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神戸大学メディア研ウェブログ

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コロナ禍の教育と学生生活⑤ 学生と教員のコミュニケーションがカギ

2022-03-24 12:30:47 | ニュース
 ニュースネットが神戸大学内で実施したアンケートや取材では、学生も教員も、オンライン授業の利便性を感じていることがわかった。しかし、デメリットとして学生は交友関係の希薄化や集中力低下を挙げた一方で、教員は成績評価の難しさなどを挙げており、オンライン授業に対する考えには、学生と教員では大きなズレがあることがわかった。
 コロナ禍で、学生同士だけでなく、学生と教員が交流する機会も減っている。オンライン授業を活用し、これからの大学教育やキャンパスライフをより有意義なものにするためには、どうすればよいのか。取材を通して、学生、教員の声を相互に知ることの重要性が見えてきた。<笠本菜々美、佐藤ちひろ>


(画像:神戸大 六甲台本館 六甲台第1キャンパスにて)

学生にとってのオンライン授業 便利だが、集中力が続かない
 神戸大生に向けて実施したアンケートでは、2021年度の授業がほとんどオンラインで実施された学生のうち、授業形態に満足している学生から、通学時間がかからないことにより、時間を有効活用できるという声が得られた。一方、オンライン授業だと周囲の目がなく、自分のペースで自由に学修できる反面、自分ひとりで勉強しなければならないことから、モチベーションや集中力の低下に悩んだという学生もいた。また、大量の課題に苦しむ声も多く挙げられた。
▼詳しくは「コロナ禍の教育と学生生活① オンライン授業を問う」

オンライン授業 交友関係や精神面にも影響
 オンライン授業で困ったことについては、交友関係と答える学生が最も多かった。「大学の友達がいないから、課題の相談などできない(法・1)」と、交友関係の希薄化が学習にも影響を及ぼしていることが見受けられた。また、「オンライン授業で一週間が埋め尽くされると本当に外に出なくなるので気分もふさぎ込んだ(文・1)」、「画面を見続けることにより心身に疲れが溜まる(国人・3)」などと、ひとりで長時間画面を見続けることによる疲労や気分の落ち込みを訴える学生もいた。
▼詳しくは「コロナ禍の教育と学生生活②「友達0人」と答える2年生も」

オンラインで受けたい授業がある学生も
 講義の開講形態について、学生は、教養科目はオンライン、専門科目は対面を望む傾向にあることがわかった。また、講義を対面・オンライン両方で受講可能なハイブリッド形式の授業を希望する学生も多くいた。さらに、全ての講義がオンライン・対面両方で受講可能な場合、大学に通いたい回数は週に2~3回とする学生が多かった。

「大学の情報発信」に課題
 国際教養教育院長の大月一弘教授と法学部長の高橋裕教授は、授業形態や試験の形式を決定する際には安全面(感染リスク)を最も重要視したと話していた。感染状況が日々変化する中、安全面、成績評価方法など様々な観点を考慮して判断されているが、その判断基準や理由を明確に説明することがないため、学生からみると納得できない場合がある。大月教授の「学生が大学に何を求めているのか分からない」という言葉と、学生にアンケートを行った際にみられた大学の判断に対して納得できないという声は、両者で十分なコミュニケーションがなされていないことを表しているのではないか。
 大月教授が「大学側はもっと学生に寄り添った細やかな情報発信を行う必要がある」と話したように、大学は情報発信を強化する必要がある。例えば、授業形態に関する学生の意見をもっと広く集めることや、交友関係や精神状態など学習に影響を与える要素にも注意を払うことができるはずだ。また、学生からも納得できない部分に関して声を上げていくべきではないか。
▼詳しくは「コロナ禍の教育と学生生活③ 大学、教員から見たオンライン授業」

オンライン授業は「多長多短」
 教育学を専門とする近田政博教授はオンライン授業について、「一長一短というよりむしろ、多長多短」と話し、メリットとして「コロナ禍のような社会状況でも、まがりなりにも授業として成立すること」を挙げた。一方で、デメリットとして目の疲れや非言語的コミュニケーションの難しさを口にした。コロナ禍での教育に試行錯誤する様子がうかがえた。
▼詳しくは「コロナ禍の教育と学生生活④ 教員も悩み続けたコロナ禍の2年」

