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『マーサ、あるいはマーシー・メイ』 洗脳から脱け出せない怖さ

2013年04月27日 | 怖かった映画

原題:MARTHA MARCY MAY MARLENE(PG12)
2011年・アメリカ(102分)

製作:ジョシュ・モンド、アントニオ・カンポス
監督&脚本:ショーン・ダーキン
出演:エリザベス・オルセン、ジョン・ホークス、サラ・ポールソン ほか


鑑賞日:2013年3月9日 (新宿)

『世界にひとつのプレイブック』に出演していたロバート・デ・ニーロつながりで、
『レッド・ライト』を鑑賞。
さらに『レッド・ライト』に出演していたエリザベス・オルセンつながりで、
本作『マーサ、あるいはマーシー・メイ』を鑑賞してみることに。

カルト集団による洗脳後の怖さをリアルに描いた作品だが、
果たして・・・。


<ストーリー>
夏のある朝、20歳のマーサは山の上の農場から脱走した。
2年前、母親が亡くなり孤独感にさいなまれていた彼女は、
親しくなった女の子に誘われ農場での共同生活に身を投じた。
カルト集団だとは気付かずに・・・。
マーシー・メイという新しい名前を付けられ、
家族のように暮らす生活に、最初のうちは心の安らぎも感じていた。

だが・・・、2年が経ち、
突如彼女は脱走し
、連絡を絶っていた姉に助けを求めた。

姉夫婦が暮らす湖畔の別荘に身を寄せ、マーサとしての人生を取り戻そうとするが、
頭の中で
は、カルト集団での生活の記憶が幻影のようによみがえる。
自給自足の日々、リーダーから捧げられた歌、
そして“浄め”の儀式・・・
洗脳された
マーシー・メイとしての記憶が、
マーサの現実世界を再び侵しはじめる……。

心に傷を負った人間を見定め、言葉巧みに近寄り、
心を通わせながら次第に誘導していく。

自分を理解してくれているという信頼感、
精神的な居心地良さや、充足感を得ていたなら、
逃げ出せないというよりも、自ら脱け出そうとは思わないのだろう。

さらに集団生活の中で役割を与えられると、
その使命感や達成感にも満たされるのだろう。

だが、本作では、
マーシー・メイとなっても、
マーサの心は最後の一線で踏みとどまり、犯罪に手を染めることに抵抗を覚えた。
だからこそ、カルトの集団生活から逃げ出すことを決心した。

けれど、
2年間の生活で
染み付いた記憶は、麻薬の様にマーサを蝕む。
逃げ出せたけれど、集団生活の記憶がフラッシュバックのように甦り、
現実と記憶の境界が次第にあいまいになる。

洗脳の恐ろしさは、
強制されるからではなく、
自からそれを受け入れ、無意識のうちに刷り込まれてしまっている点にある気がした。
だからこそ、解けるまで時間がかかるのだろう。
いや、解けるということではなく、
そこから抜け出し向かうべき場所が分からないのだろう。
どちらも自分自身なのだから。

主役を演じたエリザベス・オルセンは、
懐かしいTVドラマ『フルハウス』の末娘ミシェルを演じていた双子アシュレイとメアリーの妹だということを、
今回知った。
しかも、本作で映画デビュー。
若手女優の中でも、なかなかの演技力。
『レッド・ライト』に続いて本作を鑑賞してみたが、
今後の出演作も期待がもてそうだ。

カルト集団のリーダー役は、
『ウィンターズ・ボーン』で助演男優賞にノミネートされていたジョン・ホークス。
今回も捕えどころのない怖さをもったキャラクターをうまく演じていた。

エリザベス・オルセンに期待度:★★★★★★★★★★
ジョン・ホークスの演技度:★★★★★★★★★
洗脳の怖さ度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

鑑賞後の総合評価:★★★☆

作品自体は地味だが、いろ~んな意味で鑑賞の価値あり。

  

 



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2 コメント

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はじめまして、初コメントです! (めぐみ)
2013-05-21 23:53:21
はじめまして!めぐみっていいます、他人のブログにいきなりコメントするの始めてで緊張していまっす(⌒∇⌒)。ちょくちょく見にきてるのでまたコメントしにきますね(*・・*)ポッ

返信する
ありがとうございます (コナ)
2013-05-24 00:16:19
めぐみさん、初コメントありがとうございます。m(_ _)m
なかなか更新してないので恐縮ですが、良かったら、これからも見に来てくださいね。
返信する

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