コナのシネマ・ホリデー

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もう一度、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を観て来ました。

2010年12月14日 | 派手だった映画

ぼくにとって、宇宙戦艦ヤマトとは、
毎週楽しみに見ていた最初のTVシリーズと、
劇場用作品として製作された『さらば宇宙戦艦ヤマト』で完結している作品。
それ以降のアニメ作品は、一度も見ませんでした。
『さらば~』を観たときに流した別れの涙を、そのとき感じた想いを、
大事にしまいこんで置きたかったからです。

その劇場用アニメ『さらば宇宙戦艦ヤマト』を、久しぶりに自宅で観た後、
改めて実写版の『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を、
もう一度劇場で観て来ました。


鑑賞日:2010年12月10日 (川崎)

前回は、極力ネタバレしないような感想にとどめたので、
今回は、少し具体的に。
(まだ、映画を観てない人は、ご注意を。)


まず、木村拓哉の古代進について。

復隊前の古代進は、髪はボサボサ、顔は薄汚れ、無精ひげを生やしていて、
それがとても生身の人間らしく見え、
実写版として「これは期待できるかも。」と、好感を持ったのですが・・・。

ところが、いざ戦闘班・班長として、
キレイさっぱり、スッキリとした顔でヤマトに乗り込んできたとたん、
TVで見慣れたSMAPの木村拓哉という印象に戻ってしまいました。
それが、とても残念でした。


黒木メイサの森雪について。

明らかにキャラ設定が変更になっている以上、アニメの森雪と比較しても仕方ないこと。
この作品における森雪として評価するなら、
まずまずといった印象でした。
黒木メイサの演技にも、
長い黒髪にも、均整の取れたプロポーションにも不満はありません。


柳葉敏郎の真田志郎について。

ヤマト出演のオファーが来た時点で、
“真田役は俺しかいない”と確信したという思い入れは、
半端ではなかったように思います。
真田に成り切ろうとし過ぎて、眉の濃さが途中で変化していたけれど、
それもヤマトへの愛情の表れとすれば、ご愛嬌。
よくぞ演じてくれましたと、感謝したいほどです。


山崎努の沖田艦長について。

アニメの沖田艦長が、
歴戦を潜り抜けてきた将軍のような存在感だとしたら、
山崎さんの沖田艦長は、
軍人というよりは、どこか長老的な存在感でした。
本作では、大いなる賭けに打って出るというオリジナルとは違う設定。
時折見せる茶目っ気も、その性格に合っていた様に感じ、
「それも有りだな。」と思いました。

ちなみに、ヤマトが発進と同時に波動砲を撃った後で、
防衛軍基地の通信パネルに沖田艦長が映る瞬間の演出、
あれは、良かったです。
アニメの沖田艦長が映し出されるのかと、錯覚しました。(笑)



伊武雅刀のデスラーについて。

あのヤマト艦内に現れるデスラーは、
伊武さんが声だけでなく、モーション・キャプチャーのスーツを着て演じていました。
そう思って見ると、「なるほど。」と感慨も一入でした。


アナライザーについて。

当初、アナライザーは登場しない予定だったとか。
スタッフのひとりが、
「アナライザーのいないヤマトなんて、ヤマトじゃない。」と、
言い張ったところ、「じゃ、君が担当!」と監督から任され、
そのスタッフが、ひとりでアナライザーのCGを作ったのだとか。
ぼくとしては、そのスタッフをハグしたいくらいです。
アナライザーのラスト・シーンには、
キムタク同様、ぼくも「アナライザー!!」と心の中で叫んでいました。


そのほかの登場人物について。

島役の緒方直人:程よい地味さが、バツグンでした。
斉藤役の池内博之:たくましい役柄を演じようとした努力は買い。
相原役のマイコ:性別の変更で、本来の森雪的な立場になってました

古代守役の堤真一:『十三人の刺客』同様、冒頭で死ぬも、
              しっかりと印象を残す辺りはさすが。
佐渡役の高島礼子:高島さんに問題ありませんが、脚本に矛盾あり。
藤堂役の橋爪功:イメージ通りでした。
徳川役の西田敏行:見た目は違うのに、紛れもなく徳川機関長でした。
そのほかの若い乗組員:戦艦の乗員というよりサークル仲間。残念。
みーくん:おとなしくて、可愛かった。



山崎監督について。

VFXの演出は、素晴らしい。
MAYAからMAXへ、ギリギリでのソフト変更の決断は、結果的に大成功だったのでは。
「みんなギターを使って作曲していたれど、どうしても納得いかず、
 土壇場で全員がピアノを習い始めて、なんとか作曲したようなもの。」
という裏話でしたが、見事な仕上がりだと思いました。
ヤマト発進のシーンなど、充分心が震えました。

ただ、情緒にかけすぎた演出が気になる箇所も・・・。


ストーリーについて。

TVシリーズのダイジェスト版ともいうべき劇場用『宇宙戦艦ヤマト』をベースに、
オリジナル劇場作品として制作された『さらば宇宙戦艦ヤマト』の見せ場を、うまく差し込んだなという印象でした。
山崎監督のもとに来た段階では、まったく別のストーリーとなっていたらしいですが、
よくぞオリジナルに引き戻してくれたという気がします。
できれば、『レッドクリフ』のような前後編に分けて公開して欲しかったですけど。
そうすれば、人物描写も、もう少し丁寧に描けただろうし、
名セリフの説得力も増したような気がします。
カットされたVFXも、もっと沢山見られただろうし。

ラストの子供のシーンについては、それほど抵抗はありませんでした。
斬新ではないけれど、
世界に通じる一番分かりやすいメッセージだと思えたからです。



子供のころ、何の疑問も抱かず夢中になった『宇宙戦艦ヤマト』も、
大人になって見ると、つっこみどころ満載。
あれこれ、そこかしこと、詰めの甘さも多々ありました。

その意味では、この『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の詰めの甘さもまた、
オリジナルへのオマージュだと、ぼくは思うことにしました。(笑)


大事なことは、
「宇宙戦艦ヤマト」には、愛と正義とロマンがあったということ。
では、この『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は、どうか?
ぼくは、紛れもなくヤマト作品だと思いました。

さらに、ヤマトが好きで、映画が好きなぼくが感じたロマンは、
この作品をきっかけに、
日本でもスケールの大きなSFエンターテインメント映画が、
どんどん製作されるようになること。
そして、いつかハリウッドを越え、
世界中が唸るような素晴らしいSF映画が、
日本から生まれることを、期待したいのです。

「はじまりは、宇宙戦艦ヤマトだった!」
と。




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