行政書士 北東事務所ブログ (入管実務)

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在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請における在留資格該当性について

2014年08月22日 | 入管実務
 次は、FBで質問された方に対する私の回答です。

質問:夫(家族滞在) → 「投資・経営」
   妻(留学)   → 「家族滞在」

 上記のような、二人の在留資格変更許可申請を同時に申請した場合において、妻の在留期限が切迫している場合、地方入管は、夫の審査が未了であっても、その申請が許可できる可能性が高いと判断する場合には、妻の家族滞在への変更を先行して許可しています。

 ここで、問題があります。

 妻が許可される場合、「家族滞在」の在留資格該当性は存在しません。家族滞在とは、他の在留資格(一部を除く、以下「本体」という)もって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子に対して、許可されるものだからです。本体が、存在しないのです。それでは、在留資格該当性が、存在しなくとも良いのでしょうか?

私見:
 まず、在留資格該当性は、入管法別表第一に規定されていますので、“法”そのものです。ですから、在留資格変更、在留期間更新の場合においても、許可されるための必要条件と考えられます。

 さらに、法務省入国管理局は、次の平成24年改正付け「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(改正)」の柱書のただし書において、「以下の事項のうち,1の在留資格該当性については,許可する際に必要な要件となります。」と同入国管理局の見解を表明しております。
http://www.moj.go.jp/content/000099596.pdf

 しかし、私は、法務省令で定める上陸許可基準を含めて、在留資格該当性を準用する旨の規定を法20条(在留資格の変更)、法21条(在留期間の更新)に挿入されなかった“不備”だと考えています。

 私見のように考えると、本体が存在せず、妻の家族滞在への許可が先行したとしても、また、たとえ、本体の資格変更が不許可となった場合でも、入管法違反という矛盾が生じないことになります。

 さらに、本体が許可される前に、本体が、公務執行妨害罪や傷害罪で罰金刑を科せられた場合は、本体の申請は不許可になる可能性が高いです。このような場合、妻の先行した資格変更許可が、入管に対して本体の許可を拘束させる必要はないと思います。
以上です。