過重な課題 「学び」のためではなく「確認」のため?
 バリュースクールの鶴田宏樹准教授は、学生から課題が多いという声が多くあがったことに対し、「授業の理解を課題を出すことで測らないといけないような雰囲気はある。学びのための課題というより確認のためではないか」としたうえで、「知識の獲得ができていても、それを使うための考える時間がないということが一番の問題だと思う。ものを考えることが大事なのであって、課題に追われるのはもったいないと思う」と話した。
 教員は課題に追われる学生の存在を認識し、課題の量を一度見直す必要がある。ある大学関係者は、「会議で『課題の量を考慮してほしい』という話が出ても、末端の教員まで浸透していない」と漏らしていた。大学側は、この構造を変える必要があるのではないか。
 一方、学生側は、問題があると思われる授業については、授業評価アンケートでなどで積極的に意見を出していく必要があるのではないか。

どうなる? 2022年度の授業形態
 学生からはハイブリット授業を希望する声が多く寄せられたが、近田教授は「ハイフレックス(ハイブリッド)型は手間がかかる割に、対面授業に来る学生が回を追うごとに減ってしまう。結局学生の反応も確認しにくく、教員のモチベーションも下がってしまう恐れがある」と話していた。2022年度の授業のシラバスからは、対面、オンデマンド、ハイブリッドなど様々な形式の授業が予定されていることがわかる。教育の在り方、学生生活はコロナ禍で大きく変化している。大学も学生もこの2年で明らかになった課題に向き合い、柔軟に対応していく必要がある。


多機能練習船「海神丸」引き渡し 4月から実運用開始

2022-03-23 23:59:58 | ニュース
 3月23日、神戸大は三菱重工マリタイムシステムズ株式会社と多機能練習船『海神丸』の竣工引渡式を深江キャンパスで実施した。同船は2022年4月から、海事海洋分野の教育研究活動のために活用される予定。<笠本菜々美>


(写真:深江港に着岸した海神丸)

 引渡式には、藤澤正人学長、木戸良明理事、阿部晃久海事科学研究科長のほか大学関係者が列席し、三菱重工マリタイムシステムズからは調枝和則社長をはじめとする関係者が出席した。両者間で引渡書、受領書の授受が行われた後、記念品として調枝社長から藤澤学長に海神丸を描いた絵画が贈られた。


(画像:神戸大サイトのスクリーンショット)

 「海神丸」は、練習船、探査観測船、社会貢献という3つのコンセプトをもって建造された多機能練習船。全長約60メートル、搭載人員は最大65人で、2021年度まで航行していた深江丸よりも一回り大きい。「『海』の『神』戸大学」を象徴する船として、今後の活躍が期待される。

関連記事
▽海神プロジェクトホームページ=https://www.org.kobe-u.ac.jp/kaijin-pj/
▽多機能練習船「海神丸」の竣工引渡式を実施 2022年4月から海事海洋分野の教育研究で活用(神戸大学ホームページより)
https://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/info/2022_03_23_01.html



ようやく「まん延防止措置」解除 制限のない春に

2022-03-21 23:59:16 | ニュース
 兵庫県の「まん延防止等重点措置」が、3月21日に解除された。新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大で、1月27日から発表され、2月20日からさらに延長されていた。入学式や新歓シーズンを控え、制限のない春となる。昨年(2021年)は、3月いっぱい制限がなかったものの、入学式前日の4月5日から「まん延防止措置」、4月下旬の連休前には3回目の「緊急事態宣言」に突入した苦い記憶がある。2022年度は順調に、制限のない春になるのか、予断を許さない状況だ。
 2020年4月以降、兵庫県に「緊急事態宣言」が出された期間は計190日、「まん延防止措置」は計113日で、いずれかの対象となった期間は303日だった。

