神戸大学メディア研ウェブログ

ニュースネット委員会のニュースサイトはhttps://kobe-u-newsnet.comに移転しました。

1月27日から2月20日まで 兵庫県に「まん延防止等重点措置」

2022-01-27 14:26:57 | ニュース
 兵庫県内の新型コロナウイルス感染者数は1月26日に過去最多の4303人となるなど、オミクロン株を中心とした急激な感染拡大が続く中、「まん延防止等重点措置」の適用地域が1月27日から2月20日まで、兵庫県、大阪府、京都府など34都道府県に広がった。

【これまでの兵庫県の措置実施期間】
2020年 4月 7日〜 5月21日 緊急事態宣言措置
2021年 1月14日〜 2月28日 緊急事態宣言措置

2021年 4月 5日〜 4月24日 まん延防止等重点措置
2021年 4月25日〜 6月20日 緊急事態宣言措置
2021年 6月21日〜 7月11日 まん延防止等重点措置
2021年 8月 2日〜 8月19日 まん延防止等重点措置
2021年 8月20日〜 9月30日 緊急事態宣言措置
2022年 1月27日〜 2月20日 まん延防止等重点措置
(兵庫県サイトから)

(写真下:兵庫県庁。資料写真)





課外活動制限が厳格化 県外での活動禁止、他大生の参加禁止、活動後の飲食禁止など

2022-01-27 09:13:11 | ニュース
 学生支援課は1月25日付で、課外活動制限の内容を変更すると各課外活動団体にメールで通知した。主な変更点は、県外での活動が原則禁止になる点、他大学生の参加が学外でも禁止となる点、課外活動終了後における学生同士の飲食が禁止になる点の3点。兵庫県が「まん延防止等重点措置」実施区域に指定されたことに伴う、県からの大学への要請によるもの。<本多真幸>

 神戸大学生支援課は、1月25日付の文書で、課外活動制限の内容を変更すると通知した。課外活動制限は12月10日付の学生支援課からの通知で緩和されていたが、感染再拡大の影響を受けて再び厳格化。活動制限に違反した団体は、活動停止を命じられる可能性がある。
【参考】=1月から学内の「課外活動制限3時間」など緩和 学生支援課が正式に文書通知、Q&Aも添付(2021年12月11日)

 前回の緩和と比較して、主な変更点が3点ある。1つ目は、今まで県外での活動は認められていたところ、原則禁止となった点である。なお、中央競技団体・文化関係連盟が主催する大会(その予選を含む)及び国民体育大会は例外である。また、既に計画済みの活動については、改めてまん延防止等重点措置区域(都道府県)の知事が指定する区域及び都道府県等が独自の行動制限を伴う措置を実施している区域でないこと、受入先の意向、参加人数、移動方法など実施可能であることを十分に確認すれば可能。

 2つ目は、学外での活動については他大学生の参加が認められていたところ、学内と学外の両方で、他大学生の参加が禁止となった点である。
 
 3つ目は、課外活動終了後における学生同士の飲食が禁止になった点である。

 また、今後急遽課外活動が休止になる可能性があるとしたうえで、実施取り止めに伴う諸費用(キャンセル料等)は、全て団体・サークル及び参加学生の自己負担となることから、宿泊を伴う活動については、慎重に計画するよう呼びかけている。

 今回の通知は、神戸大の課外活動団体に向けてメールで通知されたもので、一般向けには、神戸大学の以下のHPで1月27日に更新される予定。
【課外活動の制限について(神戸大学ホームページ)】=
https://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/sub_student/2021_05_11_01.html


---- 以下は通知文書の全文 ----
令和 4 年1月26日

課外活動団体・サークル所属学生 各位

学務部学生支援課


兵庫県から「大学・専門学校等における感染防止対策の取組について」(令和4年1月25日付)の通知があり、大学等における感染防止対策の取組として、県外においては、部活動・サークル活動を原則行わないよう別紙のとおり要請がありました。また、引き続き感染拡大地域との往来の自粛、キャンパス・校舎内や通学時等のマスク着用の徹底、時差通学の推進が求められています。
つきましては、本通知を踏まえ、下記のとおり取り扱うこととします。



