雪

久しぶりに畑のお手入れをしようと、
着ていた防寒服の上からさらに
ぶかぶかズボンと
だぶだぶシャカシャカと
軍手を装備。

竹箒ではいたり、
鍬で草の根を起こしたり。

本当は枯葉集めがしたかったのだけど、
そんなことを考えてたら
雪がちらほら降ってきて。

そのうち
肩にかかる雪がサクサクと音をたて始め、
大粒の雪に変わってきた。

私は土の上に突っ立って、
見上げているだけなものだから、
本当は雪が空から落ちてきてるのに、
そのうち
私の体が空へ上っていってるような
感覚におそわれて、

え～
みなさま、
左手に見えますのが
か細い大根で有名な
のら畑でございます。
なんてアナウンスが聞こえてきそうな、
それは
エレベーターとか
ロープウエイとか、
そんな感じなのだけど、
いやいやそんな味気ないことを言ってはいけない。

まるで天にも昇って行くような、
そんなことを真剣に思ってしまうほど、
雪の舞うひとときっていうのは
日常を忘れさせる。

たった一時間足らず、
ぶくぶく厚着して
冴えない野菜が植わっている
畑でぼけっとしてるだけ。

なんだけど
心の中は忙しくて、
やはり自然の姿は奥深し。