銀の匙かげん

後味よい 究極ハッピーエンドをめざす
これまで観た好みの映画のことなど 
ぼちぼちと 備忘メモとして

いつか眠りにつく前に

2009-05-28 | 映画

「いつか眠りにつく前に」!なんてストレートな邦題。
『いつか』がぼんやりしなくなった人には、きついなあ~。
でも、原作も読んだし、このキャスト。
「リトルチルドレン」で気になったパトリック・ウィルソンもでてるし・・・乗り越えました。

人生の最後を迎え寝たきり状態のアン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)。そんな母を見守る父親の違う二人の娘。
アンには、歌手として夢を抱いていた頃の、忘れられない出来事がある。
意識が薄れるの中、昔の恋人ハリス(パトリック・ウィルソン) の名を呼ぶ母、その傍にいる娘、混乱しながらも深く理解しあう母娘。そしていつか・・・

ヴァネッサ・レッドグレーヴが上手くて、どうしても比べてしまう若き日のアン役、クレア・デインズ。 眉間のしわが気になるけど(大げさに思えて)、頑張って真摯に演じている。純粋なころだからね。

作品的には、ベテラン二人の共演が話題で、圧巻でした。
が、豪華女優陣を邪魔しない、パトリック・ウィルソン 、ヒュー・ダンシー にも目を向けたい。
結婚式でのアンとハリスの歌うシーン。パトリック・ウィルソンの歌声が~~~
抑えてました。もっと聞きたいけど、ミュージカルではない。残念。

ジャズ通のうちのボンド氏に 『TIME AFTER TIME』いいのある?と聞いてみると、即効、CDの山の中から『Chet Baker Sings』がでてきた。
気だるく中性的な声。働きたくなくなる、危ない世界です。
My Funny Valentine  沈みこみます。
破滅的な人や世界に惹かれてしまう癖がある  私のMy favorite に。

アンとハリスの雨の再会の場面、色のトーンが変わり、しっとり ぐっと迫るものがあった。二人が似合ってて大好きなシーン。なぜか「追憶」のラストを思い出してしまう。他にもこの映画、アイリスだったり、君読むだったり、題材が似ているせいか、重なってしまいます。私だけかな?
『つぐない』を観た後だったので、ヴァネッサ・レッドグレーヴもだぶったし。
子供とのピアノを弾くシーン、温かくてじんわりきます。

バディ役のヒュー・ダンシー、思いがけず発見でした。若い頃のロバート・ショーン・レナードのようで、地味なんだけど、きらきらした目が素敵なんです。注目してると、やはり、いい役まわってきてました。『ジェイン・オースティンの読書会』(ここでも女性に囲まれてるハーレムくんでした)この映画以上によかったです。これからも・・・

バディは原作にはないけど、この人の話だけでも 一本作れそうな掘り出しキャラではないでしょうか?
『いつか バディの話を』 スーザン・マイノット様。

監督: ラホス・コルタイ
原作・ スーザン・マイノット
脚本: マイケル・カニンガム
スーザン・マイノット
音楽: ヤン・A・P・カチュマレク

クレア・デインズ
ヴァネッサ・レッドグレーヴ
メリル・ストリープ
トニ・コレット
パトリック・ウィルソン
ヒュー・ダンシー
ナターシャ・リチャードソン
マミー・ガマー
アイリーン・アトキンス
★★★☆☆

父親の扱いや、二人の濃密度などなど うーっん?なので

クレア・デインズ とヒュー・ダンシー結婚へ。ダンスシーンは本物だったのね。
ナターシャ・リチャードソン、親より先に亡くなるとは、悲しい。
実人生では、逆の立場になるとは、なんて世の中残酷で皮肉なんでしょう。



アンソニー・ミンゲラの世界

2009-05-27 | 映画


朗読者「愛を読むひと」や「ナイン」の公開を待ってる今、アンソニー・ミンゲラが故人であるのはとても残念。
人を見つめる視点とその繊細さ、温かいユーモアと独特なバランス感覚。惹き付けられる世界です。ミンゲラとは、時代を同じくしているせいか、安心してみていられた。
近頃では、関ってたものが「これもなの?」と驚くほど話題のものばかりが残っていて、これからも楽しませてくれる才人なのです。

