東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

Nikon D3200 初撮り

2012年05月30日 | トンボ
昆虫撮影をはじめようと思い、初めて手にしたのがNikon D80。今までかなり荒々しく使用してきたが全く故障もなく5年を迎えた。そろそろ機種変更をと検討していた最中、各カメラメーカーから新機種が発表されたのをきっかけに、D80と同クラスあたりを購入しようかと考えた。そこで視野に入った機種は巷で噂のOLYMPUSマイクロフォーサーズシステム 防塵防滴機能を搭載したOM-D OM-5。そして、NikonからEXPEED3と言う新しいセンサーを搭載しエントリークラスでありながら2400万画という驚きの高画素であるD3200。どちらも魅力的なカメラ。色々調べてみるとアマチュアからプロのネイチャーカメラマンの方はOM-D OM-5を高く評価されていたのでそれについついつられてしまい物凄く迷った。しかし、OM-5を購入する事によりカメラ本体以外にマイクロフォーサーズマウントのレンズも購入しなくてはない。そうなると多額な出費が嵩んでしまう為、それを避けて今まで購入したレンズもそのまま使用できるD3200を選択した。D3200はOM-5のように防塵防滴機能は搭載されていない機種であるが、僕の使用例としてカメラを片手に持ちながら朝露で濡れた草中を藪漕ぎしたり、トンボを撮影するために水面ギリギリにカメラを構えたりと使用場所の殆どが多湿な場所。時には不意にレンズや本体にも多少、水や泥を浴びせてしまう事もある。そういった環境下の中で防塵防滴機ではないD80を今まで使用してきたが故障もストレスをも全く感じた事がない。その信頼度から購入に至った。

早速、D3200を持ち出しフィールドで旬のトンボを実写テスト。

アオイトトンボ ♂(羽化直後)

D3200+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

オジロサナエ ♂(羽化)

D3200+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

オオイトトンボ(♂)

D3200+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

モートンイトトンボ ♀(未成熟個体)

D3200+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

河川中流域

D3200+AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-5.6G ED

ダビドサナエ(♂)

D3200+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye

八方君に採集されたコヤマトンボ(♂)

D3200+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye
飛翔撮影したかったのに...


マクロに広角にと全く文句なしの高画質。ただひとつ残念なのは液晶モニターの正確さに欠けていた事。液晶モニターでは露出も明るくシロ飛びが目立ち、尚且つ彩度の濃い画像表示に感じたので、カメラ本体機能にある露出補正をアンダーにし、撮影メニュー、ピクチャーコントロールの彩度をマイナス1に設定して撮影した。そして、帰宅後いざPCに取り込んで撮影した画像を見るとアンダーで彩度の薄い画に。。。これは僕が使用しているD700,D300s,D80の3機種では全く感じられなかった事。この辺りは今までのNikon機とは勝手が違うよである。しかし、液晶モニターを確認しながら撮り消しが出来るのも売りであるデジタルカメラとしては致命的な部分ではないだろうか。エントリークラスなので仕方が無いのか。この現象をアップデートで改善できるのならばそうして欲しく、なければそれを想定してのカメラ設定にするしかない。今回は初撮りと言う事もあり、D3200の実力を見出せていないが、この先、自分好みの設定を探りつつ画像をUPして行きますので、ご購入を検討されている方やNikonユーザーの方は楽しみにしていて下さい。

今回UPした画像はCaptuer NX 2を用いて画像調整を行い、最低圧縮(最高画質)ICCプロファイルを埋め込んである画像です。ご参考までに。


撮影日:5月26日

撮影地:東京都多摩西部

四畳半の池

2012年05月29日 | トンボ
他に狙っていたトンボが出ずイマイチな雰囲気であった為、午後を過ぎたあたりで都内に戻り、先日、アジアイトトンボの羽化を観察した場所へと訪れた。そろそろ成熟して生殖活動を行っている頃であろうと各池を覗き込む。すると...

アジアイトトンボ(交尾)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

案の定グッドタイミング。ペアリングをいつ解くのかと観察を続けたものの、1時間が経過したところで別のメスが産卵に入ってきた為、そちらにシフトして撮影開始。

アジアイトトンボ ♀(産卵)

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

同個体

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
水面に写る姿を意識して撮影した。

アオモンイトトンボ ♀(産卵)

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

あれ、少し大きい違うヤツが来たと思ったらアオモンイトトンボも産加。
都内では両種とも植生豊かな平地の池に多く生息し、里山のため池や丘陵地の池では見かけた事がない。
産卵する植物は場所によって異なるが、この池では枯れガマの組織内に産卵している。

実はこの池、四畳半ほどの大きさしかなく、池というよりむしろ水溜り。真夏、真冬には水が涸れてしまう時があるものの、イトトンボからヤンマまでの多種類が何故かこぞってやって来るのでトンボ達にはお気に入りのようだ。

