行政書士 北東事務所ブログ (入管実務)

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在留資格「投資・経営」への変更許可申請に係る500万円の投資額について

2011年11月03日 | 入国・在留審査要領
 在日外国人の方が、在留資格「投資・経営」に変更許可申請をする際には、基準省令で「二人以上の本邦に居住むする者(中略)で常勤の職員が従事して営まれる規模のものであること。」と規定されています。

 また、この「営まれる規模」について、「総合規制改革会議の『規制改革の推進に関する第3次答申』に関する在留資格認定」の記(4)で、「最低でも500万円以上の投資が必要となります。」と記載されています。
 この「500万円以上の投資」とは、申請時において500万円以上の投資がされている必要があるのか、それとも、年間に500万円以上の投資が見込まれる必要があるのか疑問が生じました。

 私見は、申請時に500万円以上の投資がされている必要はなく、あくまでも年間に500万円以上の投資が見込まれることが必要であると解します。ただし、年間に500万円以上の投資が見込まれるかについては、あくまでも事実認定に関わる問題ですので、申請案件によっては認められる場合もあるが、逆に、認められない場合もあると解します。

(参考)
 行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づき取得した『入国・在留審査要領』について
 (1) 平成21年3月付け複製版である『入国・在留審査要領』の「第3分冊第12編 第9節 投資・経営」には、「新規事業を開始しよう
   とする場合は, (中略) 投資されている額が500万円以上であり」(40頁)と記載されています。この記載からすれば、明らかに新規
   事業をする際には、500万円以上の投資を必要とします。
 (2) しかし、平成22年3月付けCD-R版の『入国・在留審査要領』の同じ箇所では、記載内容が変更されています。「新規事業を開始し
   ようとする場合は」が、削除されています。この削除から直ちに、「新規事業を開始しようとする場合」に500万円の投資が必要
   ではないとは言えないでしょう。ただ、興味深い規定の削除です。
 (3) さらに最新の平成23年3月付け CD-R版の『入国・在留審査要領』についても同様です。
 (4) ただし、留学生が就労の期間を持たないで「投資・経営」への在留資格変更許可申請をする場合には、「起業に必要な資金として
   500万円以上の資金を調達していること。」については、最新版(「第3文冊第12編第21節 留学 第13 2 要件)においても変更は
   されていません。