1.県外での活動(※を除く)は、原則行わない。
ただし、既に計画済の活動を実施する際には、改めてまん延防止等重点措置区域 (都道府県)の知事が指定する区域及び都道府県等が独自の行動制限を伴う措置を実施している区域でないこと、受入先の意向、参加人数、移動方法など実施可能であることを十分に確認すること
※中央競技団体・文化関係連盟が主催する大会(その予選を含む)及び国民体育大会(その予選を含む)(参加する際は、主催者の行う感染予防措置を確認するとともに、その徹底を図ること)


2.県内で活動する場合は、以下の点に留意すること。
・学内施設における課外活動については、課外活動計画申請書を提出し、課外活動小委員会において審査のうえ、活動の許可を得ること。
・学外施設における課外活動については、実施日の 1 週間前までに、課外活動計画申請書を学生支援課に提出すること。
合宿等、宿泊を伴う活動を実施する場合には、感染防止対策が確認される施設を利用するとともに、飲食時の感染防止の徹底を図る
※実施取り止めに伴う諸費用(キャンセル料等)は、全て団体・サークル及び参加学生の自己負担とする。
・練習試合・合同練習等を実施する場合は、必要最小限の参加人数とするなど、移動人数を最小限にとどめること。
・更衣室内及び試合等における部員の応援時にはマスクを着用すること
・近距離で飛沫が飛ぶ接触は避けること

3.以下の行為については、学内・学外問わず禁止とする。
1)他大学生・学外指導者の活動参加 ※ただし、学外指導者の参加については、顧問教員が特に必要と認めた場合に限り認めるものとする。

2)課外活動終了後における学生同士の飲食 なお、課外活動前後における複数人での飛沫感染の恐れのある活動は行わないよう留意すること。


4.上記に違反した団体については、活動の停止を命じることがある。



---- 以下は兵庫県からの要請の全文 ----
教 第 2626 号
令 和 4 年 1 月 2 5 日

各県内大学設置者 様
兵庫県企画県民部管理局大学室長


大学・専門学校等における感染防止対策の取組について


平素は、新型コロナウイルス感染症対策に特別のご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。
本日、本県が「まん延防止等重点措置」実施区域に指定されたことに伴い開催された「兵庫県新型コロナウイルス感染症対策本部会議」で、県内大学にお願いしている要請内容を別紙のとおり見直すことといたしました。(※詳細は、別紙「大学・専門学校等における感染防止対策の取組」を参照願います。)
感染力が非常に強いオミクロン株により、本日新規感染者数は3,360人と最多を更新するなど、第6波の感染拡大が続いていますので、各県内大学におかれては、感染防止対策の一層の徹底をお願いします。



大学・専門学校等における感染防止対策の取組

下線部変更箇所

1 授業形態
対面授業の実施の際には、国が定めるガイドラインや国通知に基づく感染防止対策の 徹底を図るとともに、オンライン授業の活用も検討すること
(対面授業の実施の際の感染予防対策の強化)
○キャンパス・校舎内や通学時等のマスク着用の徹底、時差通学の推進、ワクチン接 種の推進

2 部活動・サークル活動
(1) 県外での活動(※を除く)は、原則行わない
ただし、既に計画済の活動を実施する際には、改めてまん延防止等重点措置区域(都 道府県)の知事が指定する区域及び都道府県等が独自の行動制限を伴う措置を実施している区域でないこと、受入先の意向、参加人数、移動方法など実施可能であることを十分に確認すること

(2) 県内で活動する場合は、以下の点に留意すること
・合宿等、宿泊を伴う活動を実施する場合には、感染防止対策が確認される施設を利用するとともに、飲食時の感染防止の徹底を図る
・練習試合等を実施する場合は、必要最小限の参加人数とするなど、移動人数を最小限にとどめる
・更衣室・部室でのミーティング時、試合等における応援時にはマスクを着用する
・近距離で飛沫が飛ぶ接触は避ける
※中央競技団体・文化関係連盟が主催する大会(その予選を含む)及び国民体育大 会(その予選を含む)(参加する際は、主催者の行う感染予防措置を確認するとともに、その徹底を図ること)

