８年ぶり

　しずお（沖静男騎手）から声をかけられた。ずいぶんと久しぶりだ。
　名古屋から金沢に行って８年がたつ。ボウズだったのが三十路を迎えている。同期は宮下瞳騎手。

　笠松で乗った記憶はほとんどない。今ほど誰しもが出張に行く時代ではなかった。厩舎に使いに行く馬がいても、彼の場合、荒巻（現調教師）、福重と二人の兄弟子がいた。

　くよくよくよくよする性格で、時にはオレが叱りつけたりしたこともあった。
　しかし、当時、トレセンで『ナンバー２』の“○ょ○○”といううらやましい話もあった。

　とにもかくにも乗り続けている。８年ぶりはたまたまではなく、離れた地に戻るのにそれだけの年月を要したのだろう。

　来て早々に一本、勝てたのもよかった。

　「ショウゴ（福重騎手）にも会ってこいよ」と言い含めた。

暮れに落馬骨折で入院中の尾崎騎手。来週末には退院の予定。春にはリスポンスフウジンで他場の短距離のレースに行きたいと目を輝かせる。
　「３月の末に大井で短距離のレースがあったと思ったけど…」。
　こう言われたけど、オレの記憶にはないなあ。何かあったかなぁ。