神戸大学メディア研ウェブログ

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2022年神戸大学10大ニュース コロナ禍前の生活が戻り始める

2022-12-31 23:06:22 | ニュース
 神戸大ニュースネット委員会は、神戸大に関連する2022年の出来事の中から10大ニュースを記者の投票で選んだ。不審火やゴメスの死など、悲しいニュースが上位だったが、3年ぶりに対面開催されたイベントも多く、コロナ禍前の学生生活が戻ってきていることを感じさせるニュースも多数あった。<塚本光>

【2022年神戸大学10大ニュース】
1位 神戸大で不審火相次ぐ 今年に入って6件(6月15日)
2位 神戸大の看板猫ゴメス 苦しまずに息を引き取る(8月9日)
3位 3年ぶり対面での六甲祭開催(11月12日)
4位 神戸大 多様な性・ジェンダーに関するガイドラインを発表(9月29日)
5位 1月から大学生協アプリに移行 12月中にダウンロードと登録を(12月2日)
6位 コロナ禍の教育と学生生活(3月)
7位 伝統の三商戦 3年ぶり開催(8月23日)
8位 神戸大120周年記念式典 山中伸弥さんなど講演(12月25日)
9位 3年ぶり対面の七夕祭 1300人来場で大盛況(7月10日)
10位 深江丸が離岸 多機能練習船「海神丸」が入港(3月15日)

【1位】神戸大で不審火相次ぐ 今年に入って6件

 6月14日(火)未明、六甲台第2キャンパスの理学部研究科で、設置してあったゴミ箱が燃える不審火があった。火は、発見した院生らによって消し止められた。けが人はいなかったが、真上にある藤棚の一部が焼ける被害があった。現在、警察や消防が原因を調べている。神戸大では今年に入って不審火が相次いでおり、これで6件目。


(写真:燃えて溶けたゴミ箱と、その真上にある藤棚。藤棚の一部が焼け、色が変わっている(左側)のが分かる。)

https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/875286ce5cf4fd71be1839d491881c02

【2位】神戸大の看板猫ゴメス 苦しまずに息を引き取る

 8月9日午前10時頃、神戸大の看板猫ゴメスが天国へ旅立った。人間ではおよそ96歳に相当する20歳前後だった。ゴメスは学生会館周辺で暮らし、長い間学生や教職員に愛されていた。8月中旬からは、骨壺が学生会館下のベンチに置かれ、学生たちがお参りした。


(写真:学生会館で。2022年2月18日撮影)

https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/a67261970bc680e7ba6b4633a1211578

【3位】3年ぶり対面での六甲祭開催

 11月12日、13日、神戸大六甲台第1キャンパスで第43回六甲祭が行われた。対面での開催は3年ぶり。課外活動団体による模擬店や学舎内出展、ステージ発表のほか、12日は、元宝塚トップスター紫吹淳さんの講演や、巨大迷路などの企画があった。13日には吉本興業所属の芸人によるお笑いライブなどが行われた。4月には新歓祭も3年ぶりに行われ、約160団体が出展し、賑わいを見せていた。


(写真:入場列に並ぶ学生。2022年11月12日9時半ごろ、正門前で)

https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/5ae6c11932c5e2f2f48dd5dcd69ba10f

【4位】神戸大 多様な性・ジェンダーに関するガイドラインを発表

 9月27日、神戸大サイトで「神戸大学における多様な性・ジェンダーに関する基本方針とガイドライン」が公開された。ガイドラインでは、通称名使用の方法や、同意なしに他人の特性を勝手に言いふらす、アウティング行為の禁止について示されている。


(写真:神戸大サイトのスクリーンショット)

https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/80974a3a92e6a1abbdc447c09bad8b0e

【5位】1月から大学生協アプリに移行 12月中にダウンロードと登録を

 2023年1月から、神戸大生協の決済方法が生協ICカードから大学生協アプリに切り替わる。生協電子マネーの残高やポイントなどは、すべて年末から年始にかけて移行するため、年内の最終営業日までは、これまで通り生協ICカードを利用することができる。神戸大生協は、12月中にスマホアプリ「大学生協アプリ(公式)」のダウンロードと会員登録をするよう呼びかけている。


