サンジの体調が一段落したのも束の間、ルフィの周りにはまた新たな人が集まってきます。
今の内だ、船に乗り込め!!
そう言って走る男達。誰なんでしょう・・・。ここは魚人街「ノア」。
静カニ!! 静カニだ!!
全員オールを持て!! 出航!!!
よっしゃあ、奴らに見つからずに出て来れたぞ!!
急げ!! 急げ!!! ―もう魚人島へはよるまい。メーマイドカフェは諦めろ!!
え～～～～っ!?
船首がザリガニの船に乗っています。逃げていたのは海賊のようです。
急いで“赤い土の大陸”を抜けろ!!
この船の船長はため息まじりに言います。
―まったく散々だぜ。海中で居眠り中のクラーケンの脅威から逃れたと思えば、
海底一万ｍ、あれだけの数の海獣達に囲まれ応戦の術なし。魚人共の傘下に下るか死ぬかだと!?
一旦は傘下に入る他選択肢がねェじゃねェか!!
そう言うのは南の海出身海賊“蟹手のジャイロ”懸賞金7千300万です。左手が蟹の手になってます。
クルーの一人が、
憧れのマーメイドカフェ・・・
と泣きますがジャイロは、
泣いてねェで行くぞ、お前ら!! 命があっただけラッキーちんだ!!!
そしてこちらはある部屋の中・・・。
――逃げた？
ええ、お頭!!
また逃げたのドスンか・・・懲りんのドスンなァ・・・!! ≪ 新魚人海賊団幹部 ドスン（シュモクザメの魚人） ≫
人間はよく逃げる。 ≪ 新魚人海賊団幹部 ゼオ（オオセサメの魚人） ≫
肉を食い千切ってやろうか!! キャッキャッ!! ≪ 新魚人海賊団幹部 ダルマ（ダルマザメの魚人） ≫
いいさ・・・ジャハハハハ!! ―また“見せしめ”に使える・・・!!
≪ 新魚人海賊団船長 ホーディ・ジョーンズ（ホオジロザメの魚人） ≫
ムッヒッヒ!! では私が一発行って来まっヒ!! ≪ 新魚人海賊団幹部 イカロス・ムッヒ（ダイオウイカの魚人） ≫
さすが幹部らしく、どいつもこいつもイカツイ顔をしています。船長はホオジロザメとは、アーロンより上じゃないですかぁ！
そしてホーディの腕にはアーロンの頃の魚人海賊団の入れ墨が残っています。
自分が行こうか、と申し出るイカロスにホーディは、
お前はいい!! イカロス。
ムッヒ!! 了解!!
おれが行く・・・!!
え!?
そう言うとホーディは山盛りになっているカプセルを数個口に放り込みます。
シャボンを用意しとけ。
ダルマが言います。
だあっ!! またそんなに一気に飲んでよォ!! 凶薬を!
カプセルを飲み込んだホーディの体が大きくなっていきます。腕の筋肉も盛り上がり目は血走っていっています。
ハハハハ・・・ ドクン・・・ドクン・・・
さてパッパグの家に着いた麦わら一行。
さァ、着いたぞ!!
すると、
お帰りなさいませ、ご主人様!!
ここがおれんちだァ!!
でっけ～～!!
まァ！ムッシュパッパグよ！ すご～い、本物!?
パッパグは高笑いしながら自慢げに言います。
ウッホホホイ驚いたか!! お前達っ、海へ出ればおれはただのオシャレヒトデだが、
魚人島では“クリミナルブランド社”社長兼超人気セレブデザイナーなのだ!!
今やそのデザインは世界中の・・・店舗を構え!! かのドスコイパンダにも・・・しく・・・しく・・・
自慢げに説明をするパッパグのそばでは、だれもパッパグの話なんぞ聞かずに・・・
あっち見ろ、アレは何だ!?
1階は「クリミナル」のお店なの！誰か騒いでいるね！
店の中からは誰かが大きな声で文句を言っています。
だからァ!! この店高すぎじゃない!? そりゃ服はカワイイけど!!
ウソップも、
クレーマーかな？
と言いながら店の中をのぞきます。一行が店に入るとそこには・・・
じゃ、１万ベリーにしなさいよー!!