初めてしっかりと認知したのは「リプリー」。
原作が同じでも「太陽がいっぱい」とは別物という出来で、アメリカとフランス、音楽もジャズを小道具にしたりと、違う味わいをみせてくれている。
リメイク?ものが前のものを超えるのは滅多にないので、エッ誰これ!状態。
ジュード・ロウとともに、私の中に刻み込まれたのです。
 
「太陽がいっぱい」をDVDで改めて観た。なんて完成度の高い映画だったのでしょう。あの当時はドロン派ではなかったが、今はやはり美形がいい。時間の流れで発見できる楽しみもあるようだ。

リプリーでは同性愛的な傾向を強く出してるが、私的には、本家での(時代もあるが)隠した表現のほうが、秘かな楽しみがあった。
モーリス・ロネとアラン・ドロン 、美形な二人ですから・・・
まあマット・デイモンが相手だから、必要だったかもね。

ジュード・ロウと組んだ「こわれゆく世界の中で」は、いろんなテーマが絡んだ内容で、特に移民の話が核となり、辛くても希望あるラストで、見ごたえがありました。ミンゲラ自身の経験も反映されてるようで。ジュリエットビノシュ、ロビンライトとの共演もうれしい。

「イングリッシュ・ペインシェント」は、コリン・ファースお目当てで、レイフ・ファインズに魅入ってしまった。
どうしても、イギリスの俳優に目がいってしまうのはなぜだ?ダニエル・デイ=ルイス ジェラルド・バトラー ヒュー・ダンシー・・・・まだまだ

他にも、最高の恋人 アイリス つぐない コールドマウンテン フィクサーなどなど もう一度観たくなるものばかりです。


アメリカ,家族のいる風景

2009-05-22 | 映画


原題: DON'T COME KNOCKING
監督: ヴィム・ヴェンダース
脚本: サム・シェパード

出演: サム・シェパード
    ジェシカ・ラング
    ガブリエル・マン
    サラ・ポーリー
    ティム・ロス
★★★★★
ヴィム・ヴェンダース、サム・シェパードとくるとすぐ 『パリ、テキサス』
ボローンとライ・クーダーのギターの音色、そして渇いた美しい映像がすぐにうかぶから、すごい。
20年以上も経つのに色あせない、保存版のDVDです。

今回はサム本人が主演。脇役でも抜群の存在感で、私の作品選びの基準となる大好きな男優です。
しゃがれた声、シャイでいつまでも少年がいる感じといい、この役にはぴったり。

 サム・シェパード演じる落ち目のスターが、ある日撮影現場から逃走。30年疎遠だった母のところへ。
そこで、20年前彼の子供を妊娠した女の話を聞き 昔の恋人を探す旅にでます。
スキャンダルまみれの不良男が、人生を振り返り孤独を感じ、家族の絆をつかもうとする話です。血のつながりやその意味、そして主人公にとっても自分探しの旅に・・・。

ハワード(サム)の昔の恋人ドリーンにはジェシカ・ラング。この人かっこいいんです。潔いシングルマザーそのもので、荒れてる息子ともべたべたした関係ではなく、距離をおいて、女として生きてるのです。
そういえば、「郵便配達は二度ベルを鳴らす」あのニコルスン相手に衝撃の色気でした。

息子アールとハワード、性格もそっくりだけど、女運においても似てるんです。
モテル男はそうだけど、母親といい、恋人といい、本当に恵まれている。もちろん計算はないんですが、羨ましいかぎり。

淡々とした話の進みや、湿っぽくなく乾いた人間模様・空気が、ノスタルジーを感じさせてくれる。あくまで私的な話がいい。(イーストウッド風な世の中批判や、道徳的じゃないのが・・)

ミーハーとしては、私生活でパートナーのジェシカ・ラングとの共演や、サラ・ポーリーのお母さんの写真がでてきたりとか、重複して味わえる楽しみもあります。

ティム・ロスの不気味で安心させない存在、アールの歌うシーン、楽しめます。

Dear フランキー

2009-05-21 | 映画
2004年 イギリス
監督: ショーナ・オーバック
脚本: アンドレア・ギブ
撮影: ショーナ・オーバック
編集: オーラル・ノリー・オテイ
音楽: アレックス・ヘッフェス

