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『凶悪』(R15+) 吐きそうなほど、深い闇をみた。

2013年10月10日 | 怖かった映画

(R15+)
2013年・日本(128分)
               
製作:鳥羽乾二郎、十二村幹男
監督&脚本: 白石和彌  
音楽:安川午朗
出演:山田孝之、ピエール瀧、池脇千鶴、リリー・フランキー、
   白川和子、吉村実子、小林且弥、斉藤悠、米村亮太朗、松岡依都美
   ジジ・ぶぅ、村岡希美、外波山文明、廣末哲万、九十九一、原扶貴子 ほか


鑑賞日:2013年10月8日 (川崎)

複数の事件の裏で、
「先生」と呼ばれる人物が全てに絡んでいたというストーリーに興味を持っていたことと、
山田孝之くん自らが、演技プランを間違えたとTV番組で語っていたのが面白かったので、
鑑賞してみることに。

が、この作品に対する心の準備が無防備過ぎました。
とんでもなく凶悪なものを突きつけられてしまいました。


<ストーリー>
ある死刑囚から届いた手紙に興味を持ったジャーナリストの藤井は、
刑務所を訪れる。
面会に現れた死刑囚・須藤の話の内容は、自らの余罪を告白すると同時に、
全ての事件の首謀者は先生と呼ばれていた男であり、
その男を告発するというものだった。

今となってはニュース・バリューが無いからと、上司から取材は止められるが、

藤井は忠告を無視して独自に事件にのめり込み始めるが・・・。

「 ぞわっ!

  ぞわ、ぞわっ!!

  ぞわぞわぞわぞわ!!!

  ぞわわ、ぞわわ、ぞわわわわわわわぁぁあぁあああああああ!!

 これ、ホラー映画じゃなかったはずだよね?
 この作品、スプラッターでもなかったはずだよね?
 嫌な事件だなぁ。
 深すぎるなぁ、この闇は・・・。

 ああ、なんだか、日本で老後を迎えるのヤダなぁ。」

 って思いながら、スクリーンを見つめてました。


とにかく、
この作品で描かれた事件に関わっている人々の精神状態が、あまりに気持ち悪く、
鑑賞の途中から吐きそうになるくらいだった。

これが作り話なら、「悪趣味な映画だなぁ」と切り捨てることもできたのだが、
実際に、この国で起きた事件であるということと、
もっと深いテーマがあるに違いないと信じ、
退席したい気持ちをぐっとこらえ、結局、128分間、最後まで鑑賞してしまいました。

それにしても、出演者たちの怪演ぶりが真に迫り過ぎていて、
鑑賞しているこちらまでダークサイドに心を持っていかれそうだったので、
途中からは、
「本当は『あまちゃん』にも出演して寿司握ってたんだよなぁ・・・」とか、
「本当は『東京タワー ~オカンとボクと、時々オトン~』を書いた人なんだよなぁ・・・」とか、
「TBSドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』は、毎週涙したなぁ・・・」とか、
「同棲がばれるまでは、清純派だったようなぁ・・・」とか、
出来る限り、凶悪とは無縁のイメージを思い出しながら、
観てました。

そして、観終わった後、
どう受け止めていいものやら、困惑してしまったのも事実。
いや、悪い意味ではなく、凄過ぎてですよ。


なんと、この作品は、
事件に関わった者たちのみならず、
埋もれていた事件を暴いたジャーナリストの闇まで、指摘するのだから


まったく恐ろしい作品です。


山田孝之の怪演度:★★★★★★★★★★★★
ピエール瀧のぶっこみ度:★★★★★★★★★★★★★★
リリー・フランキーの俳優度:★★★★★★★★★★★★★★★
白石監督の凶悪度:★★★★★★★★★★★★
心の闇の深さ度:★★★★★★★★★★★★★★★★★

鑑賞後の総合評価:★★★★

                  


ところで、
この作品を観たあとで『そして父になる』を観るつもりなんだけど、
リリー・フランキーが演じる父親を、素直に見られるだろうか?
とっても不安だ。



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