というナミ!! 店員は、
そんな殺生な、お客さん半額以下じゃないですか!!
おーい、ナミ～～!!
あいつか、クレーマーは・・・
あ！ナミちんだ～～!!
え・・・ルフィ・・・!! あ～～!! ケイミー～～!!
店員は、
はーっ!! ムッシュパッパグ!! いい所に!! 少々・・・困ったお客様が・・・
ナミはパッパグのほっぺをつねりながら、
ちょっとここ、あんたのお店なんだって？何よこの値段、ボッたくり!?
いや・・・ブランド価格といか・・・おれ人気デザイナーだから・・・
まけてよ！
いやいやおめー・・・
ムッシュ～～！
パッパグは、
水くせェ事言うな！おめェらには２年前の大恩がある、何でもタダだ、好きなだけ持ってけ!!
タダ!? ほんと～～!?
ナミの目がキラキラと輝きます！ ケイミーが、
よかったね、みんな！
ばーん!!
そこには全員が巨大な袋を背負っています・・・！
ムッシュ・・・お店空っぽです!!
手加減ナシだな!!
ルフィまでが袋背負ってますからねぇ、どんな服選んだんだろう？？もしかして手当たり次第!? するとブルックが、
アレ!? 何でしょう、店の外が騒がしいですね。
外では、
あの方よー!! あの方が～～！
もう一人の店員が飛び込んできます。
ムッシュ～～!! 大変です!!
どうした!!
何かが起きます!!
何かでわかるか、何の話だ!!
だ・・・だって見て下さい、上空に・・・!!
上を見ると何かがフワフワと浮いています。みんな歓声を上げながら上を見上げていますよ！
竜宮城からあの方が！
ルフィも店の外で空を見上げ、
何だアレ、くじら？
上からは、「じゃーもん♪ じゃーもん♪ じゃーもん♪」と歌が聞こえていますね。それを聞いたパッパグは・・・
あァ～～～～～っ!!!
と驚愕の表情・・・!! ケイミーまでが真っ青です！
あの方がなぜこの下海へ!? は・・・初めて生で見た!!
集まった人たちもどよめいていますよ・・・！
どういう事なの!? 軍隊も連れずたった一人で!?
国の一大事～～!?
まさか大海賊が島に侵入してきたのか!?
島が戦場に!!
こんな事あり得ない!! とにかく大問題だ!! 避難しろ～～!!
ルフィも訳ｒが分からず口をあんぐりと開けたままです。
ほっほっほっほっ。
そう言いながら、大きなクジラに乗った大きな人物が降りてきます・・・！
ネ～プ～チュ～～ン!!
現れたのは、リュウグウ王国国王、海神ネプチューン（シーラカンスの人魚）です。国王はシーラカンスですか！おまけに人魚！
ヒゲモジャでサンタクロースみたいです。手には鉾を携え、乗っているのは「愛鯨ホエ」です。（ラブーンより可愛くはない（笑））
大きな包みを背負ったままのルフィ一行・・・
ウソップ 「 ・・・でっけー男の人魚だ、こりゃ。 」
ブルック 「 女性がいいですよねー、人魚は。 」
ルフィ 「 けったいなもじゃもじゃのおっさんだなー！」
ナミ 「 くじらかわいいっ！ 」
冷静にネプチューンを観察するルフィ達と正反対に、パッパグは慌てふためきます！
失敬だぞ、お前らァ！平伏せェ!!!
周りの住民もざわざわしています。
・・・あの人間に用か・・・？
ホエ～ル!! と鳴くホエ、上からはサメがフワフワと降りてきました。ネプチューンは、
おい、メガロ、この者で間違いないんじゃもんな？
ナミは、
あれ？あのサメ、海中で見たわよね・・・
ネプチューンが言います。
おい!! “麦わら”の人間達っ!! おぬしらを竜宮城へ招待するんじゃもん!!
ルフィ達は「はぁ？」ってな反応ですが、パッパグとケイミーの驚きようは尋常ではありません！
りゅりゅ・・・りゅ・・・!! 竜宮城～～～～～!!?
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