」と語気を強めた。』

この民主党のこの方の発言なんてのはほんと、お里が知れるって言われても仕方が無いわなぁ。ほんと議事要旨をよく読んでから発言しないと、単なる無知な集団と捉えられちゃうと思うな、民主党。

『民主党の大久保氏は「オリックスが拠出した当初資金の3億円が100億円になったと言われている。総裁が拠出した1000万円は現在、どの程度値上がりしているのか」と質問した。』

これだって非常に下種な質問と言わざるを得ないだろうって。
そんなことを知って、じゃあ仮にオリックスと同じように約30倍の3億円になってる、ってでも答えたらどう切り替えしたのでしょうな。それは利殖の範囲を超えている、とか言っちゃうんだろうな。

大体就任当初にはあっしもちょっとは期待した小沢氏がまずは事を大きくして、それに鳩山氏が乗っかって、それでもってこれを大きな問題にして自民党を揺さぶろうって考えなんだろうけれど、それにしてもこんな揺さぶり方は百害あって一利なし、の王道を行ってると思うな。

一体FUNDとは何ぞや?って事をご承知の向きがどれくらい居るのかね。
その辺の証券会社で売ってる、○○債券何チャラファンド、とか、xxグロース株ファンド、と村上ファンドの違いをきちんと説明して欲しいね。説明できる民主党議員が居るのか?
さらに、『何だか投資ってのはグレーなイメージね』と言う刷り込みが私は恐い。

FUNDすなわち投資信託ってのは、私が度々言っているように、日本の証券会社はきちんとこれを育ててこなかった、と言う歴史がある。それに対して諸外国では普通の人はまずはこのファンドを自分の資産運用に必ずと言っていいほど取り入れている、つまりファンドに対する個人の認識も違えばその各国の育て方もまるで違っている訳で、その点日本はほんとファンド後進国だと思ってきた。
それがこの所各証券会社のファンドがかなり頑張るようになって来て、この一つの理由ってのは、ファンドの格付け会社なんかが現れてきたってのが大きいと思う。
これによって、それまでは、証券会社のファンドを運用しているファンドマネージャーなんてのも所詮はサラリーマンよ、3年経てばどっか別の部署に異動になって、次の奴がその運用を引き継いで・・ってやってるからパフォーマンスだって大したこと無かった・・的な発想の転換を迫られてきたと考えてる。
つまり最近のファンドはパフォーマンスもあからさまだし、それによって集まるお金も違ってくるからかなり各社真剣に取り組んでいるのだね。

そうなってきて、ようやくある意味株式への直接投資には興味は無いけど、まあある程度安全でリスクも知れているならファンドでも・・・って思う向きも出てきた矢先の、これである。
それも何だか村上ファンドだけ、全く異次元の世界で募集されて、まるで運用主体は火星にでも居るような言われ方して、普通の人には全く縁の無い世界なのに中央銀行の総裁がそんな特権のようなものを振りかざしていいのか!的な言われ様は、それは普通の認識を持っている人は???となるわな、と私は思う。
たちが悪いのは、村上ファンドも普通のファンドも基本的構造は全く同じであるにも関わらず、ある時は一緒くたに、そしてある時は異次元対現世、って感じにTPOに合わせてマスコミに勝手に使い分けられちゃっているから、余計話がややこしくなって、結局上に書いた刷り込みが再び起こっている気がする、すなわち、
「やっぱりファンドってのはグレーなイメージなのよね」とね。。

ちなみに総裁は幾つか社外重役を勤められた会社の株式も持っているそうだが、何が悪い?自分が社外重役を務める会社の株を自らのリスクで持ち、自分がその会社のために一生懸命頑張って、そしてその会社の業績が上がってその株が上がれば自身の励みになるでしょうが。
それをオプションって形で行っているのが、いわゆるストックオプション制度でしょうが。まあこれも法改正で止めるところが相次いでいるらしいけど。
私はむしろ、総裁が全く関係ない株式を持っていた方がよっぽど問題だったと思うし、それがファンドであれば通常投資家はファンドマネージャーに「あの株を買え、この株を売れ」なんて指図は出来ない訳だから、それを持ってインサイダーであるだの、由々しき問題であるだの、って言う方が由々しき事だと思うけどね。

本当に民主党のトンチンカンな発言なり質問をされた諸氏は、穴があったら入ったほうが良いと思う。このレベルじゃとても自民に取って代わるなんて夢のまた夢だ、と。

「就任のときに慌ててやめなければいけない投資など、あるのだろうかと私は伺いたい」
と言う、与謝野金融相の発言には快哉を叫びましたね、久々に。