エミリー・モーティマー
ジェラルド・バトラー
ジャック・マケルホーン
メアリー・リガンズ
シャロン・スモール
ソフィー・メイン

★★★★★

耳に障害のある息子と転々とした生活をするリジー。それは夫の暴力から逃げるため。彼女は月に二度、父親の振りをして息子に手紙を出します。その秘密が、温もりある結末へと導きます。
女性監督ならではの細やかさ、小道具によるわかり易い愛情表現、それはバックに流れる音楽にも表れます。(ジェシー・ハリスの曲が・・・もう集中)
とにかく隅々にまで説明が行き届いた脚本で、出てる人全員に情が沸きます。

冒頭のマリーとの会話
「息子は言葉が・・・」
「充分通じたわ 賢い子ね」
「難聴の割に」
「年のわりに」
ここでもう映画の方向がみえ、胸が熱くなり涙腺開きモード。マリーをまず好きに。
毒舌でヘビースモーカーだけど、本音の会話でゆっくりわが子を助け守るおばあちゃん

フランキーの難聴の原因は夫なのに、真実は告げず、船乗りで世界中を旅していると嘘をつき悩むリジー。想像力とはこんな風にして、知識や教養を生かすんだと、はっとさせられます。(子供に自分のうっぷんを晴らさないなんて)賢い人です。フランキーの母ですから。

バトラー目的だったのに、フランキーや生意気な友達もかわいく いつの間にか応援しているのです。
もちろんバトラーは素敵です。草食が多い中 清潔な濃さ、貴重な人だと思います。別れの手を振るガチンとした崩れない動きがいいなあ。
勿論、ダンスの帰りの二人 夫との事を話した後のシーン

「フランキーはとても幸せだ」
「なぜ言えるの 私は嘘つきの母親よ」
「違う 君は彼を守ってるんだ」
バトラー同様 観てるこちらもそう語ってしまう。正直でかわいい、賢い母親。すっきりです。

バトラーから渡された石をそっとポケットにしまうフランキーや、バトラーがフィッシュアンドチップスを注文し、フランキーが嫌な顔をした時、マリーがいう「野菜嫌いのベジタリアンさん」のセリフ。(なるほど、熱帯魚好きですから)
指輪やウェディングドレス。 暴力を振るった夫を憎んでも、フランキーの父親を否定・抹殺していない。再会した夫に父親似の賢い息子だと伝え 手紙で憧れの存在にしてる
罪を犯した実父も最期には許しを乞い、息子に会いたがる その橋渡しの姉

別れのキスシーンはないほうが・・・? そんな速い展開より、ハグでの別れのほうが余韻が残るのではと思ったりしますが、うれしいシーンです。
などなど すべての人物に愛情を注いでいて、後味がいいです。女性ならではと感じる脚本でいい映画でした。

フランキーがいつ父親のことを知ったか、謎が残るところですが、私的には、最初の手帳に挟んである写真(父親の部分をカットした写真)を手に入れた時点で、父親の顔は知っていた。だからバトラーを見たとき、疑ったのかな?利口で思いやりのある子供ですから。

フランキー役のジャック・マケルホーン、斜に横を向く姿や目の動き、すばらしい。いじくられずゆっくり成長してほしい。

「猟人日記」のジャック・マケルホーンとエミリー・モーティマーも存在感ありました。でもこちらはすっきりしない後味よろしくない作品だったような。

いとしい者・もの      「いとしい人」試写会

2009-05-20 | 映画
○○の日に貰った素敵なバックを手に「いとしい人」試写会。
初めて持って出かけるには絶好の日。イニシャルも自分用だしなあ・・・などど思いながら 嬉しくなります。正に、「いとしい君たち」からの贈り物です。お気に入りですよ、サンキュ

 

私にはどう頭をシャッフルしても、ヘレンハントとベッドミドラーのDNAがつながってるとは思えなくて。
39歳の設定だけど、ヘレンハントが老けて疲れてる。それに比べ、ベッドミドラーは艶々(奔放な母の設定もあるけど)恋愛物でしかもコリンとマシューの相手役なんだから、もう少し女性を感じ.美しいほうが・・・
養子、体外受精、親との別れ、再会 流産、などなど結構深刻。でもスキップするように展開して悩まず時間は過ぎます。好きな俳優を眺めてるということもあるけど、体外受精ってこんなに今は簡単なの?と感じる私、古い人?人のことを言ってる場合じゃない。
でこの邦題。結局自分なのかな? ユダヤのジョークもこの映画とどう関係が?といまいち解らないし、二人の接近も見逃したのかすっきりしない。結末も、体外受精に成功したのか養子なのか曖昧。(私的には多分養子。中国では子供をゴミ箱に捨てると何度も言ってたから)だけどその必要が?普通にコリンとではダメ?
まあそんなこんなですが、この手の映画は大好きです。
マシューとヘレンは元恋人だった記憶が?だとすると・・・品のない人になりそう
ジュリー・デルピーもそう、才能ある映画人は素敵な人間関係を築いているんですね。うらやましい人になりました。

