LITTLEWHEEL Modeler's Diary

モデルフィニッシャー北澤志朗が、カーモデル作りに明け暮れる日々の暮らしを赤裸々に綴ります。

メルセデス・ベンツ540K(イタレリ)

2009年03月28日 14時28分39秒 | キット入手
ヤフー・オークションで落札。そんなにレアなキットじゃないけど、この手のキットって入ってくる数が限られてますから、欲しいな、と思っても普通に店頭で見つかるものでもないんですね。
こういうのはほんと、ネット・オークションが頼りです。

イタレリのこのキット、現在はカタログに載っていませんが、絶版と言うよりは生産休止中、という感じかと。同じシリーズのロールスロイスとブガッティ・ロワイヤルは最近再販されましたから、これもいずれ再販されるでしょう。
キット自体はそんなに古いものじゃなく、パッケージには1994年とあります。フェラーリ250GTOあたりよりもむしろ新しい金型かもしれません。

Kシリーズと言えば、戦前のメルセデスのオーナードライブ系では最高峰。SSやSSKみたいなスポーツカーではなく、ゴージャスなパーソナルカーです。このカブリオレは4シーターですから、今でいえばSクラスのクーペあたりに相当しますね。いかにもゲルマンという感じの重厚長大なスタイリングは、まさに王者の風格。
メルセデスはボディを社外のカロッツェリアに委ねる事は滅多に無く、ジンデルフィンゲンの自前のボディ工場でコーチワークをしましたから、540Kも大半はファクトリー・スタンダードのボディを着ています。

ちなみに、この時代のメルセデスの2ドア・カブリオレには、A/B/Cの3種類があります。
Aは2シーターもしくは3シーターでソフトトップが小さめ、サイドウィンドウがドア窓のみ。
Bは4シーターでトップ大きめ、ドアの後ろにリアクォーター・ウィンドウ有り。
Cは4シーターでトップもキャビンも一番大きく、リアクォーター・ウィンドウが無い奴、という区別です。
Aはスポーティ、Bはちょいフォーマル、Cはフォーマル最上級、という感じでしょうか。個人的にはCは霊柩車みたいであんまり好きじゃないのです。

このイタレリのキットはカブリオレBですね。個人的にはこれが一番スタイルのバランスが良いと思います。
モノグラムも1/24で540Kのカブリオレをキット化していますが、あちらはカブリオレA。昨年だったか、やはりヤフー・オークションでバンダイ版を手に入れました。年式はこれとほぼ一緒のようで、フェンダーなどのデザインもそっくりですが、キャビンとトップが小さいので、ロードスターに近い感じ。2台並べたら良い絵になるなぁ。

内容は割とアッサリしていて、パーツもそんなに多くないし、作りやすそうな感じです。先日入手したエレールのデラへイやブガッティのキットが、ラダーフレームまで再現した実車さながらの構成なのとは対照的に、こっちはフレームはフェンダーと一体で、フロントの一部のみ別パーツになっています。
前後サスペンションや駆動系は、結構キッチリ再現されてます。この時代のクルマは縦置きリーフの原始的な足回りのイメージが強いですが、メルセデスは前ダブルウィッシュボーン、リアはツインコイルのスイングアクスルで、ちゃんと4独です。

エンジンもきっちり再現アリですが、なぜかフロントフードは外れない構造です。(最初この記事をアップした時、吸気系が省略されていると書いちゃいましたが、アレは間違いでした。実物のエンジンの資料を当ってみたら、そうじゃない事に気が付きました。540Kのエンジンは吸気も排気も右側にあり、左側はノッペリしてるんですね。)
フードは簡単に切り離せそうですから、脱着式に改めると面白いかも。ただし、ステアリングシャフトやスカットルの補機類を作り足す必要はありそうです。

面白いのはタイヤで、なんとゴムではなくモナカ合わせの普通のプラパーツです。まあ劣化などを考えると、この方がかえって良いかもね。
ホイールは当然ながらプラパーツですが、表裏2枚重ねでキレイに抜けてます。スポークは結構細く繊細だし、金属線に替えたりしないでこのまま使っても良さそうです。

ボディは、2トーン塗装をやりやすいようにという配慮か、側面パネルが別パーツになっています。箱絵はボディ上面とフェンダーがブラウン、ボディ側面がクリームですが、ライトブルー/アイボリーとか、ブラック/レッドとか、実車には色々な配色があります。
軍用車みたいなホイールまでベタ黒というのもあり、これも凄みがあってカッコ良い。

ファクトリーシールドそのままだったので、中身は全くのまっさら状態。メッキパーツの状態もすこぶる良好でした。
ラジエーターグリルやエンジンフード側面のルーバーグリルあたり、細かいモールドがなかなか繊細で、イイ感じです。イタレリのキットは中袋が無く、パーツ同士が擦れ合って傷がついてる場合も少なくないんですが、このキットはメッキのランナーが一番上に乗っていて、その下に説明書をかましてありました。
また、クリアーパーツだけは、ちゃんと袋に入っていました。

落札価格は1000円でした。送料入れても2000円しないというのは、なかなかリーズナブル。イタレリのクラシックカーはまだ全然持ってないので、今年の蒐集テーマの1つであります。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
かっこいい~♪ (松田 乱暴丑)
2009-03-29 18:27:16
こんにちは 松田 乱暴丑です。

540Kかっこいいですね。ずいぶん前に洋書で「ファナティック・メルセデス」(だと思った)という本に出てたカスタムされた540Kがかっこよくて、いつか作りたいと思っておりました。
ノーマルとカスタムの両方を並べたいのですが、オクで出物をみかけても何故か二の足をふんでしまって…。
まぁあの本も手元に無いので、カスタム仕様も作れるかどうか微妙ですが(笑)
ということはキット複数に資料もそろえて…ウーン、金がかかりますな。やっぱり我慢か…。でもこの物欲はいかんともしがたいものが…(ループ開始)
返信する
カスタムですか! (kitazawa)
2009-03-30 00:43:38
540Kをカスタムすると言うのは、なかなか勇気がいるというか、凄い事をする人がいるもんですねえ。
この時代のクルマは、もはやただの古いクルマではなくて、ある種の「文化遺産」ですから、下手にいじったりすると風当たりは相当強そうですねえ。
アメリカの一部のマニアは、やたらとクロームメッキを多用してオリジナルの良さをぶち壊しにするようなレストアをしますが、アレはヨーロッパのクラシックカーマニアからは非難囂々らしいですよ。
趣味ってのは好きずきだから、その辺のさじ加減が難しいんですよね。

その点、模型は何でも気軽に楽しめるのでイイですよね。イタレリの540Kをホットロッド風味にカスタムしても、怒る人はいませんから。自由に楽しみたいもんです。
返信する

コメントを投稿