(写真:アプリ決済への移行に伴い、年内で利用できなくなる生協ICカード。画像は一部加工しています。2022年11月25日午後、六甲台第2キャンパスLANS BOX店で撮影。)

https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/0d347bb9e536858864fa7144034205e9

【6位】コロナ禍の教育と学生生活

 新型コロナウイルスの発生から約2年、オンライン授業中心の大学生活を学生はどう感じているのか。また、大学教員はコロナ禍での学生生活や教育の在り方をどのように捉えているのか。学生へのアンケートや大学教員への取材を行うことで、学生と教員の意識の違いや、よりよい大学教育、学生生活の在り方が見えてきた。 

https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/8be6ed21c39b9487113e39879034eed4

【7位】伝統の三商戦 3年ぶり開催
 
 8月23日(火)、硬式野球部の第85回三商戦がほっともっとフィールド神戸で行われた。初戦で大公大に勝利した神戸大は、続く一橋大戦でサヨナラ勝ちを収め、2015年の第80回大会以来、見事7年5大会ぶりの優勝を飾った。ラグビー部、漕艇部、陸上部などでも三商戦が行われた。


(写真:サヨナラ勝利を喜ぶ選手達。2022年8月24日、神戸市須磨区のほっともっとフィールド神戸で撮影。)

https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/e6e8c338df82b1e6f2cf355b152da89e

【8位】神戸大120周年記念式典 山中伸弥さんなど講演

 12月25日、ポートピアホテルで神戸大創立120周年記念式典が行われた。第一部では藤澤学長や神戸市長、海外協定校などからの祝辞、また学生のビデオメッセージが紹介された。第二部では経済法が専門で名誉教授の根岸哲さん、ノーベル賞を受賞した山中伸弥さんが講演を行った。


(写真:記念講演を行う、神戸大医学部卒でノーベル賞受賞者の山中伸弥さん)

https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/3a0a9f40fdd28af0550c3fc6b96aad6f

【9位】3年ぶり対面の七夕祭 1300人来場で大盛況

 7月10日、六甲台第1キャンパスで「七夕祭」が3年ぶりに対面開催された。今年は新型コロナ対策のもと、来場者を神戸大生に限定して実施された。七夕祭名物の六甲台本館のステンドグラス装飾やステージ企画、キャンドルアート展示などが実施された。主催者によると今回の総来場者数は約1300人だった。


(写真:3年ぶりの対面開催で多くの来場者で賑わった七夕祭 六甲台本館前で)

https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/cbc56d3980f68259960214c04f54aba6

【10位】深江丸が離岸 多機能練習船「海神丸」が入港

 海事科学研究科の練習船『深江丸』の業者引き渡しが3月15日朝に行われた。戦後初代の『深江丸』の進水から64年。戦前の深江丸から数えると、95年の歴史にピリオドを打ったことになる。3月22日には新しい多機能練習船『海神丸』が入港した。4月28日にはお披露目式が行われた。


(写真:岸壁を離れる練習船『深江丸』。引き渡しと同時に「第十蝶土里丸」へと船名が変わった。2022年3月15日午前9時すぎ 神戸市東灘区深江南町で。元深江丸船長 矢野良治教授提供)

https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/8a43dce97ea54df3b5be9ccad792849e


 


クリスマスに神戸大120周年記念式典 山中伸弥さんなど講演

2022-12-25 23:59:59 | ニュース
 12月25日、ポートピアホテルで神戸大創立120周年記念式典が行われた。第一部では藤澤学長や神戸市長、海外協定校などからの祝辞、また学生のビデオメッセージが紹介された。第二部では経済法が専門で名誉教授の根岸哲さん、ノーベル賞を受賞した山中伸弥さんが講演を行った。<笠本菜々美、奥田百合子>


(写真:記念講演を行う、神戸大医学部卒でノーベル賞受賞者の山中伸弥さん)

 神戸大学は、1902年に官立の「神戸高等商業学校」として設置された。兵庫県内初の高等教育機関で、校舎は神戸市葺合町筒井村(現・神戸市中央区野崎通)に置かれた。

 12月25日、神戸市中央区のポートピアホテルで神戸大創立120周年記念式典が行われた。歴代神戸大学長をはじめとする神戸大関係者、また一般社団法人国立大学協会会長の永田恭介さん、久本喜造神戸市長などが来賓として出席した。招待された人のみが参加できたが、一般向けにYoutubeライブで式典の様子が配信された。