春型のアジアイトトンボはクロイトトンボやアオモンイトトンボが出現する頃には姿を消してしまうといったイメージが強かったものの、今年、この場所では以外にも長く豊富に賑わいを見せていた。
帰り際にあのペアを再び見ると、まだリングの状態であった。けっこう長いな。

撮影日:5月20日

撮影地:東京都区内

睡蓮がお似合い

2012年05月28日 | トンボ
高校生の時に一度訪れた事があり、以前から気になっていたお隣の神奈川県にある池へと訪れた。
到着して池を見回すとイトトンボの姿が無数に確認できたので早速撮影する事に。

クロイトトンボ(♂)

D300s+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

よ!と右手を上げて歓迎してくれたクロイトトンボ。都内では平地から丘陵地の池、河川にそのワンドと分布域は広く、ある程度の植生がある水域であれば何処にでもいるイメージの強いイトトンボ。発生時期は生息地により一定では無いものの春から夏に多く見られる。

ムスジイトトンボ(♂)

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

惚れ惚れする程にブルーの体色が素晴らしく美しいイトトンボ。都内ではクロイトトンボの勢力に押され気味か、生息する池はそれほど多くなく、いずれも平地。僕の知る区内の池では春に発生せず、秋のみ発生する池もある。両種とも浮遊植物上に静止し、テリトリーを張る習性を持ち、特にこうして睡蓮に静止する姿は写真映えし僕好み。

ムスジイトトンボとクロイトトンボ(どちらも♂)

D300s+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

何時もならここで15mmの魚眼レンズを用いて広角撮影するところだが、イトトンボクラスの小さな被写体になると、15mmの魚眼レンズではDX機に装着しても目一杯寄って最短距離での撮影となる。しかし、そうする事により太陽と被写体の位置によってはフードの影が落ちてしまうといったデメリットがある為、イトトンボクラスの小さな被写体には不向き。
そこで装着したのがAF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G。VR Micro-Nikkor 105mmと同等の大きさに撮影するには被写体に更に接近しなくてはならなく、逃げられると言うデメリットはあるが、逃げられたもまた再び戻って来るといったトンボの習性を利用すれば撮影は可能。

正面から

D300s+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

こちらはF16まで絞り込んだ画像。

D300s+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

被写体の背景がスッキリとしていたので被写体から少し離れ、絞り込み、被写体周辺の空間も表現するといった楽しみ方もできる。40mmや105mmといった焦点距離の違ったマクロレンズを使い分けて撮影するのもまた楽しい。

曇り空の為か、残念ながらメスやペアの姿は観られず、交尾、産卵シーンはまたの機会となった。

コシアキトンボの摂食飛翔

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

高校生時に訪れた時よりも見違えるほどに池の環境が良くなっていたのでまた何時か訪れたい。


撮影日:5月20日

撮影地:神奈川県東部

湿地を望む黄金色

2012年05月23日 | トンボ
ヨツボシトンボ ♂

D300s+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye

ほんの一瞬だけ見せてくれるホバリングやタンデム飛翔など魅力的なシーンを楽しませてくれるヨツボシトンボ。
しかし、日が良くなかったのか個体数が少なく、ポツリと観られる程度であった。残念ながら目的のシーンも無く、大人しくポツリと静止していた個体は嬉しくも一度だけ接写を許してくれた。


D700+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D

生息環境から観ると植生豊かで底が見える程の水深の浅い水域での目撃が多く、いずれも都下。
しかし、今年は嬉しくも東京都区内の池でもテリトリーを張るオス数頭の姿が確認できた。定着してくれれば嬉しいけど...

撮影日:5月19日

撮影地:東京都多摩西部

春ヤンマ

2012年05月22日 | トンボ
シオヤトンボのメスが現れるのを待ちつつもカメラを別のトンボへと向けた。

クロスジギンヤンマ(♂)縄張り飛翔

D700+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D

縄張り飛翔中、希に見せるホバリングに撮影意欲を掻き立てられる春ヤンマ。春だけに出現するヤンマと思われていたのだが都内では秋にも目撃例が多く、僕自身も昨年秋に産卵するメスを確認している為、年2化発生している可能性が高い。

クロスジギンヤンマ(♀)産卵

D700+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D

子供の頃、近所のお寺の敷地内に緑林に囲まれた植生豊かな池があり、アメリカザリガニやフナを釣りによく通っていた。
その池に数多く群がるヤンマの姿があった。初見はギンヤンマだろうと思っていたのだが季節は春。ギンヤンマは夏季というイメージが強くあり、ギンヤンマにしては早過ぎる出現ではないかと思い、飛翔する姿をじっくり観察するとギンヤンマより小ぶりで黒っぽく見えた。これは、もしかすると違う種類のヤンマではなかろうかと捕獲し、図鑑で調べるとクロスジギンヤンマである事が判明。その時、初めてめてクロスジギンヤンマの存在を知ったのである。
今から30年前の話しだが、オスが持つブルーの複眼と腹部斑紋の美しさは今も変わず健在である。

撮影日:5月19日

撮影地:東京都多摩西部