行政書士 北東事務所ブログ (入管実務)

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家族で永住申請することは?

2011年11月07日 | 入管実務
 私のHP「外国人サポートセンター」に投稿した記事です。

設問:私は、日本に在住して10年以上となり、最後の5年間は就労資格で在留していました。3年前に結婚して、一昨年に出産して、現在2歳の子供(家族滞在で、在留期限が2011年3月末)がいます。勤めていた以前の会社を1年前に退職して、今年4月には、別の会社に再就職しました。夫は日本在住が9年で、7年間は就労資格で在留しています。

 また、子供を私の上海の実家に預けており、今年の9月には日本に呼び戻す予定です。

 そこで、私は、永住者の申請を考えているのですが、やはり、私がまず単独で申請して、許可後に夫と子供が申請した方がよいのか、それとも家族全員で申請する方がよいのでしょうか?


回答:まず、お子さんを永住者として申請することができません。申請時には、日本に在住している必要があるからです。ご存じのとおり、永住者として認められるためには、次の要件を満たす必要があります。

(1) 素行が善良であること。

(2) 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。

(3) 申請者の永住が日本国の利益に合すると認められること。

 ここで、上記の(3)の「日本国の利益に合する」とは、非常に抽象的な文言ですから、法務省入国管理局は、次のとおりガイドラインを示しています。

(1) 原則として引き続き10年以上、日本に在留していること。この期間の内、5年以上は就労資格で継続して在留していること。

(2) 最長の在留期間で在留していること。例えば、就労資格で在留していれば、3年の在留期間であること。

(3) 日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実態を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していること。その実子等の場合は、1年以上日本に在留していること。

 貴方が、子供の育児のために退職された1年間については、就労されていませんが、私は、就労しないことに合理的な理由があるため、基準は満たされていると考えます。
 しかし、入国管理局の審査官がどう判断するかは、分かりません。
 また、ご主人は、在留期間を満たされておられませんが、私はお二人で同時に申請されることをお勧めします。と言いますのは、一人分を申請するのも二人分を申請するのも手間はほとんど同じだからです。そして、申請される場合、お二人ともが、能力の高いことをできる限りアピールしてください。それは、「10年、5年」という基準は、あくまでも「日本国の利益」というフレームの範囲内の基準ですから、お二人が日本で永住されることが、日本国の利益に適うことをアピールしていただきたいのです。

 ただし、家族との同時申請には、申請の中心となる方(「本体」という。)について何の問題がない場合でも、家族に不許可事由があるため、本体も併せて不許可になる場合がありますので、御御注意ください。
 
 また、お子さんについては、貴方が永住許可を受けてから申請されればよいでしょう。