 第一部は、交響楽団(神大オケ)の演奏する「威風堂々」で幕を開け、120年の歩みを紹介するビデオが上演。続いて藤澤正人学長が祝辞を述べた。藤澤学長は、今後の神戸大が目指す、「知と人を創る異分野共創研究教育グローバル拠点」としての役割を語った。


(写真:祝辞を読み上げる藤澤学長)

 次に、神戸市長、衆参議員、海外協定校などからの祝辞、また学生のビデオメッセージが紹介された。


(写真:神戸大附属明石中出身の、西村経済産業大臣からもビデオメッセージが送られた)

 ビデオでは、応援団総部吹奏楽部の演奏で、混声合唱団アポロン、混声合唱団エルデ、グリークラブが学歌を斉唱。また、応援団の演舞や、神戸大生が作り上げた「120」の人文字が披露された。


(写真:神戸大生が鶴甲第1キャンパスのグラウンドで作り上げた「120」の人文字。人文字は10月11日に撮影された。)

 第二部では、名誉教授で経済法が専門の根岸哲さんと、神戸大医学部医学科OBで2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥さんが講演を行った。根岸さんは、「経済法の課題は経済社会の変化に伴い次々と登場し、尽きることがない。今日、競争と独占に関わる経済法に求められているのは、多面市場において強力なネットワークを用いて、寡占化・独占化を強めている巨大プラットフォームのグーグル、アップルなどの規制対応だ。また、グリーン化社会の実現に対する規制対応も求められている。」と、人文・人間科学や生命医学などのさまざまな学問を総動員する必要性を訴え、今後の経済法の発展に期待を寄せた。


(写真:講演する根岸さん。)

 続いて講演した山中さんは、「当時は不治の病であったC型肝炎ウイルスで亡くなった父の影響で医学の道を志した。研究の力で病気を克服するということが、われわれ医学研究者の共通の目標だ。また、AIを主とした大きな変化が起こる中で、神戸大が、現代において必要不可欠なしなやかさを持つ人材を育成してほしい。」と話し、ときおりユーモアも交えながら自身の経歴や若者への期待の言葉を語った。また、IPS細胞の医療応用や特殊な免疫タイプをもつ人からIPS細胞をあらかじめ貯蓄しておくことで、日本の人口の約40パーセントをカバーすることに成功したストックプロジェクトなどの紹介があった。


(写真:研究の力で病気を克服することについて語る山中さん。)

 最後には「ひとりひとりが輝く未来に向けて」というテーマのもと、現役職員、学生によるメッセージ発表が行われた。


壷井達也「悔しいが、挑んだことは来季につながる」 全日本で9位

2022-12-25 23:59:00 | ニュース
 フィギュアスケート全日本選手権の男子FS(フリー)が12月25日、大阪府門真市の東和薬品RACTABドームで行われ、壷井達也(シスメックス所属、国人2年)が出場した。構成には4回転を2本組み込む挑戦をしたが、1本目は成功も2本目は転倒。その後は安定した演技を見せた。総合221.17点で9位となる。大会後、壷井は2月にアメリカで行われる四大陸選手権の補欠に選出された。<本多真幸、久保田一輝>


(写真:全日本フィギュアスケート選手権で総合9位となった壷井達也。2022年12月25日、大阪府門真市の東和薬品RACTABドームで)

 楽曲はNathan LanierのTorn Reduxで振付はMassimo Scaliさんが担当した。9月に肩を脱臼して以降、4回転ジャンプが安定していないが、2つ構成に入れて臨んだ。演技の最初は、4回転サルコウと3回転トゥーループのコンボ。重厚感のある曲の入りで会場に張り詰めた雰囲気が漂う中、見事に成功させて、拍手に包まれる。出来栄え点も3.05と高い評価を得た。しかし、次の4回転サルコウでは転倒。客席から「ああっ」という声もあがった。

 壷井は序盤の演技を振り返って、「コンボは練習の中でも自分の中で一番いいジャンプが跳べたかなって思います。ただ、やっぱり4回転2本目は、どうしても一本目の成功があって少し気が緩んで、本来のいつもの4回転は跳べなかったかなって印象を受けてます。」と話した。

