銀の匙かげん

後味よい 究極ハッピーエンドをめざす
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ぼちぼちと 備忘メモとして

Dear フランキー

2009-05-21 | 映画
2004年 イギリス
監督: ショーナ・オーバック
脚本: アンドレア・ギブ
撮影: ショーナ・オーバック
編集: オーラル・ノリー・オテイ
音楽: アレックス・ヘッフェス

エミリー・モーティマー
ジェラルド・バトラー
ジャック・マケルホーン
メアリー・リガンズ
シャロン・スモール
ソフィー・メイン

★★★★★

耳に障害のある息子と転々とした生活をするリジー。それは夫の暴力から逃げるため。彼女は月に二度、父親の振りをして息子に手紙を出します。その秘密が、温もりある結末へと導きます。
女性監督ならではの細やかさ、小道具によるわかり易い愛情表現、それはバックに流れる音楽にも表れます。(ジェシー・ハリスの曲が・・・もう集中)
とにかく隅々にまで説明が行き届いた脚本で、出てる人全員に情が沸きます。

冒頭のマリーとの会話
「息子は言葉が・・・」
「充分通じたわ 賢い子ね」
「難聴の割に」
「年のわりに」
ここでもう映画の方向がみえ、胸が熱くなり涙腺開きモード。マリーをまず好きに。
毒舌でヘビースモーカーだけど、本音の会話でゆっくりわが子を助け守るおばあちゃん

フランキーの難聴の原因は夫なのに、真実は告げず、船乗りで世界中を旅していると嘘をつき悩むリジー。想像力とはこんな風にして、知識や教養を生かすんだと、はっとさせられます。(子供に自分のうっぷんを晴らさないなんて)賢い人です。フランキーの母ですから。

バトラー目的だったのに、フランキーや生意気な友達もかわいく いつの間にか応援しているのです。
もちろんバトラーは素敵です。草食が多い中 清潔な濃さ、貴重な人だと思います。別れの手を振るガチンとした崩れない動きがいいなあ。
勿論、ダンスの帰りの二人 夫との事を話した後のシーン

「フランキーはとても幸せだ」
「なぜ言えるの 私は嘘つきの母親よ」
「違う 君は彼を守ってるんだ」
バトラー同様 観てるこちらもそう語ってしまう。正直でかわいい、賢い母親。すっきりです。

バトラーから渡された石をそっとポケットにしまうフランキーや、バトラーがフィッシュアンドチップスを注文し、フランキーが嫌な顔をした時、マリーがいう「野菜嫌いのベジタリアンさん」のセリフ。(なるほど、熱帯魚好きですから)
指輪やウェディングドレス。 暴力を振るった夫を憎んでも、フランキーの父親を否定・抹殺していない。再会した夫に父親似の賢い息子だと伝え 手紙で憧れの存在にしてる
罪を犯した実父も最期には許しを乞い、息子に会いたがる その橋渡しの姉

別れのキスシーンはないほうが・・・? そんな速い展開より、ハグでの別れのほうが余韻が残るのではと思ったりしますが、うれしいシーンです。
などなど すべての人物に愛情を注いでいて、後味がいいです。女性ならではと感じる脚本でいい映画でした。

フランキーがいつ父親のことを知ったか、謎が残るところですが、私的には、最初の手帳に挟んである写真(父親の部分をカットした写真)を手に入れた時点で、父親の顔は知っていた。だからバトラーを見たとき、疑ったのかな?利口で思いやりのある子供ですから。

フランキー役のジャック・マケルホーン、斜に横を向く姿や目の動き、すばらしい。いじくられずゆっくり成長してほしい。

「猟人日記」のジャック・マケルホーンとエミリー・モーティマーも存在感ありました。でもこちらはすっきりしない後味よろしくない作品だったような。

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