3 外出・飲食
学生・教職員に対する以下の点の徹底を図る
・感染拡大地域との往来の自粛 ・要件を満たしていない飲食店、路上や公園等での飲酒をしない
・感染防止対策を講じていない施設の利用の自粛
・会話の際は、マスクにより飛沫を防止
・学生食堂等では、マスクを外しての会話を控え、食事後は速やかに退出
・学生食堂等の学内の飲食施設では、座席配置の工夫、アクリル板の設置等による感染防止対策を徹底

4 学生への呼びかけ
教育活動の場(授業の開始・終了時、学生一人ひとりへのメール送付等)において、県からのメッセージ等を配付・送信すること等により、感染防止対策の徹底を学生に強く呼びかける

5 ワクチン接種の推進
教職員・学生等のワクチン接種率の向上を推進する


(写真:学務部学生支援課のある鶴甲第1キャンパスB棟。資料写真)



『鬼滅の刃』人気コラム著者 植朗子さんは伝承文学の研究員【後編】

2022-01-26 20:00:00 | 神大LIVE
 2020年12月からニュースサイト「AERA dot.(アエラドット)」に『鬼滅の刃』の考察コラムを随時執筆し、これまでに400万PV(※ページビュー=閲覧回数)達成など、たいへんな注目を集めている神戸大学国際文化学研究推進センターの植朗子(うえ・あきこ)協力研究員。
 2021年11月には、記事をまとめて書籍化した『鬼滅夜話 キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』』https://www.amazon.co.jp/dp/4594089917/fusoshaoffici-22(扶桑社)も出版した。
 
 ネットの人気コラムを連載するきっかけは、喫茶店での「号泣」事件だったという植さん。一番好きな鬼滅キャラは、ムキムキだけどかわいい「あの人物」だと明かしてくれた。<本多真幸>


(写真:5刷が決定した『鬼滅夜話』。画像提供:清川英恵)



「人生と戦うのは自分しかいない」 それがわかるのが『鬼滅』

記者)神戸大生に『鬼滅の刃』を紹介するなら、どう薦めますか?
植)それについて考えたのですが、こちらからは薦めないですね。「キメハラ」(=『鬼滅の刃』ハラスメント」)なんて言葉がありますよね?

記者)はじめて聞きました
植)『鬼滅の刃』の話題がでてきても、「鬼滅」が好きではない人にとっては、それが苦痛らしいです。「みんなは好きなのに自分は好きじゃない」というのが、ストレスになるそうで…。他の作品でもあるようですが、人気作品ゆえの悩ましいところですね。学生さんには自分の好きなものは何で、自分の嫌いなものは何なのか、というのを見つけてほしいなって思います。ただ、「何かいい作品はありませんか」と聞かれたら、その時は『鬼滅の刃』と答えると思います。

記者)では『鬼滅の刃』の見どころをどのように紹介しますか?
植)「人生と戦うのは自分しかいない」というのがよくわかる作品ですよ、と紹介します。神様も仏様も助けてくれない時に、「自分が何を大切にしたいのか」ということを、自分自身に問い直すことができる作品だと思います。


(写真:『鬼滅夜話』のそで。楽しい工夫が施されている。画像提供:清川英恵)



書きごたえのあったコラム「猗窩座と狛治」と初回記事「悪役の美学」

記者)今までで1番書きごたえのあった記事はどれですか?
植)実は最初に書いた記事ですね。
記者)悪役についてですね。
植)そうそう。「悪役の美学」、「アエラドット」で検索してもらうと出てきます。

▼「『鬼滅の刃』の鬼 『猗窩座』のセリフから読み解く『悪役の美学』」=https://dot.asahi.com/dot/2020121800086.html

植)猗窩座(あかざ)と狛治(はくじ)は書きごたえを感じました。
無惨はずっと無惨のままで、成長と変化があまりないですね。童磨も童磨のままで。それはそれで魅力的ですし、一貫性があるといえばそうなのですが。でも、人であったときの狛治と、鬼になった猗窩座とのキャラクターに注目してみると、「変化」がとても大きいです。なぜだと思いますか?
記者)なぜでしょう。
植)この「猗窩座・狛治の変化」は、研究者の間でも話題になっています。疑問点が多いキャラクターなので。仮説にしても、それに対するアンサーを出すことには意義があるなと思います。