【これまでの兵庫県の措置実施期間】
2020年 4月 7日〜 5月21日 緊急事態宣言措置
2021年 1月14日〜 2月28日 緊急事態宣言措置

2021年 4月 5日〜 4月24日 まん延防止等重点措置
2021年 4月25日〜 6月20日 緊急事態宣言措置
2021年 6月21日〜 7月11日 まん延防止等重点措置
2021年 8月 2日〜 8月19日 まん延防止等重点措置
2021年 8月20日〜 9月30日 緊急事態宣言措置
2022年 1月27日〜 3月21日 まん延防止等重点措置
(兵庫県サイトから)

(写真下:兵庫県庁。資料写真)






後期日程 462人が合格 入学手続きは3月25日(金)必着

2022-03-20 23:03:02 | ニュース
 神戸大は、3月20日に後期日程の合格者462人を発表した。前期日程と同じく、大学サイト上での発表のみとなった。後期日程の入学手続き書類は3月25日(金)15時までに必着となっている。なお、郵便事情によっては、3月26日(土)午前まで受理する。<島袋舜也>


(画像:神戸大 六甲台本館 六甲台第1キャンパスにて)

 神戸大は3月20日、サイト上で前期のみ募集の経済学部、経営学部、医学部医学科を除く8つの部局の後期日程の合格者462人を発表した。前期日程と同じく、例年各キャンパスで行われる掲示による合格発表は行われなかった。
 
 合格者のもとには「合格通知書」、「入学試験合格者へのお知らせ」などの書類が速達郵便で届けられる。
 後期日程の入学手続き書類は3月25日(金)15時までに「神戸大学学務部学務課」に必着となっている。なお、郵便事情によっては、3月26日(土)午前まで受理する。
遅延などが発生する可能性があるため、書留速達での郵送が指示されている。期限を過ぎたものについては、いかなる理由があっても受理できないため、余裕をもって発送する必要がある。
 なお、入学手続きについての詳細は、「学生募集要項」46~48ページに記載されている。

▼神戸大サイト「神戸大学 令和4年度学生募集要項(一般選抜)46ページ 入学手続き」=https://web-pamphlet.jp/kobe-u/2022b1/html5.html#page=51

(画像下:2022年度<令和4年度>の各学部ごとの後期日程合格者 神戸大サイトより)


 各学部の令和4年度後期日程合格者は次のとおり。(カッコ内は同前期日程合格者、➖は後期日程の募集なし)

文学部 人文学科 26人(83人)

国際人間科学部 80人(265人)
グローバル文化学科 41人(96人)
発達コミュニティ学科 11人(64人)
環境共生学科(文科系受験) 8人(25人)
環境共生学科(理科系受験) 9人(38人)
子ども教育学科 11人(42人)

法学部 法律学科 71人(117人)

経済学部 経済学科 ➖(234人)

経営学部 経営学科 ➖(230人)


理学部 50人(123人)
数学科 11人(23人)
物理学科 16人(26人)
化学科 6人(26人)
生物学科 6人(22人)
惑星学科 11人(26人)

医学部 医学科 ➖(92人)
医学部 保健学科 30人(142人)

看護学専攻 13人(78人)
検査技術科学専攻 13人(30人)
理学療法学専攻 4人(15人)
作業療法学専攻 ➖(19人)

工学部 121人(466人)
建築学科 20人(75人)
市民工学科 16人(49人)
電気電子工学科 22人(74人)
機械工学科 21人(88人)
応用化学科 22人(86人)
情報知能工学科 20人(94人)

農学部 44人(128人)
食料環境システム学科 生産環境工学コース 6人(23人)
食料環境システム学科 食料環境経済学コース 3人(8人)
資源生命科学科 応用動物学コース 8人(21人)
資源生命科学科 応用植物学コース 7人(24人)
生命機能科学科 応用生命化学コース 8人(31人)
生命機能科学科 応用機能生物学コース 12人(21人)

海洋政策科学部 40人(175人)
海洋政策科学科 理系科目重視型 40人(144人)
海洋政策科学科 文系科目重視型 ➖(31人)

全学部合格者数 462人(2055人)