 しかし、その後は安定感のある演技を見せる。ジャンプでは美しい3回転フリップや3回転ルッツを決めた。スピンでは3本中2本が最高評価のレベル4を得た。それでも4回転で失敗したのは残念だったのか、演技終了後には、歯を食いしばって下を向き、明るい表情ではなかった。


(写真:演技終了直後、俯く壷井。)

 結果は、技術点(TES)が75.03、演技構成点(PCS)が72.30、減点は1.00で、合計146.33点でFS9位。23日のSP74.84点と合わせて総合221.17点の9位となった。総合得点は昨年の235.21点と比べて下がり、目標としていた6位には届かない、悔しい結果となった。

 壷井は、「得点が昨年の自分よりも低くなってしまってそこが一番悔しいです。ただ、得点には残らなかったとしても4回転2本に挑んだことは来シーズン以降絶対につながってくると思うので、得点とは別に挑戦した自分をまずは称えたいなと思います。」と前向きな姿勢を見せた。

 また、今季の主要な大会は終わったが、1月には北海道での全日本インカレ、アメリカでのワールドユニバーシティーゲームズがある。壷井は、「本当に今回すごい悔しいので全日本の悔しい気持ちを忘れずに年明けの試合も全力で挑みたいなと思います。」と意気込んだ。

 なお、今大会は、2023年2月にアメリカで行われる四大陸選手権と、3月に埼玉県で行われる世界選手権の日本代表最終選考会を兼ねていた。大会終了後に代表選手が発表され、四大陸選手権の男子代表には、島田高志郎(木下グループ)、佐藤駿(明治大)、三浦佳生(オリエンタルバイオ日大高)が選出された。友野一希(上野芝スケートクラブ)、山本草太(中京大)に次いで、壷井は3番目の補欠に選ばれた。

 以下は試合後のインタビュー。

―—全日本選手権の全体を振り返っていかがですか。
 グランプリシリーズを2戦戦ってきて、シニアで戦える手ごたえはつかめたかなって思ったんですけど、やっぱりこの日本っていう男子も女子もレベルが高い中で、まだまだ自分の実力が足りないって思いました。ただ、ここで終わりではないので、もっともっと来シーズン以降上を目指したいなって思いが強いです。

――演技の前後で、中野園子コーチから何を言われましたか。
 (演技の前は、)「グランプリ終わってからここに来るまで達也はすごい練習を頑張って来たからそれを信じてやるように」と言われました。演技後は「まだまだもっと上を目指さないとね」ってことは言われました。


(写真:演技の直前、中野園子コーチに背中を押される。)

――23日のSPでは、プレッシャーからミスが出てしまっていたが、フリーではどうでしたか。
 SPは11位という結果で終わってしまったので、プレッシャーも何もなく、ただ本当に攻めるって気持ちだけをもってフリーは演技することができました。

――前日の女子フリーでは、同門の坂本花織選手と三原舞依選手が1位2位フィニッシュ。
 昨日の女子最終グループは、ちょうど会場に見に来ていて、自分がいつも一緒に練習しているチームメイトの2人が本当に素晴らしい演技で、心から感動しました。ただ、そこに本当に続きたかったなって思いは強いんですけど、やっぱり試合でまとめきれないっていうのは自分の実力のなさ、2人のように世界で戦っている姿をもっともっと吸収して、もっともっと自分に強くなりたいなって思いました。

――練習ではどのようなことをしていますか。
 神戸組(中野園子コーチらの下、神戸で練習する選手たちのこと)では冬のシーズンになると朝練が毎日続いて、そこで、自分の場合4回転1本のときはノーミスで滑ることができていたんですけど、2本になってから朝の体が動かない状態でノーミスで滑ることがなかなかできなかった。なので、極限まで体が動かない状態でできるようにして、本番どのような状態であっても練習通りっていうのをできるようにしたいです。

――学業との両立はできていますか。
 グランプリとかもあって忙しい日々は過ごしましたけど、昨シーズンに自分なりに両立できる方法はいろいろ考えながら実践することができたので、今シーズンはそこまで大変なことにはなってないです(笑)。