いま注目されている「ケアと文学」もテーマに

植)人間時代、狛治はずっとお父さんの看病をしています。お父さんを亡くした後は、婚約者の看病をするんですよね。嫌悪感もなく、疑問も感じず、ひらすら看病に尽くします。狛治は愛情が深いので、それを失った時にこれまで抱えていた理不尽への怒りが爆発してしまいます。文学研究の中でも、「ケアと文学」というテーマが注目されています。今の時期に、ちょうどそれに関連する内容で、コラムの形ですけれど「猗窩座と狛治の問題」を取り上げることができたのは良かったなと思っています。


連載のきっかけは、喫茶店で再会した『週刊少年ジャンプ』での号泣

記者)植さんが『鬼滅の刃』のコラムを書くようになったきっかけを教えてください。
植)本を読むのが嫌になった時期があったんですよね。ちょうど一年ほど前(2020年)ですけど。私たち研究者は「本を読んでなんぼ」というところがあって、読んで、読んで、研究の着想を得るところまでひたすら読む。その繰り返しです。それが一時期ちょっとできなくなって。自分でも驚きました。それで「研究やめようかな」と思ったんです。小学生の頃から欠かさず読んでいた大好きな『週刊少年ジャンプ』ですら読めなくなっていたのですから、私にとったら非常事態です。

植)そんな時、仕事の合間にお昼を外で食べようかなと、喫茶店に入ったんです。ジャンプ、何週間も読んでいなかったなと思って。そういえば『鬼滅の刃』が大事なところだったことを思い出しました。続きがちょうど無限城編で、時透無一郎(ときとう・むいちろう)対黒死牟(こくしぼう)のあたりを読み始めて…。そこはまだ耐えられたんですけど、弟のことを祈る不死川実弥(しなずがわ・さねみ)のシーンでぶわーっと涙があふれて、そこから号泣です(笑)。

植)ああ、私はまだ心が動くのか…と思いましたね。そう。だから。もう一度やろうかなって。その足ですぐに、書かせていただける媒体を探し始めました。


どこかで書きたい! 「AERA dot.」読者欄への投稿

記者)植さんは、どうして出版各社のなかから、「AERA dot.」を手がける朝日新聞出版に声をかけたのですか。
植)もともと雑誌『AERA』と、そのニュースサイト「AERA dot.」の読者だったこともあって、「アエラにアクセスしたい」とすぐに思いました。でもツテがなくて。仕方がないので「読者の声」の欄に、この熱い思いを(笑)書いて送りました。思い返してみると迷惑ですよね。「続きをメールで送らせてください」って書いて…。当然無視されるだろうと思っていたら、なんとメールが届いたんです。そのご返信下さった方が、今の編集担当者さんです。


社会における学術の意義 感じてくれる編集者との出会い

記者)「AERA dot.」担当の編集者の方は、どんな方なのでしょうか。
植)とても素晴らしい方です。信頼しています。まずダメ出しがはっきりあることが非常にありがたいです。ダメ出しがまったくない編集者の方とは、ご一緒にお仕事するのはしんどいですね。あとはアクセス数の問題ですね。その仕組みをご存知ですか?
記者)いや、詳しくは知らないです。
植)私も詳しくないのですが、記事を出しますと、そのアクセス数として、PV(ページビュー)が出ます。このPV数が少ないと、記事元としては良くないはずですよね。ですが、担当者の作田さんは、「PV数の多い少ないについては僕が責任取るので、好きなことをまずは書いてください」と。「記事はアクセス数だけに意味があるのではありません。文学や文化研究には意義がある、それを発信することもメディアの大切な役割です」と言ってくださって、社会における学術の意義を感じて下さっているのだと、感動しました。私の記事があるのは、担当の作田さんのおかげです。