★★★☆☆

監督:ヘレン・ハント
脚本:アリス・アーレン,ヴィクター・レヴィン
   ヘレン・ハント
音楽:デヴィッド・マンスフィールド
原題: THEN SHE FOUND ME
出演:ヘレン・ハント,ベット・ミドラー
   コリン・ファース,マシュー・ブロデリック

楽園の瑕

2009-05-17 | 映画


★★★★★

金庸の小説をもとに王家衛(ウォン・カーウァイ)が作った武侠映画。
原作は有名らしいのですが、読んだことありません。原作に忠実かどうかも?

1994年製作
監督・脚本・・・王家衛(ウォン・カーウァイ)
撮影・・・・・・・クリストファー・ドイル
美術・・・・張叔平(ウィリアム・チャン

時代劇だけど、登場人物がそれぞれ魅力的で活き活きしています。(映画の中も外も)然もその活力源が、恋愛そのものなのです・・・時代は関係ない。なので、感情移入しやすく、観るたびにその相手(私のお気に入り)が変わってしまうのです。
何度観ても発見・謎解きがあり、ウォン・カーウァイ映画の中でも大好きな作品です。一番かも。
ウォン・カーウァイといいアン・リーといい、役者選びのうまい監督は、作品もその人も 俳優以上に魅力的です。

個性光る登場人物
歐陽峰<西毒>・・・・張國榮(レスリー・チャン)
黄薬師<東邪>・・・・梁家輝(レオン・カーフェイ)
盲剣士・・・・・・・・・・梁朝偉(トニー・レオン)
洪七 <北夷>・・・・・張學友(ジャッキー・チョン)
燕/媛・・・・・・林青霞(ブリジッド・リン)
桃花・・・・・・・・劉嘉玲(カリーナ・ラウ)
歐陽峰の兄嫁・・・・・・・張曼玉(マギー・チャン)
村の娘・・・・・楊采[女尼](チャーリー・ヤン)

梁家輝(レオン・カーフェイ)
憎めないプレーボーイ役。この人たたずまいが美しい。黒沢映画の三船敏郎の様なあっけらかんとした明るい大きさがいい。なぜ王家衛作品はこれ一本なのか。トニーレオンを喰ってしまうからかな?もっと出演してほしかったなあ。
ハリウッドや欧州進出も自然だったのに、欲張りじゃないみたいですね。「ラ・マン」での梁家輝、カリーナ・ラウが撫でる馬のように美しかったのです。

リメーク版のDVDの発売が待ち遠しい。
映像と音楽、一見難解なストーリーが持ち味の王家衛作品。
レスリーの姿、声、ヨーヨ・マの音楽、どんなふうに味付けされてるのか楽しみです。

絶景かな この看板 文化財?

2009-05-15 | 旅行
桜の頃、南禅寺で見つけた看板。

三門前の入口付近、道路側前庭にありました。

駐車禁止じゃなく洗車禁止
確かに脇には用水の水が流れてるけど。こんなところで車を洗う?
身ではなく車を清めるとは。何が何だか 絶景かな。
自分の目も疑ったけど、確かに・・・。証拠写真を撮らねば説得力がない、でも詰め甘し。電池切れ寸前、しかも背景がとれてない。

今はどうなってるかなあ。景観に合わないから無くなってるといいなあ。きっと切羽詰まってたのでしょうね南禅寺側は。
びっくり看板でした。

今日のカンゲキ (観劇)

2009-05-14 | 日記
「いとしい人」試写会 当たりました。うれしい人に~。
久々にコリン・ファースを大画面で見れます。ヘレン・ハントとの共演、ジャック・ニコルソンがすぐに浮かぶけど、キャストもいいし、マンマミーアのような肩すかし?は ないはず。 
「アナザーカントリー」「高慢と偏見」・・・
若かりしコリンを眺めながら。気持ちを盛り上げるかな?
主催者さま ありがとうございます。