7年ぶりに応援団チア復活 準硬式野球の開幕戦で初陣

2022-03-20 14:30:39 | ニュース
 神戸大応援団総部応援団チアが7年ぶりに復活し、3月17日に行われた準硬式野球部の春季リーグ開幕戦で初陣を飾った。2018年に学ラン姿のリーダーによる応援が復活したのに続き、チアリーダーによる応援も復活したことで、応援団が完全復活。現在は3人のチアリーダーで活動しており、応援団の新歓活動の中でチア希望のメンバーも募集する。<塚本光>


(写真:スタンドで応援する応援団チア。2022年3月17日京都市右京区のわかさスタジアム京都で。)

 神戸大応援団総部応援団チアが、3月17日に開催された関西六大学準硬式野球連盟春季リーグ、神戸大対関学大の一戦から再始動した。

 2015年に部員減少で活動停止した応援団。2018年に学ラン姿のリーダーによる応援は復活していたが、チアリーダーによる応援は未復活だった。メンバーの弓場鈴響さん(国人・2)は、当初マネージャーとして入団したときから、現在の応援団長である古田徳幸さん(済・3)に「チアを復活させるときには一緒に頑張ってほしい」と言われていたという。

 今年度のはじめ、古田さんが団長に就任した際は、2022年度からの再出発を予定していたが、弓場さんと同じく応援団に所属する太田穂華さん(保・2)とで「早くやりたい」と強く希望して認められ、2人で活動を始めた。現在は後輩の河村愛菜さん(文・1)も加わり、3人のメンバーで活動している。

 準硬式野球や硬式野球での応援はすでに決定しており、タッチフットやラクロスなどでの応援も目指す。アメフト部専属のレイバンズチアとの兼ね合いは、今後話し合って決めていくが、アメフトの試合中応援団チアは、観客の誘導を主に行うことを考えているという。

 17日の試合後、チア部門の復活に際して古田団長は、「踊りはほめられるけど、笑顔とか他の姿勢がまだまだだから、もっとやっていかないと。」と語った。


(写真:インタビューを受けるメンバー 左から太田さん、弓場さん、河村さん。2022年3月17日京都市右京区のわかさスタジアム京都で。)

3人のメンバーは試合終了後にインタビューに答えてくれた。内容は以下の通り。

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記者)練習で苦労した点は?
弓場さん)振り付けも決まっておらず、衣装もメンバーや応援団の幹部の人たちと話し合って、その中で神戸大の応援団らしさを表しつつも私達が追い求めるチアの姿を実現できるにはどうするのか、を話し合うのが苦労したなと思います。
太田さん)ルールがないものを作るので、決まりごとを作ったり、雰囲気作りとか、ないものを0から色々作るのが苦労しました。

記者)その「神戸大の応援団らしさ」とみなさんが「追い求めるチアの姿」とは?
弓場さん)応援団らしさについては、個人の意見なんですけど、私が1年生から習得してきた中で、どういう姿勢で試合に臨み、選手たちと向き合ってきたかというのを意識しました。
太田さん)私は、応援団は昔からの少し必要性があるか疑問を覚えるしきたりとか、効率的じゃないことも多くて、昔からあるものを今に適応できるように少しずつ形を変えていけるようなことができたらいいなって思ってます。
弓場さん)応援団チアでは昔からの振付けが受け継がれている場合が多いんですけど、私たちはせっかく復活するということだったので振付けやユニフォームに今の流行りを取り入れて、ここから次入ってくる後輩たちと作り上げて、受け継がれていく礎を作ることを目指して、今は頑張っています。

記者)ユニフォームは今回新しくした?
弓場さん)みんなで色とか形とかを考えて、業者の人とも相談したりして作りました。タスキみたいなデザインが可愛らしいかなと思います。大学の色であるブリックカラー(煉瓦色)と可愛い色を組み合わせたのと、白で爽やかさを出しました。
太田さん)わたし的には学ランと並んだときに良く見えるのを意識しました。

記者)本番で感じたことは?
弓場さん)練習で違った点で言えば、踊りっぱなしの時間とかが全然違うので体力をもっとつけないといけないですし、振りとかも、相手の応援とかを見てまだまだ足りないなと思ったので、練習が必要と思いました。良かった点で言えば、実際に選手がいる場で応援できたので、アドレナリンも出て、全身で表現して、応援を届けよう、という気持ちになれたのでそれは応援のいいところだなと思いました。

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