一番好きなキャラクターは宇髄天元

記者)最後に『鬼滅の刃』の中で、植さんの好きなキャラクターを教えてください。
植)それ答えるの(笑)。いいんですよ。全然良いんですけど…あの…宇髄天元(うずい・てんげん)が好きですね。ただのファンなので、隠しているんですけど(笑)。
記者)どういう点に惹かれますか?
植)まず、あの顔ですね。吾峠呼世晴先生の絵柄。どのキャラクターも顔立ちが可愛らしいので、あれで長身のムキムキにさせると気持ち悪くなりそうなのに、ちゃんとビジュアルのバランスの一番いいところで止(とど)められている。その画力がすごいなあと思いますね。あまりマッチョにさせてしまうと、今度は美しさが損なわれる。

植)吾峠呼世晴先生はキャラクター造形も絶妙だと思います。記事を書く時に、改めてキャラクターのイラストを見るのですが、毎回「あ、吾峠呼世晴先生、すごいな」と思います。アンバランスさを魅力としてうまくついていますよね。宇髄はとくに。こんな話をはじめたら8時間ぐらい、しゃべれそうです。

▼『鬼滅の刃』人気コラム著者 植朗子さんは伝承文学の研究員【前編】= https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/ffe49048ad1665add4eb0e8bbebe8bd5


(写真:2022年2月27日に予定されている植さんの学術イベント用の名刺。鬼滅の世界観が感じられる。神戸大学をバックに。)

植朗子(うえ・あきこ)
神戸大学大学院 国際文化学研究科 国際文化学研究推進センター協力研究員。
専門はドイツ語圏の伝承文学、神話学、比較民俗学など。著書に『『ドイツ伝説集』のコスモロジー - 配列・エレメント・モティーフ -』(鳥影社)、共著に『〈神話〉を近現代に問う』(勉誠出版)、『はじまりが見える世界の神話』(創元社)がある。ニュースサイト「AERA dot.」の連載をまとめた『鬼滅夜話 キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』』(扶桑社)は5刷が決まった。
▼AERA dot.サイト=https://dot.asahi.com
▼扶桑社サイト=https://www.fusosha.co.jp

『鬼滅の刃(きめつのやいば)』
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で2016年から2020年まで連載された吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏の漫画作品。映画化された「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は興行収入400億円を超え、日本映画史上の記録をぬりかえる大ヒットとなった。2021年12月5日からアニメ2期が始まり、現在「『鬼滅の刃』遊郭編」がフジテレビ、TOKYO MXなどで放送中。
作品の舞台は大正時代の日本。主人公の少年・竈門炭治郎は、ある日突然、鬼に家族を殺され、唯一生き残った妹も鬼にされていた。絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、「鬼狩り」の道を進む決意をする。




令和4年度からセメスター制に 経済・経営・法の3学部・研究科

2022-01-26 15:05:19 | ニュース
 経済・経営・法の3学部・研究科は、令和4年度からセメスター制(2学期制)に移行することを通知した。3学部・研究科ともに、専門科目は基本セメスター開講となるが、クォーター開講の科目もいくつか残る。<佐藤ちひろ>


(画像:経営学研究科・経営学部のHPより スクリーンショット)

 経済・経営・法の3学部・研究科は、令和4年度からセメスター制(2学期制)に移行することを通知した。3学部・研究科ともに、専門科目は基本セメスター開講となるが、クォーター開講の科目もいくつか残る。 社会科学系以外の学部・研究科については全学共通科目を含めてクォーター制が継続される予定であるため、令和4年度からは大学の中にセメスター制とクォーター制が混在する形になる。
 専門科目がセメスターへ移行されることで授業のペースが緩和され、余裕を持って予習・復習が出来るようになることが見込まれる。

 神戸大では平成28(2016)年度から全学生を対象にクォーター制が導入されたが、経済・経営・法の3学部・研究科では5年でセメスター制に戻ることとなった。

 経済・経営・法の3学部・研究科が合同でセメスター制へ移行することに関して、経済学部・経済学研究科、経営学部は10月26日に、法学部は1月5日にそれぞれ文書を発表している。以下全文。

///////////////////////////////////////
令和4年度からの専門科目のセメスター制移行について

経済学部・経済学研究科の皆様へ

 経済・経営・法の3学部・研究科の専門科目については、来年度よりセメスター
制(2学期制)に移行することをお知らせいたします。クォーター開講の授業も
いくつか残る予定ですが、専門科目については基本的にはセメスター開講となり
ます。授業のペースが緩和され、余裕を持って予習・復習が出来るようになるこ
とが見込まれます。