――これからやっていきたいことはありますか。
 オフシーズンのころはトゥーループをずっと練習していて、肩の脱臼もあってなかなか最近は練習できてないですけど、また練習を再開したいと思います。

――愛知県で小さいころから一緒に練習していたという横井ゆは菜選手(邦和みなとSC)が昨日、今季での引退を表明しましたが、どう受け止めていますか。
 昨日初めて知りました。小さいころから姉のような存在で、クラブでずっとお世話になってきて、小さいころから頑張って来た選手が引退っていうのを聞くと、本当に自分も上の立場になってきたなというのは感じます。また横井選手の明るい部分だったり、練習で人より頑張るところだったり、そういうところは自分にとっても大きな刺激になったなって思います。本当に今は「お疲れさまでした」ってことを言いたいです。



(写真:演技中の壷井。)


(写真:演技の最後でポーズを決める。)

《第91回全日本フィギュアスケート選手権大会 @東和薬品RACTABドーム(大阪府立門真スポーツセンター)》

(画像:男子フリーの結果。)


(画像:男子の総合順位。)



壷井達也はSP11位スタート フィギュアスケート全日本

2022-12-24 08:55:57 | ニュース
 フィギュアスケート全日本選手権の男子SPが12月23日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで行われ、壷井達也(シスメックス所属、国人2年)が出場した。シニアデビュー後初の全日本でプレッシャーもあり、最初の4Sで転倒したが、その後は安定した演技を見せ、SP11位となった。25日(日)17時から男子FSの演技が行われる。<本多真幸、尾畑陽貴>


(写真:演技中の壷井達也。2022年12月24日、大阪府門真市の東和薬品RACTABドームで撮影。)

 2年連続6回目(2019年は怪我で棄権)の出場となった壷井は、SP(ショートプログラム)で30人中27番目で演技。楽曲はレッド・ツェッペリンの「天国への階段」を演じた。1本目はジャンプの安定性が課題となっていた4回転サルコウだったが、着氷時に転倒し、さらに回転不足もとられてしまった。直後のトリプルアクセルでは持ち直し安定した演技を見せた。演技後半ではトリプルルッツとトリプルトゥーループのコンボも決めた。演技終了直後、悔しげな表情を垣間見せた。


(写真:最初の4回転サルコウで転倒する。)

 一方、演技後半の曲が盛り上がるパートでは、リズムに合わせた振付で魅せ、観客から手拍子で声援が送られた。演技終了後には会場全体から大きな拍手が送られた。立ち上がって、壷井の名前が書かれたタオルを掲げる観客もいた。

SPを終え、壷井は、技術点(TES)が38.75、演技構成点(PCS)が37.09、減点は1で合計点が74.84となり、30人中11位でのスタートとなった。

 今季ジュニアからシニアへデビューした壷井にとって、全日本は最も大きな大会で、重圧もあった。演技後のインタビューで、壷井は「ジュニアの選手が追い上げてくる中で、守らなければならない立場を少しずつ感じるようになってきましたし、そういったプレッシャーをすごい今まで以上に感じる舞台だった。」と振り返った。

 転倒した4回転サルコウについては、「練習だともう少し勢いをつけることができたが、本番では守りに入ってしまった。最後に自分のためを作り切れないまま上がってしまったので、力が上手に伝わらなかった」と語った。25日のフリーの演技に向けて「本当にショートのミスが悔しいので、フリーでは完ぺきな演技を目指したい。今年最後の試合なので悔いが残らないようにしたい。」と意気込んだ。

 また、前日の女子SPで、同じコーチの下で練習する坂本花織(シスメックス、SP1位)、三原舞依(シスメックス、SP2位)、三宅咲綺(岡山理科大、SP5位)の3人が好成績を残したところ、「勢いに乗っていきたかった」としつつ、「自分も追いてかれたくないので、がんばります。」と締めた。

 25日(日)17時から、SPの上位24人によるFS(フリースケーティング)の演技が行われる。今大会は、2023年2月にアメリカで行われる四大陸選手権と、3月に埼玉県で行われる世界選手権の日本代表最終選考会を兼ねている。今大会の結果次第では壷井選手も選出される可能性がある。

《第91回全日本フィギュアスケート選手権大会 男子SP》

(画像:男子SPの結果。25日に上位24人がフリーの演技に出場する。)



