映画「オッペンハイマー」を観ました。本年度のアカデミー賞最多7部門を受賞しました、作品賞・監督賞
(クリストファー・ノーラン)・主演男優賞(キリアン・マーフィー)・助演男優賞(ロバート・ダウニーJ
r)・撮影賞・編集賞・作曲賞です。
第二次大戦下の原爆開発製造に中心となった物理学者のオッペンハイマーのマンハッタン計画に伴い苦悩す
る実話に基づき描いた作品です。とても考えさせられる作品となります、登場人物が多数であり誰が誰なのか
やセリフが多くスーパーを読み内容を理解するのが難しく、カット割りも多く上映時間が3時間と長いので高
齢者には疲れてしまう。原爆の開発に係わる過去と広聴会との繰り替えしが多いのも苦労しました、そもそも
オッペンハイマーが何故質問責めにあうか判りませんでした。鑑賞後のプログラムを読みオッペンハイマーが
ソ連のスパイと疑われたり、冷戦を背景に赤狩りがあり共産党員なのかどうなのかとの公聴会での調べである
と判りました。事前にオッペンハイマーはどういう人物かやマンハッタン計画はどういう計画なのか等の知識
で確認する事が映画を理解する上で必要かと思います。
原爆の開発・製造はニューメキシコ州ノロスアラモス研究所で進められ、1945年7月16日にプムルト
ニウム原料とする最初の原爆が完成する。この時のシーンがあります、とてつもなく大きな爆発で観ていて圧
倒されます。これが広島と長崎に投下されたのですから・・・。もしナチスが米国よりも先に原爆の開発を成
し遂げていたらナチスが戦争に勝利していたかもしれないとあります。ヒトラーは1945年4月30日に自
殺しました、ドイツを壊滅する為に急いだ原爆は無駄になり何処へ投下するべきか、ドイツへの原爆投下を何
故日本に切り替えたのかのシーンがあります。「原爆投下後、オッペンハイマーがフィルム映像を見るシーン
そこでは広島、長崎での実際の被害の様子が映し出されることはなく、映画はあくまで彼の苦悩にフォーカス
していく。オッペンハイマーは映像から目を背け、頑なに見ようとはしない。見ようとしないオッペンハイマ
ーの姿は、ある意味見ようとしなかったアメリカの姿であり「その後」を見ようとしなかった世界を暗示して
いるようでもあった」プログラムより引用。
映画「オッペハイマー」は映画人いえ、日本人としても劇場にて観るべき作品です。考えて頂きたいです。
「オッペンハイマー」のプログラム。