LITTLEWHEEL Modeler's Diary

モデルフィニッシャー北澤志朗が、カーモデル作りに明け暮れる日々の暮らしを赤裸々に綴ります。

「アイ・アム・レジェンド」見てきました

2007年12月27日 21時50分58秒 | 映画&小説関連
リチャード・マシスン原作と聞いちゃ、見ない訳にはいきません。

マシスンと言えば、モダンホラーの先駆的な作家の一人です。
映画化された作品に佳作が多い事でも知られていまして、スピルバーグの「激突」や、幽霊屋敷ものの傑作「ヘルハウス」も彼の小説が原作です。また、いろいろなテレビドラマの脚本や原案もこなしていて、映像に縁の深い作家なんですね。

この映画の原作は、現在は同タイトルの翻訳が出ているようですが、私が中学生の頃に読んだ翻訳本のタイトルはたしか「地球最後の男」でした。
この小説、実は今回が初映画化ではなく、60年代と70年代に2度映画になってるのね。

その70年代版の方が、チャールトン・ヘストン主演の「オメガマン」。夏休みのテレビのお昼の映画枠でズタズタにカットされたのを見た事がある人、多いはずです。
まあハッキリ言ってかなりのB級でしたが、その後のゾンビ映画に多大な影響を与えたと言われていたりします。

なんて事は、実は見終わってパンフを読んでいるうちに思い出したんですね。
「アイ・アム・レジェンド」、「オメガマン」のリメイクでは断じて無いです。全然比較にならない位、キチンとした映画。

ウィル・スミス主演という事で、ハリウッド製アクション・バカ映画を期待して見に行くと、裏切られます。これが意外にも、非常に格調の高い、精神性に富んだ佳作なんだな。
ウィル・スミスってマジな演技もちゃんと出来る人だったんですよね。「アリ」とか「幸せのちから」とか、良かったですもんね。
演技と言えば、主人公の相棒のシェパード犬、サムがまたイイ。犬好きにはたまりません。泣かせてくれます。

この映画は、人類の破滅を描いている訳ですが…
これまで、破滅ものというと、破滅の過程を描くパニック映画や、破滅を防ぐヒーローの活躍を描くアクション映画、多々ありました。また、人類が破滅した後の遥かな未来世界を描いた映画も沢山ありましたわね。
しかし、この映画は違います。なにしろ、人類が破滅したのはホンの数年前で、主人公はそれを生き延びて、たった一人で取り残されてる。

しかし、滅びているのは人間だけで、世界は、自然は滅びていない。全く無人で草ぼうぼうになった大都市の景観が出てきますが、我々がニュース映像とかでよく見ている街の景色だけに、なかなかショッキングです。
大通りに延々と乗り捨てられた自動車の列の中をぬうように、無数のガゼルの群れが走り回るさまは、人間がこの世界の主役でなくなった時に、一個人がどれほど無力な存在に成り果てるかを、まざまざと見せつけてくれます。
優れたSF映画は、その映像の衝撃によって、観る者にある種の意識の転換を迫るもの。この映画には、明らかにそういう力がありました。

脳天気なクルマ&模型好き視点から言うと、しょっぱなで大活躍する真っ赤なフォード・マスタングGT500。メチャメチャカッコよろしいです。
現行マスタングはレベルから出てましたよねえ。やばい、また作りたいキットが増えちゃいました。



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2 コメント

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>オメガマン! (rocketeer)
2008-01-01 11:19:10
と言うタイトルだったのですね!
随分子供の頃、TVで一度だけ見た記憶があって、タイトルがわからなかったんです。ありがとうございます。
ゴールデンゲートブリッジ(かな?)の上に延々と続く放置された無人の車列や、マネキン相手に話をしたりする姿がすごく印象に残っています。
ウィル・スミスは好きな黒人俳優の一人なので、見に行きたいなあと思いつつ、結局DVDで見る羽目になるような気もして、やばいなあ。
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マネキンのシーン (kitazawa1961)
2008-01-05 10:29:44
今回もかなり重要なシークエンスとなっています。
私は実はマネキンがヒジョーに苦手です。どーも子供の頃から「リアルな人形」全部気持ち悪くてNGなんですよ。
そういう意味では、この映画、私にとっては結構ホラーな雰囲気でしたねぇ。マネキン大活躍なんですもん。
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