 社会科学系以外の学部・研究科については全学共通科目を含めてクォーター制が
継続される予定です。大学の中にセメスター制とクォーター制が混在する形とな
りますので、不便な点も大いにあると思いますが、3部局が協力して、不便の少
ない移行に努めますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 よろしくお願いいたします。

神戶大学経済学部・経済学研究科


///////////////////////////////////////

経営学部生の皆さんへ

経営学部長 南知惠子


 経済・経営・法の3学部・研究科の専門科目については、来年度よりセメスター制(前期・後期の2学期制)に移行することをお知らせいたします。経営学部では一部の科目はクォーター開講予定ですが、専門科目については基本的にはセメスター開講となります。セメスター制度では、1週間に1度の授業開講になります。授業の事前課題や事後課題など、これまでより時間的な余裕を持って取り組めることと思います。授業開講形態が変わることにより、生活上の予定が変わってくることもあるかと思いますので、前もってお知らせすることにしました。
社会科学系以外の学部・研究科については全学共通科目を含めてクォーター制が継続される予定です。大学の中にセメスター制とクォーター制が混在する形となりますので、不便な点も大いにあると思いますが、3学部・研究科が協力して、不便の少ない移行に努めますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
 尚、来年度の授業計画は来年3月に公開する予定です。より一層勉学に励み、学生生活も充実させることを望みます。

///////////////////////////////////////

法学部生の皆さんへ

令和4年度からの専門科目のセメスター制移行について

法学部長 高橋裕

 法学部・経済学部・経営学部の3学部・研究科の専門科目については、来年度よりセメスター制(2学期制)に移行することをお知らせいたします。法学部のカリキュラム編成上、クォーター開講となる科目が若干残りますが、基本的に専門科目はセメスター開講となります。新たにセメスター開講となる科目のうち、 4単位科目はクォーター単位で配置される二つの科目(形式上A/Bと分かれて います)については、必ず連続で履修登録していただくことになります。法学部 で提供される科目の成績評価は、どの科目も各セメスター終了後にセメスター全 体を総合して行われ、クォーターごとに異なる評価は与えられません。なお、すでにA/B科目のどちらかの単位を修得している人には別に配慮します。 専門科目をセメスターへ移行することにより、授業のペースが緩和され、余裕を持って予習・復習が出来るようになることが見込まれますが、学生の皆さんの 修学上の予定が変更になることがあるかと思いますので、前もってお知らせします。 社会科学系以外の各学部の専門科目及び全学共通授業科目は一部を除いて来年度以降も2学期クォーター制が継続される予定です。大学の中にセメスター制とクォーター制が混在する形となりますので、不便な点も大いにあると思いますが、社会科学系3学部が協力して、不便の少ない移行に努めますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

///////////////////////////////////////



『鬼滅の刃』人気コラム著者 植朗子さんは伝承文学の研究員【前編】

2022-01-25 22:59:48 | 神大LIVE
 漫画もテレビアニメも驚異的なヒットで社会現象にもなっている『鬼滅の刃』(集英社)。神戸大学国際文化学研究推進センターの協力研究員である植朗子(うえ・あきこ)さんは、2020年12月からニュースサイト「AERA dot.(アエラドット)」にその考察コラムを随時執筆し、これまでに400万PV(※ページビュー=閲覧回数)を達成するなどたいへんな注目を集めている。
 2021年11月には、記事をまとめて書籍化した『鬼滅夜話 キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』』https://www.amazon.co.jp/dp/4594089917/fusoshaoffici-22(扶桑社)も出版した。
 私たち学生にとってはドイツ語の先生として教壇に立つ植さんの、神話学・民間伝承研究者としての視点をうかがうとともに、多くの人が『鬼滅の刃』に惹かれる理由を聞いた。<笠本菜々美>



(写真:5刷が決定した『鬼滅夜話』 画像提供:清川英恵)
 