性の多様性考える企画 神大GI、743人にステッカー配布

2022-12-23 15:49:24 | ニュース
 神戸大生協学生委員会(GI)は、「SHINDAI RAINBOW PRIDE」と題し、10月から11月にかけてインスタグラムでセクシュアリティについての発信を行った。また、鶴甲キャンパス、六甲台キャンパスの購買や食堂で、虹をモチーフにしたステッカーを配布。743人の学生が受け取った。企画責任者は、「皆さんに少しでも性の多様性について考えてもらい、どんな神大生にとっても快適に過ごせる環境になっていってほしい」と語った。<笠本菜々美>


(画像:GIが「SHINDAI RAINBOW PRIDE」と題した投稿)

 神戸大生協学生委員会(GI)は、「SHINDAI RAINBOW PRIDE」と題し、10月から11月にかけてインスタグラムでセクシュアリティについての発信を行った。セクシュアリティ診断、企業や教育機関の取り組み、LGBTQ+に関連するYouTuberや作品の紹介など、約10の投稿を実施。加えて、虹をモチーフにしたステッカーを学内の購買や食堂で配布した。

【神大GI公式Instagram】=https://www.instagram.com/kobeuniv_gi/

 ニュースネット委員会は、企画責任者の宮田祥羽さん(工・2)、ステッカーを受け取った学生、また受け取らなかった学生にインタビューした。

「理解が行き届いていないのでは」 企画を実施
 宮田さんは、企画を実施した理由を「自分自身も、日常生活の中でまだまだ理解が行き届いていないと感じることがあった」からだと話す。「自分以外にも困っている人や、逆に無意識に周りを傷つけてしまっている人が少なからずいるのではないかと思いました。神大GIは、神大生の皆さんの大学生活がよりよく充実したものとなるように活動しています。その人のジェンダー、セクシュアリティを含む『その人らしさ』を大事にして、楽しい大学生活を送るお手伝いが出来たら良いと思いました」

当事者ではない団体の発信 知ってもらうこと重視
 今回の企画で、宮田さんは神戸大生に「情報を得た上でどのように受けとめるかは、個々人の価値観を尊重したい」という思いから、セクシュアルマイノリティについて「認めてもらう」のではなく、「知ってもらう」ことに重点を置くことを意識したという。「神大GIという団体はセクシュアルマイノリティの当事者で構成された団体ではなく、性の多様性についてそれほど知識がない人もたくさんいました。そこで、そのようなメンバーの意見も参考に、客観的で役に立つ情報を届けられるように投稿内容を考えました。GI内で勉強会を開くなど、企画外で進めなければならないことも多くあり、その点は苦労しましたが、GIメンバーにとっても性の多様性について考える良い機会となったと思います」

意識の変化積み重ね 快適な環境に
 宮田さんは、企画を実施したが、「実際に神大生とお話しする機会があまりなかった上に、大学内での雰囲気や理解などは目に見えにくい。企画の成果を評価することはとても難しいと感じている」という。しかし、11月中に学内で配布したステッカーは、734人に届いている。「ステッカーを多くの人が手に取ってくださったことなどを考えると、皆さんにとって少しでも性の多様性について考えるきっかけとなったのではないかと思います。そういう意識の変化の積み重ねから、どんな神大生にとっても快適に過ごせる環境になっていってほしいです」と宮田さんは語った。


(写真:配布されたステッカー。手帳などにはさんで使うこともできる)

ステッカーを見た学生 LGBTQ+を考えるきっかけに
 ステッカーを受け取った学生は、「最初はただおしゃれなステッカーが置いてあると思ったが、よく見たらLGBTQ+に関連するステッカーだった。神戸大でこのような取り組みをしている団体があることを知るきっかけになった」と話した。また食堂にステッカーがあるのを見かけたが、「ステッカーをとるのは勇気が必要でためらってしまったが、ジェンダーマイノリティについて少し考えるきっかけになった」と話す学生もいた。

 神大GIは、他の企画でも多様性に配慮できるよう、団体としての体制を整えているという。企画責任者の宮田さんは、「神大生一人ひとりの声を大事に、これからも様々な人に楽しんでいただける企画を提供していけたら」と語った。

神大GI公式Instagram=https://www.instagram.com/kobeuniv_gi/