金沢ミステリ倶楽部

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第30回例会「2010年読んだ本ベストを語る」&「黄色い壁紙」読書会

2024年06月13日 18時26分31秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第30回例会は2011年1月22日、参加者は12名で「2010年読んだ本ベストを語る」と、シャーロット・パーキンズ・ギルマンの短編『黄色い壁紙』を当日読んで、合評をしました。
合評した『黄色い壁紙』ですが、事前に質問を送りました。
Q1今回の「黄色い壁紙」のような狂気と超自然の裡にあるような怪奇小説で、ご存知のものがありましたらぜひ教えてください。
Q2近代的なゴースト・ストーリーは怪異の源を人間の内側に求めていくようですが、ゴースト・ストーリーに限らず、いわゆるミステリ全般で、そのような作品、ご自身がよくできた作品だと思われる作品を教えてください。(できれば日本のもの、海外のもの両方を)
「感情のテンションがずっと一定なので、どこでおかしくなったのかわからない。そこがうまくてこわい」
「子どもを産んでおかしくなったのか、壁紙にとらわれておかしくなったのか。霊的なものよりは狂気の世界に傾いていて、きれいにまとまっていると思った。主人公の女性もわかりやすく書いてある」
「壁紙をはずしたのではなくて、自分の皮膚を剥いだのでは?」
「後半にいたって、夫のジョンが何か犯罪をかくしているのではと思った」
「自分の内面性を分析して書いていくのは主題としては古いかも。でも巧みに書いている」
「なぜこんな本を書こうと思ったのか、変身願望なのか?さっぱりわからないが、乱歩なんかとシンクロした読後感があった」
「本格好きとしては、この部屋に何かがあった、とか、ジョンがこの部屋で殺人を犯した、とか思った。想像させる材料としては面白い」
「読んでる私がおかしくなりそう(笑)。ミステリっぽくないし、オチがない」
「淡々と書いていて、下品じゃない」などなど。
この作品を読んで思った他の小説としては、乱歩作品(「芋虫」「鏡地獄」「赤い部屋」などなど)。「新耳袋」から「山の牧場」、ハリー・クレッシング『料理人』、恩田陸『私の家では何も起こらない』、サラ・ウォーターズ『エアーズ家の没落』、S・キング『シャイニング』、小池真理子『墓地を見おろす家』、夢野久作『ドグラ・マグラ』、ポー『黒猫』『アッシャー家の崩壊』『落穴と振り子』、綾辻行人『人形館の殺人』など。
 漫画では、楳図かずお、伊藤潤二、花輪和一などの名前があがりました。

◆近況報告
読んだ本『虐殺器官』『ハーモニー』(伊藤計)『爬虫類館の殺人』(カーター・ディクスン)『殺人はディナーのあとで』(東川篤哉)『黒と愛』(飛鳥部勝則)『密室殺人』(鮎川哲也)『占星術殺人事件』(島田荘司)『錆びた炎』(小林久三)『忠臣蔵 元禄十五年の反逆』(井沢元彦)『人形はなぜ殺される』(高木彬光)『優しい密室』(栗本薫)
『人形館の殺人』(綾辻行人)『推理小説』『独白するユニバーサル』『麦酒の家の冒険』(西澤保彦)『空の境界』『骸の爪』(道尾秀介)『私の男』(桜庭一樹)『神々の遺品』(今野敏)『北斗七星の迷宮』『死の蔵書』『折れた竜骨』(米澤穂信)『エコパーク』『スイス時計の謎』(有栖川有栖)『ディーン神父の事件簿』
観たドラマ「相棒」「フェイク」「レディ」「美しい隣人」「悪党」「コントロール」「ケイゾク」「フレンジ」「大聖堂」「国選弁護人」「SPEC」
映画 実相寺監督の「D坂」「屋根裏」「一寸法師」「ファムファタール」「ボディダブル」「変態村」「スペースシップヤマト」


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