「伝承文学」の研究者が、なぜ『鬼滅の刃』を考察するのか

記者)ニュースサイト「AERAdot.」では、『鬼滅の刃』に登場する様々なキャラクターの特性や行動についてコラムを書いていらっしゃいます。2020年12月に最初の記事「『鬼滅の刃』の鬼「猗窩座」のセリフから読み解く「悪役の美学」」が公開され、コラムは累計50本にもなっています。専門分野はドイツ語圏の伝承文学、神話学、比較民俗学ですよね。『鬼滅の刃』との関連について教えて下さい。

植)この間、神話学の研究会で他の先生からも、同じご質問をいただきましたね。「どうして『鬼滅の刃』なの?」って。私は「肉体の変化」に関心があります。大切な人の「肉体の変化」に対して、どんなふうに周囲の考えや感情が変わるのか。そこが私の研究テーマです。『鬼滅の刃』にも同様の命題が含まれます。それに私は「怪異」が専門ですから、鬼滅では「怪異」が重要な要素であることもポイントのひとつです。




「腐らない死体」に興味 それが「大切な人」なら手放せないはず

記者)「肉体の変化」と研究の関心について、詳しく聞かせて下さい。

植)私は大学の学部時代から、民間伝承の中の「腐らない死体」のモチーフにとても興味がありました。死体って腐りますよね。当たり前ですけども。腐るから火葬したり埋葬したりするのですが、たとえば家族とかペットとかが死んでしまった時に、遺体とお別れしないといけない。その「あきらめ」をうながしてくれる唯一の現象が、「腐る」ことだと思っています。腐れば手放さざるをえないでしょ?だからそこにあきらめが生じるのだけど。そういう「肉体の変化」の時にもたらされる、「感情の変化」に興味があります。
『鬼滅の刃』の鬼は人から鬼になるわけじゃないですか。鬼は生きていくために、人を食べるしかありません。それは、私たちが生き物を殺すことと何の変わりもないですよね。それなのに、鬼は急に化け物として扱われる。そこに興味があって。私の中ではテーマはずっと一貫しているのですが、外からぱっと見ると「神話から、どうして『鬼滅の刃』なの?」ということになるみたいですね。





(写真:植さんの共著書『『神話』を近現代に問う』(勉誠出版))



鬼になった禰󠄀豆子を手放せない炭治郎の思い

植)自分が一番好きな人を思い浮かべてみて下さい。その人が今この瞬間に鬼に変わったとして、人しか食べられなくなったとして、じゃあその人のことを手放せますか?…多分手放せないですよね。『鬼滅の刃』の主人公である炭治郎は、妹の禰󠄀豆子のことをまさに手放せない。でも惑います。「腐らない死体の伝承」の本質は、そこにあるのかなと思っています。人が人として存在できなくなった時、それでもその相手を手放せないという感情の問題が重要であると思います。



研究者としての記事に「泣きました」という反響

記者)コラムに対して、読者からの反響はどういう内容が多いのですか?

植)皆さんの感想では「泣きました」というものがとても多いですね。私の記事を好きだと言ってくれる方々は、漫画やアニメを鑑賞して感じた自分の心の揺れが文字化・言語化され、それを再び目にすることに喜びや楽しみがあるのかなと思います。




なぜ、人々は『鬼滅の刃』に惹きつけられるのか

記者)なぜ、人々は『鬼滅の刃』に惹かれるのでしょうか?

植)私は、(読者のみなさんは)どっち側(の視点)なのかなって思ったんですよ。ヒーロー(炭治郎)側に対する自分の投影なのか、それとも、ヒーローに救ってもらう側に対する自分の投影なのか?攻撃者側(鬼)に対する自分の投影なのか?



鬼も鬼殺隊も背負う悲しみ どう折り合いつけるかに人々は共感


記者)どの視点に立つ読者が多いのでしょう?

植)『鬼滅の刃』は、とくに鬼(攻撃者側)と心理的なシンクロなさる方がとても多いですね。自分が「鬼側」であると感じるのは、乗り越えたい悲しい出来事や、何かに対する怒りがあるのかもしれません。状況であったり、環境であったり、他者からの抑圧や、今の時代で起きている出来事…そういうことで自分が摩耗してきた。ですから、自分の「心」が死ぬような思いをした時、残りの人生をどのような形で歩むのかというところに、皆さんの共感が生まれるのではないかと思います。

記者)では鬼殺隊側の視点とは?

植)そうですね。鬼殺隊側ものびのび生きているわけではなくて。酷い半生を過ごしてきた被害者もいます。被害者側も加害者側も何らかの悲しみを抱えていて。本来ヒーロー側にいるキャラクターも、悪として描かれる側のキャラクターたちも、過酷な「運命」の中で、自分の人生の折り合いをどうやって付けていくのかというところが、人々の心を動かしたのかなと。



ポップカルチャーと神話とのつながり探る「神神神」研究会


記者)植さんは、ポップカルチャーと神話とのつながりを扱うプロジェクト「神戸神話・神話学研究会(通称:神神神)」を立ち上げられたメンバーの一人です。そのきっかけは何でしたか?

植)私が所属している神戸大学国際文化学研究推進センターでは、毎年、共同研究プロジェクトの公募があります。ですが、所属する研究員は、専門領域が異なります。その時、共通するテーマとして「神話」を扱うのはどうだろうかと、研究グループ「神神神」が立ち上げられました。「神神神」は、伝承文学、イギリス文学、日本文学、西洋古典、ドイツ文学、歴史や思想史や精神史など、さまざまな分野を専門とする人たちで構成されています。

▼神戸神話・神話学研究会 公式サイト= https://shin3ken.wixsite.com/home



(写真:神戸神話・神話学研究会 公式サイトのロゴ)


植)「神神神」はではポップカルチャーも扱います。ポップカルチャーには、映画・アニメ・漫画・ゲームなど種類がたくさんありますが、私がメインで取り扱っているのは『鬼滅の刃』と『ジョジョの奇妙な冒険』ですね。ポップカルチャー以外の研究テーマもあり、今、私が個人で進めているのは、19-20世紀のドイツ語圏の民間伝承の「植物の迷信」についての研究です。


【前編】では、植さんの専門分野と『鬼滅の刃』とのつながり、植さんが考える『鬼滅の刃』のヒット理由などを紹介した。植さんによると、死者にまつわる神話的な物語と、鬼になった禰󠄀豆子に対する炭治郎の思いは、「たとえ人でなくなったとしても、愛する人は手放せない」という点で本質は同じだという。『鬼滅の刃』の登場人物を文学の視点から読み解いた植さんの記事は、奥が深い。
【後編】では、ウェブメディア「AERA dot.」に植さんの記事掲載を実現させた意外な人物や、植さんの好きなキャラクターなどについて聞く。

▼『鬼滅の刃』人気コラム著者 植朗子さんは伝承文学の研究員【後編】= https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/ecc6c2fe7921b1f27b16df943d11aaa5


(写真:2022年2月27日に予定されている植さんの学術イベント用の名刺。鬼滅の世界観が感じられる。神戸大学をバックに。)



植朗子(うえ・あきこ)
神戸大学大学院 国際文化学研究科 国際文化学研究推進センター研究員。
専門はドイツ語圏の伝承文学、神話学、比較民俗学など。著書に『「ドイツ伝説集」のコスモロジー ―配列・エレメント・モティーフ―』、共著に『〈神話〉を近現代に問う』、『はじまりが見える世界の神話』がある。ニュースサイト「AERAdot.」の連載をまとめた『鬼滅夜話 キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』』(扶桑社)は5刷が決まった。

▼AERA dot.サイト=https://dot.asahi.com
▼扶桑社サイト=https://www.fusosha.co.jp

『鬼滅の刃(きめつのやいば)』
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で2016年から2020年まで連載された吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏の漫画作品。映画化された「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は興行収入400億円を超え、日本映画史上の記録をぬりかえる大ヒットとなった。2021年12月5日からアニメ2期が始まり、現在「『鬼滅の刃』遊郭編」がフジテレビ、TOKYO MXなどで放送中。
作品の舞台は大正時代の日本。主人公の少年・竈門炭治郎は、ある日突然、鬼に家族を殺され、唯一生き残った妹も鬼にされていた。絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、「鬼狩り」の道を進む決意をする。